ネット前夜祭に参加する芝野虎丸名人(手前)と井山裕太棋聖(奥)=24日午後、東京都文京区のホテル椿山荘東京、迫和義撮影

お隣は藤井聡太、差は歴然 懸命に歌う囲碁名人の危機感:朝日新聞デジタル

囲碁はなぁ、ヒカルの碁で一時期盛り上がったけど・・・


2020年8月31日 17時00分

ネット前夜祭に参加する芝野虎丸名人(手前)と井山裕太棋聖(奥)=24日午後、東京都文京区のホテル椿山荘東京、迫和義撮影
ネット前夜祭に参加する芝野虎丸名人(手前)と井山裕太棋聖(奥)=24日午後、東京都文京区のホテル椿山荘東京、迫和義撮影

囲碁の芝野虎丸名人に井山裕太棋聖が挑戦する、名人戦七番勝負第1局の前夜、コロナ禍のため前夜祭に代えて「ネット前夜祭」を開いた。

同じ会場にいながらソーシャルディスタンスをとり、オンライン会議システムによる異例の座談会。芝野名人は「自分を動物にたとえるなら、虎ではなく猫です」、井山挑戦者は「『虎丸め』と叫ぶのが日課になってます」。イヤホン装着でおよそ30分、冗談を振りまきながら場を盛り上げた。

大勝負を翌日に控え、ホンネはひとりにしてほしいはずだ。担当記者の私のむちゃぶりに応えてくれたのは、トップ棋士の使命感からくるものに違いない。囲碁の人気低迷に対する棋士の危機感を、折に触れて感じてきた。

1980年代に1千万人以上いた日本の囲碁人口は、200万人に激減したという調査もある。お隣の将棋界では、史上最年少の藤井聡太二冠の誕生でメディアが沸騰している。芝野名人は今年史上最年少で三冠を遂げたが、扱いの差は歴然としている。

私は小学生のとき、父に囲碁をやらされた。容赦なく勝つ父にムキになって打つうち、のめり込んだ。基本は陣取り合戦だが、そこに打った石の生死が絡む。敵陣に突入した石をめぐる攻防は、囲碁の醍醐(だいご)味の最たるものだ。

いくらことばを並べても、実際に打たないと面白さはわからない。碁打ちには、そんな突き放した態度があった――。現在SNSで囲碁の魅力を発信する棋士のことばは、記者の私にも痛かった。とっつきにくい囲碁用語を何の気もなしに使い、囲碁を知らない人を遠ざけていたのではないか。

芝野名人もこの夏、好きなJポップのハーモニーを自分で歌って合成し、ユーチューブにアップした。お世辞にもうまいとは言えないが、一生懸命の歌声にニヤリとした。

その日、彼はツイッターに「『変なことすんな』みたいなコメントも何件か頂いてます」と書き込んだ。「日本囲碁界は数年前から、なにも変わらなければ潰れるだろうという状態が続いてます」。これも私の胸を刺した。

20歳の名人が模索している。54歳の私こそ変わらなければと焦る。(文化くらし報道部・大出公二)

情報源:お隣は藤井聡太、差は歴然 懸命に歌う囲碁名人の危機感:朝日新聞デジタル




ふむ・・・