(香川愛生の駒音だより)「ひふみん」だなんて…:朝日新聞デジタル

ほぉ・・・


2017年11月14日 5時00分

香川愛生女流三段
香川愛生女流三段

2017年の新語・流行語大賞候補が発表され、藤井聡太四段の活躍に伴う「藤井フィーバー」と共に「ひふみん」が将棋界からノミネートされた。

加藤一二三先生の愛称としてすっかり定着したが、後輩としては抵抗感が拭えない。同世代の同性の友人たちは、加藤先生のことを「かわいい」と口々に言うが、私は口が裂けても言えない。バラエティー番組で流暢(りゅうちょう)に語られるお姿も、威厳ある対局姿勢が重なる。

奨励会員だった高校生の頃、対局の指し手を記録する記録係を務めた時に、同じ部屋で加藤先生が対局されていたことがある。激烈な手つきと激しい駒音、ぐっと前かがみな姿からも想像のできる勢いある指し手。どこをとっても迫力満点で、対局後、記録係にお駄賃を渡す光景を見かけるまでは、こわい先生だとばかり思い込んでいた。

光栄なことに、加藤先生とお仕事をご一緒する機会も増えた。共演の前には、先生が出たタイトル戦の棋譜を並べ返すこともある。私が生まれるずっと以前の名局と、ご本人のキャラクターとのギャップを目の当たりにすると気恥ずかしさも大きい。

伝説的な記録の数々を持つ加藤先生が、将棋界のために最前線で普及してくださるのは尊敬せずにいられない。「ひふみん」の愛称も単なる流行語ではなく、なじみ深い存在として加藤先生と共に末永く定着してほしい。(将棋女流棋士)

情報源:(香川愛生の駒音だより)「ひふみん」だなんて…:朝日新聞デジタル



へぇ・・・