(香川愛生の駒音だより)団体戦、心打つ涙:朝日新聞デジタル

ほぉ・・・


2017年11月7日 5時00分

香川愛生女流三段
香川愛生女流三段

先日、映画「ちはやふる―結び―」の来春公開が発表された。競技かるたの団体戦で日本一を競う高校生たちの青春物語の完結編で、今から待ち遠しい。

将棋にも大学対抗の団体戦がある。夏と冬に開催される全国大会が部員の一番の目標だ。プロ棋士や女流棋士は、学生の大会に出場できない。大学入学後は、実力をつけて選手の練習相手として部に貢献したいという心境で将棋盤に向かうようになった。

2回生の冬、全国大会の応援に駆け付けた。本大会は、7人対7人の対抗戦で4勝した大学が勝ちとなる。応援といっても、静まり返った会場で黙って見守る以上のことはできないが、仲間が勝てば、対戦相手に気遣って会場の外で笑顔を交わした。

誰かが勝てば、誰かが負けるのが将棋である。勝ち目がない局面になっても、粘り続ける同級生の姿が今も目に焼き付いている。チームを背負う意思がひしひしと感じられて、胸が締め付けられた。将棋に負けて泣くのは惨めだと思っていたが、準優勝の夜に何十人の部員が堪(こら)えきれなかった涙は、むしろ特別なものに感じられた。

それまで団体競技に関心がなかった自分だが、今では夏に甲子園を見るようになり、「ちはやふる」の主人公たちの情熱に胸を打たれるようになった。思えば将棋部での日々は、私にとって初めての青春だった。(将棋女流棋士)

情報源:(香川愛生の駒音だより)団体戦、心打つ涙:朝日新聞デジタル



へぇ・・・