イプシロン4号機 きょう打ち上げへ 7つの小型衛星搭載

イプシロン4号機 きょう打ち上げへ 7つの小型衛星搭載 | NHKニュース

ふむ・・・


2019年1月18日 4時17分

民間企業や大学などが開発した7つの小型衛星が搭載された日本のロケット「イプシロン」の4号機が、18日午前9時50分に打ち上げられます。鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所では最終の準備作業が進められています。

「イプシロン」は活用が広がる小型の人工衛星を低コストで打ち上げることを目標に、JAXA=宇宙航空研究開発機構が開発し、6年前に初号機が打ち上げられた小型ロケットです。

4号機は全長26メートル、打ち上げにかかる費用はおよそ55億円で、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所では最終の準備作業が進められています。

「イプシロン」4号機には、民生品を活用した通信装置やカメラなどが宇宙空間で使えるか実験するための衛星や、ベンチャー企業が企画した人工的に流れ星を作り出す衛星など、合わせて7つの小型衛星が搭載されています。

今回の打ち上げでは、民間の宇宙開発を促進するため、JAXAが打ち上げコストを負担することになっていて、「イプシロン」としては初めて、複数の衛星を同時に打ち上げます。

「イプシロン」4号機は順調に準備作業が進めば、18日午前9時50分に打ち上げられる予定です。

7つの小型衛星を搭載

イプシロンロケットは、高さ26メートル、直径2.6メートル、重さはおよそ96トンで、H2Aロケットのような液体燃料ではなく、主に火薬の一種である「固体燃料」によって飛行します。

6年前に最初の打ち上げが行われて以降、これまでに3機が打ち上げられ、すべて成功しています。

この間、イプシロンにはさまざまな改良が加えられ、今回の4号機では初めて、複数の衛星を同時に打ち上げるための装置が採用されています。

この装置に合わせて7つの小型衛星を搭載してロケットの先端部に取り付け、宇宙空間に打ち上げたあと、1機ずつ、それぞれの目的の軌道に投入します。7つの小型衛星は国内のベンチャー企業や大学などが開発しました。

衛星の打ち上げにかかるおよそ55億円の費用を負担するのはJAXAで、宇宙での技術実証の機会を多くの企業や大学に提供し、民間の宇宙開発のすそ野を広げることを目的としています。

打ち上げの手順は

イプシロン4号機 きょう打ち上げへ 7つの小型衛星搭載
イプシロン4号機 きょう打ち上げへ 7つの小型衛星搭載

「イプシロンロケット」の4号機は、次のような手順で打ち上げられます。まず、打ち上げの3時間前、組み立てが行われた建物の外に出され、発射地点に移されます。

そして、2時間40分前、機体に搭載された機器の電源が入り、ロケットと地上設備との通信の確認などが進められます。機体や天候に問題がなく、打ち上げることが決まれば、70秒前からの準備は自動で行われたあと、1段目の燃料に点火され、イプシロンは発射台を離れます。

その後、ロケットは上昇を続け、打ち上げから2分31秒後に高度123キロで、ロケットの先端の人工衛星を保護する「フェアリング」と呼ばれるカバーが外されます。

続いて、2分41秒後に燃焼を終えたロケットの1段目が、高度132キロで分離され、2段目の燃焼が始まります。

2段目は6分30秒後に高度243キロで分離され、続いて点火される3段目も9分54秒後に、高度238キロで分離されます。

さらに、ロケットの4段目にあたる液体燃料を使ったエンジンを2回に分けて燃焼させ、打ち上げから51分55秒後に高度514キロで、今回搭載している7つの衛星の中で最も大きい「RAPIS-1」を切り離して、目的の軌道に投入します。

その後、打ち上げから1時間10分後にかけて、人工的に流れ星を作る「ALE-1」など、6つの超小型衛星を順番に切り離していくことになっています。

13のテーマで実証実験

イプシロン4号機は、民間企業や大学などが開発した7つの小型衛星を搭載して打ち上げられ、13のテーマの実証実験が行われます。

このうち、最も大きい衛星「RAPIS-1」は、縦横高さおよそ1メートル、重さおよそ200キロの小型衛星で、地球の上空500キロを周回する軌道に投入されます。

「RAPISー1」には、従来と比べ重さを3分の1に軽量化した薄膜太陽電池や上空から撮影した地球の画像を人工知能で識別し、必要な画像を地上に送るカメラなど、7つのテーマの実証実験が行われます。

残り6つの衛星はいずれも超小型衛星で、東京工業大学などが開発した「OrigamiSat-1」は、縦横10センチ、高さ34センチ、重さ4キロの余りの超小型衛星で、1メートル四方の薄い膜が折り紙の技術を使って小さく折り畳まれ収納されています。かさばらない膜をうまく展開することで、超小型衛星用の太陽電池パネルやアンテナとして利用することを想定していて、宇宙空間で実証が行われます。

人工流れ星に挑戦

イプシロンロケット4号機に搭載される人工衛星のうち、東京・港区のベンチャー企業、「ALE」が開発した衛星は、夜空に人工的に流れ星を作り出すことに挑戦します。

この会社が開発した衛星、「ALE-1」は縦横60センチ、高さが80センチで、重さは68キロある超小型衛星です。

およそ1センチの金属などで作った特殊な球を400個搭載していて、この球を地球の大気圏で燃え尽きさせることで、人工的な「流れ星」を作り出す計画です。

衛星は秒速8キロという高速で地球の周りを回っているため、球が光るのは撃ち出した場所から7000キロ先で、わずかな誤差が大きなズレにつながることから、撃ち出す筒状の装置は、わずかなゆがみもないよう200分の1ミリの精度で製作されました。

球はマイナス1等星以上の明るさで、最長で10秒ほど夜空を流れるということで、明るい都会でも十分に見ることができるとしています。

また、打ち出す球の速度を変えれば、理論上、同じ場所から5つ以上の流れ星を見られるようにもできるといいます。

今回の打ち上げのあと、来年春に実際に球を打ち出す計画で、広島県を中心に中国四国地方の上空で、人工の流れ星が見られる予定です。

この会社では、ことしの夏には、より精度を向上させた2号機を打ち上げる予定で、自治体や企業などと連携して、「人工流れ星」のイベントを新たなビジネスとして成り立たせていきたいとしています。

情報源:イプシロン4号機 きょう打ち上げへ 7つの小型衛星搭載 | NHKニュース



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