マジか・・・
by voltamax深刻な心臓発作を経験した女性が半年以内に死亡する確率は男性の2倍であると、2018年7月にオーストラリアの研究者が示しているように、心臓発作における死亡率に男女差があることが近年問題視されています。そして新たな研究では、女性が心臓発作を起こした場合、治療や診断にあたる医師の性別が生存率に影響を与えることが示されました。
Patient–physician gender concordance and increased mortality among female heart attack patients | PNAS
http://www.pnas.org/content/early/2018/07/31/1800097115Women survive heart attacks better with women doctors: Study | EurekAlert! Science News
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-08/wuis-wsh080118.phpWomen more likely to survive heart attack if treated by female doctor – study | Society | The Guardian
https://www.theguardian.com/society/2018/aug/06/women-more-likely-to-survive-heart-attack-if-treated-by-female-doctor-study女性は胸の痛みを伴わない心臓発作を起こしやすく、助けを呼ぶタイミングが遅れがちだと調査で判明しています。また、女性の心臓発作は不安障害と誤診され初期治療が遅れる傾向があり、結果、心臓発作による死亡率は男性よりも女性の方が高い、という研究結果も2014年に発表されました。
新たな研究を行ったミネソタ大学で情報決定科学の准教授を務めるBrad Greenwood氏らの研究チームは、1991年から2010年にかけてのアメリカ・フロリダにおける救急診療部の医療記録を調査。患者の年齢・性別・健康上の問題のほか、患者が病院内で亡くなったかどうか、救急治療室で最初に担当した医師が女性だったか男性だったか、などについて調べたところ、58万人以上の患者のうち11.9%が病院で亡くなった心臓発作患者でした。
by ElasticComputeFarm研究者らは、調査の中で、患者と医師の性別が一致していた時に患者の生存率が上がることを発見しています。
そして、さらに調査を進めたところ、女性医師が担当した場合の男性患者・女性患者の生存率は同程度であるにも関わらず、男性医師が担当した場合は患者、特に女性患者の生存率が低くなることがわかりました。男性医師が治療にあたった女性患者は、女性医師が治療にあたった男性患者に比べて生存率が1.5%低かったとのこと。
研究チームは、救急科において心臓発作にあたる女性医師の割合が高いと、女性患者の生存率が高くなることも発見しています。男性医師が女性患者の治療を行っている時に、特にこの傾向は強くなるとのこと。
Greenwood氏は、この理由について、女性医師は自分の経験を患者と共有しながら心臓発作の治療にあたることができるのではないか、とみています。また、男性医師が女性患者をみた時でも、過去に男性医師が女性の心臓発作患者の治療を行っていればいるほど、女性の生存率はあがったといいます。
by rud0070「この調査結果は、なぜ心臓発作の生存率において男女の不平等が存在するのかを示唆しています。多くの医師は男性であり、男性医師は女性患者の治療に悩まされているようにみえます」と研究者は述べており、救急科における女性医師の必要性を主張しています。
ただし、今回の研究結果に対して、イギリスのリーズ大学の循環器科に所属するChris Gale教授は「アメリカのデータに基づくものであり、他国の医療システムにおいて同じことが言えるかどうかはわからない」と指摘。また、アメリカでは複数の医師が患者にあたるため、最初に治療を行った1人の医師の性別だけに注目する今回の研究結果は限定的なものだと述べています。
加えて、Gale教授は「心臓発作の患者は通常、タバコを吸い、過体重で糖尿の中年男性」というイメージがあることも女性を不利にしているとも語りました。女性の心臓発作の症状は変則的であり、医師の性別だけではなく、さまざまな要素のによって女性の心臓発作が適切に治療されないという結果に結びついている可能性があることをGale教授は指摘しています。
情報源:女性の心臓発作患者を男性の医師が治療すると死亡する可能性が高くなる – GIGAZINE
ふむ・・・