将棋一家も「えー!と叫んじゃう」塚田恵梨花女流初段、スリリングな超早指し体験記「見るのとやるのは全然違う」/将棋・ABEMAトーナメント

将棋一家も「えー!と叫んじゃう」塚田恵梨花女流初段、スリリングな超早指し体験記「見るのとやるのは全然違う」/将棋・ABEMAトーナメント | ニュース | ABEMA TIMES

塚田恵梨花


2022/03/29 11:00

将棋一家も思わず「えー!と叫んじゃう」ほどの興奮する大会が、もうすぐ開幕だ。早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」が4月2日放送のドラフト会議を皮切りに、毎週の放送がスタートする。第3回大会から団体戦となり、棋士による戦いに新たな魅力を加えたものになったが、塚田恵梨花女流初段(23)は、プロである両親とともに、この大会を満喫している。「持ち時間がある将棋では見られないような逆転劇があるので、えー!と、家族と一緒に叫んで見ています(笑)」と、一家団欒での将棋観戦となっている。塚田女流初段本人も「第2回女流ABEMAトーナメント」で団体戦に初出場。この経験をもとに、大会の見どころやドラフト指名のポイントを解説した。

持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールに加え、3対3の団体戦。新たな要素満載でスタートしたこの大会も、早3回目を迎える。好評につき、同じルールで行われた女流ABEMAトーナメント、師弟タッグによる師弟ABEMAトーナメントも、それぞれファンを興奮させた。

塚田女流初段 女流ABEMAトーナメントに、自分が選ばれるとは思っていなかったです。持ち時間が短いのは得意じゃないので(苦笑)。見る分には楽しいんですが、実際にやると全然違うんですよ。

最終盤ともなれば、残り時間はわずか数秒。読みを入れる余裕はなく、指が向くままに指し、それが正着であることを祈る。そんな感性のぶつかり合いとも言えるのが、このルールだ。

塚田女流初段 団体戦は初めてだったので、不思議な感じがしましたね。特に初戦の1局目に出た時は緊張しました。

チームメイトはリーダー山根ことみ女流二段(24)と和田あき女流初段(24)。1つ年上の2人だが、普段から仲もよく、食事に出かけたり、一緒に仕事をしたりと、公私でつながりが強い。

塚田女流初段 初戦、誰が行くかという話になったんですが、流れで私が出ることになりました。2人が「朝が弱いから」という理由だったんですけど、「私も朝弱いのになあ」と思っていました。一応、学年だと私が下で、2人がお姉さんなので、その圧に負けて放り出されました(笑)。

このエピソードでわかるように、この同世代3人は仲間の対局を見守る作戦会議室でも、完全なリラックスモードで過ごしていた。

塚田女流初段 普通に楽しんでいましたね。どこからが仕事かプライベートか、境界線がわからないくらい。全然カメラがあることも気にせず、無言の時間も長かったんじゃないでしょうか(笑)。仲が悪くて無言なんじゃなくて、気を使わないからそうなったんだと思います。

大会では、永世名人の有資格者・森内俊之九段(51)がチームの監督を務めた。限られた時間の中で、練習会に顔を出しては直接指導もあり、さらにはメールのやり取りで長所・短所を選手ごとに指摘もしてくれた。

塚田女流初段 練習をしていただいたり、アドバイスをいただいたり。私たちのことから、相手のことまで分析してくださって、本当にここまで丁寧にしていただいたことが申し訳ないぐらい、素晴らしい監督でした。褒めていただいた部分があって、それがうれしすぎましたね。

自分がチームメンバーとして戦う楽しみも感じたが、見るとなればそこは一人の将棋ファン。あちらこちらをチェックしては、楽しみポイントを探している。

塚田女流初段 本当にスピーディーで、終盤に何が起こるかわからないですよね。見ている方はおもしろくて「えー!」とか叫んでます。リーダー、メンバーによって、チームの雰囲気が変わるのもおもしろいですよね。たとえば昨年だと、木村一基先生(九段)がリーダーの「チームエンジェル」では、どんどんと控室でのアイテムが増えていったところがおもしろかったです。最初はアイテムが1つだったのに、2つ、3つと増えていったじゃないですか。

ベテラン棋士と若手棋士2人の3人が、回を追うごとにチーム名にかけて、天使のコスプレグッズを使いこなしていく様子は、ファンの爆笑も呼んだ大会屈指の「珍場面」の一つだ。

余すところなく、この団体戦を味わっている塚田女流初段が、今回のドラフト会議で見たいのはどんなチームか。注目したのは三浦弘行九段(48)で、そのパートナーには同門の兄弟子・藤井猛九段(51)、さらにフィッシャールールでも強さが光る木村一基九段(48)を選んだ。

塚田女流初段 三浦先生は、何度かお仕事をご一緒したことがあって、気さくに話してくださいました。普段から、藤井九段にいじられているようなところがありますよね。兄弟弟子の仲のよさを見ている気がします。控室でお二人がどんなお話をするのかも、想像できる気がするし、興味がありますね。「藤井システム」に関しては、私が居飛車党なので、システムを受ける側。結構苦戦したのを覚えています。ただ見る側に回ったら、それが炸裂するか見たいですよね。木村先生は、この2人の中に入って、うまくまとめてくださりそう。将棋も基本的に受け将棋と言われていますけど、攻めも鋭いし、切り替えがすごいです。ずっと攻めていたと思ったら、急に受けたりするので、その切り替えを短い時間でやられると、相手の方は難しいと思います。本当に木村九段にしか指せない将棋で、前回大会もすごく見入ってしまいました。

なお、大会に参加してほしい棋士について聞かれると、微笑みながら「師匠です」と答えた。

塚田女流初段 師匠(父の塚田泰明九段)は見てみたいですね。去年、同門で兄弟子の藤森哲也五段と、大会の出場がかかった予選決勝で当たって、弟子が勝ったんですけど、師匠は早指しを得意としていますから。攻め将棋なので、見ていても楽しいです。控室とかは、毎日家で見ているような感じで、そのまま変わらないと思いますが(笑)。

大会期間中は、大盤解説の聞き手も務めることがある塚田女流初段。父・泰明九段が必死に超早指しで戦っている様子を、解説棋士とどんな様子で見守るか。実現すれば、ファンにとっても新たな楽しみが追加されることになる。

◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

情報源:将棋一家も「えー!と叫んじゃう」塚田恵梨花女流初段、スリリングな超早指し体験記「見るのとやるのは全然違う」/将棋・ABEMAトーナメント | ニュース | ABEMA TIMES




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