【東西対抗団体戦】西軍が３連勝Ｖ　澤田七段、豊島九段、古賀四段で決める – 社会 : 日刊スポーツ

西軍強い

2021年12月26日15時49分

SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2021に臨む西軍の、左から古賀悠聖四段、沢田真吾七段、稲葉陽八段、豊島将之九段、藤井聡太竜王（撮影・足立雅史）

将棋のプロ棋士による初の東西対抗団体戦、「SUNTORY　将棋オールスター　東西対抗戦2021」（準公式戦）が26日、都内で始まった。日本将棋連盟の所属棋士が東軍（東京本部所属）と西軍（関西本部所属）に分かれ、選ばれた各5人が初手から1手30秒で戦う。第3局を終えて、西軍が3連勝して早々と優勝を決めた。

第1局で後手の澤田真吾七段（30）が終始攻め続けて戸辺誠七段（35）を118手で下したのに続き、第2局は豊島将之九段（31）が横山泰明七段（41）に129手で勝利。第3局も永瀬拓矢王座（29）に古賀悠聖四段（20）が124手で逆転勝ちした。

豊島は24日に竜王戦1組ランキング戦で渡辺明名人（棋王・王将＝37）と対戦し、指し直し局の末に深夜2時57分終局という激闘を演じたばかり。「横歩取りのスペシャリストの横山さんとの対戦が昨日決まって、研究しようと思いましたが、眠気に勝てませんでした」。対する横山は「戦ってみると少しずつ苦しくしてしまった。駒が下がりだして、矢倉の戦い方がうまくないと思いました」と残念がった。

SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2021に臨む東軍の、左から永瀬拓矢王座、羽生善治九段、佐藤秀司八段、横山泰明七段、戸辺誠七段（撮影・足立雅史）

第3局で大金星を挙げた古賀は、「序盤から中盤苦しかったが、粘り強く指せた。気が付いたら局面が勝ちになっていました」と振り返る。敗れた永瀬は「ファン投票（東2位）は望外でした。中盤からの指し方が良くなかった。30秒将棋に問題があった」と苦笑いしていた。

第4局は藤井聡太竜王（19）対佐藤秀司八段（54）、第5局は羽生善治九段（54）対稲葉陽八段（33、いずれも前が先手）。

東軍は羽生、永瀬、佐藤、横山、戸辺。西軍は藤井、豊島、稲葉、澤田、古賀。先に3勝した方が優勝。

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▲豊島将之九段－△横山泰明七段

☗２二飛成☖同玉☗３二金☖１一玉☗２二金打までの詰めろ。
この局面で横山が投了した。終局時刻は14時47分。以下は大盤会場でのやりとり。

木村「横山七段の横歩取りをかわしたのは予定でしょうか」
豊島「オールスターなので直球勝負にいきたかったですけど、言い訳になりますが、前の日に長い対局（24日の竜王戦が持将棋指し直しだった）があって。昨日の夜は眠気に勝てませんでした」

木村「準備期間が短かったということで雁木にしたのですね」
豊島「横山七段は横歩取りのスペシャリストなので、30秒で指すのは難しいと思いました」

木村「序盤はいかがでしたか。ペースは握れたでしょうか」
豊島「序盤はちょっと失敗していると思ったですが、途中から攻めていけたのでまずまず。終盤は難しかったと思います。歩が１枚ずつ足りない感じなので、際どいと思いました。

木村「横歩取りをかわされて雁木対矢倉になりました。横山さんは元振り飛車党ということで、矢倉の経験はそれほどないと思いましたが」
横山「やっぱり戦ってみると少しずつ苦しくなっていったので、矢倉の戦い方があまりうまくないなと思いました」

木村「☖７七香（106手目）のあたりは迫力がありました」
横山「駒が少しずつ下がりだしていったので、少し苦しいと思っていました」

最後に本局の感想。

豊島「自分らしく指すことができたかなと思います。リレー対局も一生懸命、頑張りたいと思います」
横山「トップの方と対戦する貴重な機会でした。矢倉戦では力の違いを感じたので、これを機に勉強したいと思います」

▲永瀬拓矢王座－△古賀悠聖四段

数が足りているので、☗５四同馬は☖同銀☗５六玉☖４五銀左☗５七玉☖６七金で詰み。上にかわす☗６四玉も☖７三金まで。この手を見て永瀬が投了。終局時刻は14時43分。古賀が東のタイトルホルダー相手に見事な勝利を収めた。

両対局者は終局後にステージ上で一局を振り返り、古賀は「何をやっても研究されていそうなので、こちらが得意な形で勝負しようかと。序盤から中盤にかけて苦しかったが、決め手を与えないように粘り強く指せたのがよかった」

永瀬は「中盤の☗６八桂（69手目）はよくなかった。悪い癖が出てしまった。反省します。ファン投票で選んでいただいたのは望外でしたが、30秒将棋に問題がありすぎる気がします。また選んでいただけたら頑張りたい」と話した。

「ＳＵＮＴＯＲＹ将棋オールスター　東西対抗戦２０２１」。第２局は豊島将之九段（西軍）が横山泰明七段（東軍）に勝利。〔写真提供・日本将棋連盟〕 pic.twitter.com/Gds88yPDMs

— 北野新太 (@kitano_arata) December 26, 2021

「ＳＵＮＴＯＲＹ将棋オールスター　東西対抗戦２０２１」。第３局は古賀悠聖四段（西軍）が永瀬拓矢王座（東軍）を撃破。怒濤の３連勝で西軍の勝利が決定！〔写真提供・日本将棋連盟〕 pic.twitter.com/kcsYBmTzNq

— 北野新太 (@kitano_arata) December 26, 2021