2020年の王将リーグ
2021年10月10日 5時00分
棋聖と王位を獲得した藤井聡太(19)の、次のタイトルを目指す戦いが始まった。第70期王将戦の挑戦者決定リーグ戦。初戦の相手はタイトル獲得99期で大台到達まで「あと一つ」に迫る羽生善治(51)だった。
注目の一戦は2020年9月22日、将棋会館(東京都渋谷区)の特別対局室で指された。過去4回の対戦は、いずれも藤井が制している。藤井にとって相性がいい相手と言えるが、羽生は早く1勝を返したい。
後手の羽生の作戦は「横歩取(よこふど)り」。これまでにも「ここぞ」という勝負で採用してきた切り札だ。「藤井さんとの対戦では1回もやっていなかった。どんな戦いになるかなと思った」。互いに妥協しない攻め合いになり、羽生が80手で勝った。羽生は「際どい変化でこちらに分があった。運があった。うまく指せたと思う」。藤井は「類例の少ない展開だったが、局面の急所を鋭く見抜かれているのを感じた」と振り返る。
棋士としてのキャリアが35年を超す羽生は、様々な作戦を自在に使いこなす。過去の対藤井戦では、普段は指さない三間飛車も披露した。羽生は「一つのことを突き詰めるより、いろいろやる方が好き。子どもの頃からの習慣です」。デビューから数年は角換わりばかり指していたように、藤井は同じ作戦を使い続ける傾向がある。羽生は「相手を見て指し方を変えるタイプではない。ただ、それはスタイルの違いであって、長い目で見てどちらが得ということはないと思う」と分析する。
両者は今秋の王将戦のリーグでも当たる。羽生が勝った昨年の対局以来の対戦だ。羽生は「できればもっと間隔を詰めて対戦したい。藤井さんの発想、アイデアを理解できると、自分自身の向上につながると思う」と、強敵との対戦を待ち望んでいる。=敬称略
(村瀬信也)
◆毎週日曜に掲載します。
情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)試練編:5 三冠への第一歩、羽生の切り札に初黒星:朝日新聞デジタル
村)藤井三冠と羽生九段の対戦は約1年ぶりになります→「できればもっと間隔を詰めて対戦したい。藤井さんの発想、アイデアを理解できると、自分自身の向上につながると思う」
(大志 藤井聡太のいる時代)試練編:5 三冠への第一歩、羽生の切り札に初黒星 https://t.co/4WFNA0AvGP— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) October 10, 2021
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