（大志　藤井聡太のいる時代）黎明編：１　快進撃の２０２０年、兆しは１月の対局に：朝日新聞デジタル

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2021年1月10日 5時00分

斎藤慎太郎・現八段（左）に勝った藤井聡太現二冠（右）＝２０２０年１月１９日

１４歳でプロデビューして３年余り、藤井聡太二冠（１８）＝当時七段＝は２０２０年を迎えた。１９年末には、王将挑戦権をあと一歩で逃したものの、王位戦の予選を勝ち抜き、リーグ入りを決めた。新しい年に藤井がどんな活躍を見せるのか。その兆しを感じさせる対局が２０年１月１９日、名古屋市であった。

舞台は第１３回朝日杯将棋オープン戦の本戦トーナメント。藤井は初参加の第１１回大会から２年連続で優勝している。午前の１回戦で菅井竜也八段（２８）＝当時七段＝と対戦した。新型コロナウイルスの肺炎患者が日本で初めて確認されたころで、公開での開催に影響はなく、多くのファンが対局を見守った。

菅井の中飛車穴熊に藤井は急戦で対抗し、一進一退の攻防が繰り広げられた。終盤、菅井の猛攻に藤井は粘り強く抵抗。手持ちの金銀を守りに投入して押し戻す。最後は自陣の飛車打ちが受けの決め手となり、菅井の戦意を打ち砕いた。

午後の２回戦、斎藤慎太郎八段（２７）＝当時七段＝との対戦は、角換わり腰掛け銀の戦型から、じりじりとした我慢比べの中盤戦が長く続いたが、藤井がチャンスを捉えてリードを奪うと、差を広げて快勝。終局後は「どちらの対局も途中は少し自信のない局面があったんですが、その中でも最善を尽くして頑張ることができた」と話した。

菅井と斎藤はこの後、Ａ級順位戦への昇級と八段昇段を決めた気鋭の若手棋士。藤井はいずれにも、それまで１勝２敗と分が悪かったが、この勝利以降は負けなしで勝ち越しに転じた。

３連覇に向けベスト４入りを決めた藤井。どんな年にしたいかと聞かれ、「去年はタイトル挑戦にあと一歩及びませんでしたので、今年は実力をつけて、そこに手が届くように頑張りたいなと思っています」と答えた。＝敬称略（村上耕司）

◆毎週日曜に掲載します。

情報源：（大志　藤井聡太のいる時代）黎明編：１　快進撃の２０２０年、兆しは１月の対局に：朝日新聞デジタル

村）今日から「黎明編」です。昨年の朝日杯名古屋対局、藤井現二冠は菅井八段、斎藤八段を連破して４強入りを果たしました。
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— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) January 10, 2021