(語る 人生の贈りもの)加藤一二三:1 引退間近、「天才」と相まみえた:朝日新聞デジタル

ほぉ・・・


2020年7月14日 5時00分

当時四段の藤井聡太七段(左)と対戦後、対局を振り返る加藤一二三九段
当時四段の藤井聡太七段(左)と対戦後、対局を振り返る加藤一二三九段

■将棋棋士・加藤一二三

――4年前にご登場いただきましたが、その後、将棋の藤井聡太七段(17)が大活躍しています。

17歳でタイトル戦に二つ出ているのですから、これはもう天才ですよね。多くの人に「将棋の世界は素晴らしい」と思ってもらえてうれしいです。

ここから続き

――2016年、当時中学2年だった藤井さんのデビュー戦の相手が、加藤さんでした。

とても注目された対局でした。予選だったのに、民放のカメラもたくさん来ました。私は1982年に名人を獲得しましたが、報道陣はその時より多かったです。

――先手の加藤さんが得意とする「矢倉戦法」を採用しました。

藤井さんは、私が手を焼いている指し方をぶつけてきたんです。私が「4六角」という手を指した時、彼はチラッと私の顔を見ました。「どうして自信を持っているんですか」と思ったのでしょう。実際、その後は私に勝ちがありませんでした。

――他に印象的なことは。

私が午後3時ぐらいにチーズを食べ始めたら、彼も持参したおやつを食べ始めました。先輩より先に食べても構わないのですが、落ち着いているなと思いましたよ。

――負けて悔しかったですか。

もちろん勝つつもりでしたが、うまく負かされたこともあり、そんなに悔しくはなかったですね。

――それから藤井さんは公式戦29連勝の新記録を作りました。

藤井さんがどんどん素晴らしい記録を作ると、「加藤さんも若い頃に色々な記録を打ち立てた」と報道される。うれしいことです。藤井さんには、(名人戦につながる)順位戦で昇級していって、早く名人戦の舞台に立って欲しいです。(聞き手・村瀬信也=全4回)

かとう・ひふみ 1940年、福岡県生まれ。54年、プロ四段に。60年に果たした20歳での名人挑戦は最年少記録。82年、42歳で初の名人獲得。タイトル獲得は8期。2017年、史上最年長の77歳5カ月で引退した。仙台白百合女子大客員教授。

情報源:(語る 人生の贈りもの)加藤一二三:1 引退間近、「天才」と相まみえた:朝日新聞デジタル



へぇ・・・