ほぉ・・・
2018年1月16日 5時00分
今月はイベント出演が重なり、振り袖を6回、はかまも3回着る機会があった。本格的に着物の魅力に引かれるようになって数年が経つが、こんなぜいたくな経験は初めてで、新年早々夢心地である。
普段の対局は洋服で臨むが、一部のタイトル戦では着物で戦う。初めて番勝負への出場が決まったとき、大切な節目には着物を買うと心に決めた。
験担ぎと大きなショッピング程度の心意気だったが、所作について学ぶ機会となった。「腕を高く上げる」「重心のおかしい歩き方をする」など、不格好な所作をすると着物はとがめてくれる。少しずつ所作に応じた着物の動きが身につき、しわを作らない自然な動き方がわかると、着物が体の一部であるかのように感じられて、洋服のとき以上に堂々と振る舞えるようになった。
つい増えすぎてしまった宝物たちは、私よりもだいぶ大きい桐(きり)ダンスが守ってくれている。昨年末、フランスを旅した際には町着を着て外に出た。ルーブル美術館で美しくも難解な宗教画を眺めている時にふと、着物への理解の浅さを悔いた。絵の美しさや物語性が胸へと響く一方で、例えば吉祥文様の意味や由来を自分は満足に語れない。そんなことに気づかされた。今年は知識も深めて、もっと着物のよさを語れるようになり、着物にふさわしい女性像へと、近づいていきたい。(将棋女流棋士)
情報源:(香川愛生の駒音だより)着物が教えてくれること:朝日新聞デジタル
へぇ・・・