(香川愛生の駒音だより)ふるさと、今度は育てる番:朝日新聞デジタル

ほぉ・・・


2018年1月23日 5時00分

香川愛生女流三段
香川愛生女流三段

17日、表敬訪問という形で東京都調布市の市長にお会いした。保育園の時に移り住んだ調布は、私の大切なふるさとである。

調布は、棋士やボランティアの方による教室が盛んで私自身も思い出が多い。子どもの時、毎年開催されている市民大会に初参加したときは、よほど一生懸命に見えたのか、黒星ばかりなのに敢闘賞をいただいてしまった。表彰状を手渡されたときの体温が上がる感覚は今でも覚えている。和やかな時間の流れの中に、刺激的な勝負の場がある、特別な町である。

市長から温かい激励を受けた後、低学年の3年間を過ごした児童館へと足を運び、最も強い児童と記念対局をさせてもらった。目を見ただけでもよく学んでいることが感じ取れる聡明(そうめい)な子で、平手の手合いで果敢に戦う姿を子どもたちがずらりと取り囲んだ。対局開始前、はしゃいでいた他の子どもたちは、初手が指されると真剣なまなざしになって見守ってくれたし、廊下から大きな声が聞こえるたびに彼らが「しーっ」と指を立てる姿には、思わず口もとがゆるんだ。

地元で将棋を教えるのはほぼ初めての経験だったが、将棋教室を開いたり、観光大使を務めたりして地域に貢献する棋士たちへの憧れが強まった。素直に育っている調布の子どもたちに、将棋を教えたい。きっと私が思う以上に、たくさんのことを学んでくれるだろう。

(将棋女流棋士)

情報源:(香川愛生の駒音だより)ふるさと、今度は育てる番:朝日新聞デジタル



へぇ・・・