(香川愛生の駒音だより)サイン会、筆に思いを込めて:朝日新聞デジタル

ほぉ・・・


2018年1月9日 5時00分

香川愛生女流三段
香川愛生女流三段

新しい年を迎えた。ありがたいことに、連日各地で将棋イベントに出演させていただいている。棋士同士が壇上で指す席上対局やファンへの指導対局、トークショーと共に、こうした催しでの定番がサイン会だ。ファンの方に向けて、棋士や女流棋士が色紙や扇子に座右の銘をしたためる。

書道は高校までは授業で習い、将棋連盟の書道部に参加したこともある。達筆でありたいし、書を通じて勝負にかけてきた思いを伝えたい、と願っている。

わたしがよく選ぶ言葉は、「執念」「果敢」「順風呼」。いずれも、前向きに戦うために自分を奮い立たせる言葉で、気持ちを込めて書くことができる。当然、いきなり揮毫(きごう)はせず、これと心に決めた文字は、少なくとも何十回と練習をするようにしている。納得のいく文字を書きたいので、最近は別の言葉をリクエストされても丁重にお断りしていた。

だが、今回のサイン会では、「今年は初段を目指します」という方から「一念」の文字を、少し控えめに見える方から「勇気」という文字を頼まれた。一年の抱負を私の書に委ねていただけるのは、ちょっぴり込み上げるものがあった。幸いにも、どれも練習したことのある文字である。今までどおりに一筆一筆に思いを込めつつ、「お互いにとって良い一年になりますように」と、祈りながら筆を滑らせた。(将棋女流棋士)

情報源:(香川愛生の駒音だより)サイン会、筆に思いを込めて:朝日新聞デジタル



へぇ・・・