(香川愛生の駒音だより)今も忘れない恩師の言葉:朝日新聞デジタル

ほぉ・・・


2017年10月31日 5時00分

香川愛生女流三段
香川愛生女流三段

高校時代に通っていた予備校で、出身者の1人として講演をする運びとなった。自分の人生において大切な恩師の1人からお話を頂いた時は、舞い上がる思いだった。

高2の冬、棋士を目指すために入った奨励会で思うような結果が出せずに退会し、女流棋士の活動も休場していた。喪失感から駒を持つこともできず、日々のほとんどを机の前で過ごしていた。

初夏になり、予備校に通い始めた。将棋の道から退く意思が膨らんでいた当時、英語の講義で恩師となる人に出会った。

恩師は厳しい一方、何百人もの生徒の顔を一人一人覚えているような温かみのある人だった。折にふれて、「最後に結果を決めるのは執念だ」と語ってくれた。講義中、黒板に大きく書かれた「執念」の2文字を眺めていると、将棋への思いがこみ上げてきた。どんなに負け続けて思うようにならなかったとしても、自分には将棋が大切なのだと気づいたのである。

女流棋士として復帰する気持ちが固まり、受験勉強に打ち込んだ。その結果、文化・芸術活動分野の一芸入試で大学に合格することができた。恩師の講義には、その後も通い続けた。

今回、自分にとって人生の転機を経験した学び舎(や)で、恩師とともに教壇に立てることは感慨深い。初心に帰って、学生たちに私なりの経験を伝えたい。(将棋女流棋士)

情報源:(香川愛生の駒音だより)今も忘れない恩師の言葉:朝日新聞デジタル



へぇ・・・