(香川愛生の駒音だより)格段に険しい「棋士」への道:朝日新聞デジタル

ほぉ・・・


2017年10月24日 5時00分

香川愛生女流三段
香川愛生女流三段

棋士は、「四段」になって初めてプロとして認められる。私が奨励会に入ってそれを目指したのは高校生のときである。当時、別の規定を満たして既に「女流棋士」になっていたが、棋士への道のりは格段に険しい。敗戦の連続で実力とプロとしての器のなさを思い知り、入会を決断した。

自分に課した試練だったが、その厳しさは想像を絶していた。男女の区別がない奨励会では、原則26歳までに四段にならなければ強制的に退会させられる。奨励会員にとって、将棋に負けることと誕生日を迎えることは、命を削られることと意味は変わらない。

入会した年齢が遅く、未熟だった自分は必死に努力するしかなかった。食欲や人付き合いなどの犠牲の上でしか将棋に打ち込めず、心身が休まる時間はなかった。体重は1年足らずで8キロ落ちた。心身の限界で退会を余儀なくされ、駒を持てなくなった時は、一つの「死」だと感じられた。将棋界を去ることも考えたが、共に戦った仲間や恩師に励まされ、将棋の道を歩み続けられたのである。

10月1日付で斎藤明日斗さんと古森悠太さんが四段に昇段し、晴れてプロ入りとなった。一方、あのとき自分を支えてくれた大切な友人たちは、奨励会で今も戦っている。孤独に戦うこの世界で、人の力になることは難しい。彼らに「おめでとう」の一言が言える日を、待ち遠しく思うばかりである。(将棋女流棋士)

情報源:(香川愛生の駒音だより)格段に険しい「棋士」への道:朝日新聞デジタル



へぇ・・・