2018年度最後の対局を勝利で飾った藤井聡太七段(右)。左は中田宏樹八段=2019年3月27日、東京・将棋会館

(大志 藤井聡太のいる時代)鮮烈編:13 「毒まんじゅう」とらせて、有終の美:朝日新聞デジタル

ふむ・・・


2020年3月22日 5時00分

2018年度最後の対局を勝利で飾った藤井聡太七段(右)。左は中田宏樹八段=2019年3月27日、東京・将棋会館
2018年度最後の対局を勝利で飾った藤井聡太七段(右)。左は中田宏樹八段=2019年3月27日、東京・将棋会館

2019年3月27日、藤井聡太七段(17)は第32期竜王戦4組ランキング戦準々決勝で中田宏樹八段(55)と対戦した。

戦型は相矢倉(あいやぐら)になり、中田が優勢に。藤井は土俵際で踏ん張り、最終盤で「△6二銀」の妙手を放った。相手の竜に銀をただで差し出す手。しかしこれは「毒まんじゅう」だった。秒読みに追われた中田がこの銀を取ったために逆転。藤井が中田の玉を仕留め、18年度最後の対局を勝利で飾った。中田は「意表を突かれる手をたくさん指されました」と話した。

藤井の18年度の成績はこれで45勝8敗。勝率は0・849となり、2年連続で勝率1位賞を獲得した。自身の17年度の勝率0・836を上回る、歴代3位の記録だ。藤井は「わずかですけど前年度を上回れたことはうれしく思います」と話した。

5日後の4月1日に開かれた第46回将棋大賞の選考会では、18年6月に第31期竜王戦5組ランキング戦決勝で藤井が指した「△7七同飛成」が升田幸三賞に選ばれた。多くの新戦法や新手を編み出した昭和の名棋士の名を冠した賞で、通常は新戦法や新手に贈られるが、斬新な一手も対象になる。相手の歩と、自身の主力の飛車を刺し違える常識破りの一手。ファンのみならず、多くの棋士をも驚かせ、鮮烈な印象を与えた。

最優秀棋士賞は豊島将之名人・竜王(29)、優秀棋士賞には渡辺明三冠(35)が選ばれた。全棋士参加棋戦の朝日杯オープン戦で2連覇を果たしたもののタイトルに絡めなかった藤井は候補に挙がらなかった。1年を振り返って藤井は「敗れた対局ではトップ棋士との力の差を感じた場面が多かった。この1年間、自分なりに戦ってこられたのかなと思います」と話した。=敬称略、おわり(村上耕司)

◆次回「鍛錬編」は4月5日からの予定です。次週の当欄は「名人戦ニュース」です。

情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)鮮烈編:13 「毒まんじゅう」とらせて、有終の美:朝日新聞デジタル



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