ほぉ・・
2020年2月9日 5時00分
2019年2月16日。藤井聡太七段(17)は第12回朝日杯将棋オープン戦の決勝に臨んだ。将棋盤を挟んで向かいに座ったのは、渡辺明・現三冠(35)。共に午前の準決勝を制し、決勝にふさわしいカードが実現した。
この時期、渡辺は驚異的な勢いで勝ち続けていた。前年11月から本局に臨むまでの成績は20勝1敗。2連覇を目指す藤井にとって、この上なく高い壁だ。渡辺は「藤井さんとは初対戦だったが、それが決勝戦。舞台は整ったと思って、意気込んでいた」と振り返る。
先手の渡辺の作戦は、やや変化球と言える「雁木(がんぎ)」。「定跡形ではない将棋にして、自分の経験を生かそうと考えた」。勝負に徹した渡辺の思惑に、藤井は冷静に対応して優位を築く。そのまま終盤に突入した。
「50秒、1、2、3……」
対局場のホールに、記録係の小高佐季子女流1級(17)の秒読みの声が響く。制限時間ギリギリの「8」まで読み上げられて、壇上の藤井が指した124手目は△4四竜。その瞬間、満席の観客たちは一斉に息をのんだ。竜の犠牲をいとわない豪快な決め手。4手進んで渡辺が投了し、藤井の優勝が決まった。
藤井と渡辺は、別フロアで開かれた大盤解説会に登場した。勝負どころで好機を逃していたことを藤井に指摘された渡辺は「全然気づかなかったな」とつぶやく。その横で、相手に好機を与えたことを藤井は反省していた。藤井の読みの深さが改めて際立つ一幕だった。
渡辺はその後、王将の奪取と棋王の防衛に成功し、7月には棋聖も獲得して三冠となる。渡辺の活躍は、藤井の優勝の価値を高める結果にもなった。藤井は11月の取材の際、朝日杯2連覇について、こう語った。
「決勝で、充実された渡辺三冠に勝てた。自信になる結果だった」=敬称略(村瀬信也)
◆毎週日曜に掲載します。
情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)鮮烈編:8 時間ギリギリ、豪快な一手で強敵を破る:朝日新聞デジタル
村)今日の朝刊の記事です→ 「制限時間ギリギリの『8』まで読み上げられて、壇上の藤井が指した124手目は△4四竜。その瞬間、満席の観客たちは一斉に息をのんだ」
(大志 藤井聡太のいる時代)鮮烈編:8 時間ギリギリ、豪快な一手で強敵を破る:朝日新聞デジタル https://t.co/tlR3csEYS0— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) February 8, 2020
ふむ・・・