本戦2回戦で斎藤慎太郎七段(右)と対戦する藤井聡太七段=2020年1月19日午後2時、名古屋市中区の朝日新聞名古屋本社、上田潤撮影

朝日杯無敗の藤井七段、名古屋で感じた「強さと若さ」:朝日新聞デジタル

2020/2/11 に準決勝・決勝、羽生九段以来の3連覇なるか?


2020年2月4日 20時00分

本戦2回戦で斎藤慎太郎七段(右)と対戦する藤井聡太七段=2020年1月19日午後2時、名古屋市中区の朝日新聞名古屋本社、上田潤撮影
本戦2回戦で斎藤慎太郎七段(右)と対戦する藤井聡太七段=2020年1月19日午後2時、名古屋市中区の朝日新聞名古屋本社、上田潤撮影

杉本昌隆八段の「棋道愛楽」

第13回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の本戦が開幕しました。3連覇を狙う藤井聡太七段が名古屋対局で2連勝し、準決勝に進みました。

8人の棋士が2日間に分かれて対局する名古屋対局。藤井七段が登場した2日目に出場した三浦弘行九段、菅井竜也八段、斎藤慎太郎七段は全員がタイトル経験者です。そして藤井七段の初戦、菅井八段は公式戦で藤井七段に2勝1敗。藤井七段にとって厳しい戦いが予想されました。

対局数十分前、対局者4人が控室に入室します。部屋の空気がピーンと張り詰める瞬間です。記録係が振り駒を行い、先後が確定。まだ対局前ですが、ここから勝負は始まっています。

約300人のファンがかたずをのんで見守った対局場。静寂の中で駒音だけが響きます。観劇やスポーツ観戦とはまた違う、将棋の対局ならではの心地よい緊張感です。一方、対局場の隣にある大盤解説会はにぎやか。解説の藤井猛九段と私、聞き手の山口恵梨子女流二段や中澤沙耶女流初段は場の盛り上げ役で、難解な将棋の内容をいかに面白く伝えるかが役目です。

将棋は、序盤に藤井七段がリードするも、菅井八段の強烈な追い込みで形勢不明の大熱戦に。終盤に入ってからの藤井七段の強靱(きょうじん)な受けが素晴らしく、菅井八段にペースをつかませません。最後まで安定感抜群でした。

対局が長引き、昼食休憩もそこそこに2局目が始まりました。次の相手は三浦九段を破った斎藤七段。後手番らしく守りを主体に、じっと藤井七段の攻めを待ち受けます。打開の決断には時間が必要で、早指し将棋ではこういう展開は嫌なものです。

しかし、ここで藤井七段が抜群のセンスを見せました。守りの金をあえて玉から遠ざける柔軟な構想で、ジリジリと形勢をリード。17歳とは思えぬ序盤巧者ぶりです。形勢が良くなってからも緩まず、快勝でした。

それにしても、なんという強さ。14歳でデビューして3年。いまだ、朝日杯では負けなしが続いています。

感想戦、記者会見を終えて途中まで一緒に帰りました。藤井七段は乗り換えの電車の駅まで、1駅の区間を歩くと言います。聞けば、朝の会場入りのときも1駅歩いたとのことで、さすがの若さです。そんな話をする藤井七段は、さっきまでの勝負師ではなく、普段の高校生の顔に戻っていました。結局、私と一緒にタクシーに乗り、最寄り駅で別れました。

準決勝、決勝は、2月11日に東京・有楽町で指されます。準決勝の相手はAI(人工知能)を駆使した研究で知られる強敵、千田翔太七段。反対のブロックには永瀬拓矢二冠と、朝日杯優勝経験者の阿久津主税八段。藤井七段の3連覇の行方に目が離せません。

〈すぎもと・まさたか〉 1968年、名古屋市生まれ。90年に四段に昇段し、2019年2月に八段。第20回朝日オープン将棋選手権準優勝。藤井聡太七段の師匠でもある。

情報源:朝日杯無敗の藤井七段、名古屋で感じた「強さと若さ」:朝日新聞デジタル


2020年2月1日 16時30分

第13回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の本戦が開幕しました。3連覇を狙う藤井聡太七段が名古屋対局で2連勝し、準決勝に進みました。8人の棋士が2日間に分かれて対局する名古屋対局。藤井七段が登場した2日目に出場した三浦弘行九段、菅井竜也八段、斎藤慎太郎七段は全員がタイトル経験者です。藤井七段にとって厳しい戦いが予想されました。

約300人のファンがかたずをのんで見守った対局場。静寂の中で駒音だけが響きます。観劇やスポーツ観戦とはまた違う、将棋の対局ならではの心地よい緊張感です。一方、大盤解説会はにぎやか。解説の藤井猛九段と私は場の盛り上げ役で、難解な将棋の内容をいかに面白く伝えるかが役目です。

将棋は、序盤に藤井七段がリードするも、菅井八段の強烈な追い込みで形勢不明の大熱戦に。終盤に入ってからの藤井七段の強靱(きょうじん)な受けが素晴らしく、菅井八段にペースをつかませません。最後まで安定感抜群でした。

次の相手は三浦九段を破った斎藤七段。後手番らしく守りを主体に、じっと藤井七段の攻めを待ち受けます。打開の決断には時間が必要で、早指し将棋ではこういう展開は嫌なものです。

しかし、ここで藤井七段が抜群のセンスを見せました。守りの金をあえて玉から遠ざける柔軟な構想で、ジリジリと形勢をリード。17歳とは思えぬ序盤巧者ぶりです。形勢が良くなってからも緩まず、快勝でした。

それにしても、なんという強さ。14歳でデビューして3年。いまだ、朝日杯では負けなしが続いています。

感想戦、記者会見を終えて途中まで一緒に帰りました。藤井七段は乗り換えの電車の駅まで、1駅の区間を歩くと言います。聞けば、朝の会場入りのときも1駅歩いたとのことで、さすがの若さです。そんな話をする藤井七段は、さっきまでの勝負師ではなく、普段の高校生の顔に戻っていました。

準決勝、決勝は、11日に東京・有楽町で指されます。準決勝の相手はAI(人工知能)を駆使した研究で知られる強敵、千田翔太七段。反対のブロックには永瀬拓矢二冠と、朝日杯優勝経験者の阿久津主税八段。藤井七段の3連覇の行方に目が離せません。

すぎもと・まさたか 1968年、名古屋市生まれ。90年に四段に昇段し、2019年2月に八段。第20回朝日オープン将棋選手権準優勝。藤井聡太七段の師匠でもある。

情報源:(杉本昌隆八段の棋道愛楽)朝日杯将棋 藤井七段、名古屋で快勝:朝日新聞デジタル



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