昇級と昇段のお祝いで、藤井聡太七段(左)から花束を受け取る杉本昌隆八段=2019年6月9日午後6時32分、名古屋市中区、滝沢隆史撮影

(杉本昌隆八段の棋道愛楽)記憶に残る年 弟子と昇級争い、また今年も:朝日新聞デジタル

ふむ・・・


2020年1月4日16時30分

あけましておめでとうございます。昨年の将棋界は色々な記録が生まれました。

タイトル戦では挑戦者の「奪取」が相次ぎました。タイトルが目まぐるしく変わったのが、豊島将之竜王・名人です。棋聖、王位の失冠もありましたが、5月に名人、12月には竜王を獲得。最高峰のタイトルである竜王と名人を同時に保持した棋士は過去に3人しかなく、史上4人目の快挙です。

無敵の強さを誇ったのは渡辺明三冠(棋王、王将、棋聖)。奪取が続く今年の将棋界で唯一、防衛にも成功しました。

永瀬拓矢二冠の躍進は将棋界の新しい風。叡王と王座を獲得して一気に二冠になりました。もはや押しも押されもせぬトップ棋士の一人です。藤井聡太七段と研究会を行っていることでも知られ、研究熱心な2人。顔を合わせるとあいさつもそこそこにすぐに将棋盤に向かい、夜までずっと研究している姿には圧倒されます。

その藤井七段は昨年も大活躍でした。やはり朝日杯将棋オープン戦での勝ちっぷりが光ります。決勝で渡辺三冠に勝って連覇を果たしました。

朝日杯は羽生善治九段が相性の良いことで知られていましたが、現在は藤井七段。この棋戦は藤井七段のためにあるのでは?と思えるほどです。藤井七段はデビューして約3年ですが、驚くことに朝日杯はまだ無敗なのです。

4月に発表された第46回将棋大賞では、藤井七段の「7七同飛成」がAIですら気が付かないような鋭い一着で升田幸三賞を受賞。テレビの情報番組が何度も取り上げたほどでした。

若い人だけではありません。木村一基王位も素晴らしい。46歳にして初タイトルは驚愕(きょうがく)です。ベテラン世代に勇気を与えてくれます。

私自身も記憶に残る1年でした。3月に順位戦でB級2組に昇級。このクラスへ復帰した例は平成以来初で、33年ぶりの記録とのことでした。藤井七段と師弟で昇級を争ったことは、私の棋士生活の中でも生涯の記念です。

藤井七段は現在、C級1組で7連勝と首位。今春にまた藤井七段と同じクラスになることがあれば、再び昇級争いをすることが今年の目標です。

すぎもと・まさたか 1968年、名古屋市生まれ。90年に四段に昇段し、2019年2月に八段。第20回朝日オープン将棋選手権準優勝。藤井聡太七段の師匠でもある。

情報源:(杉本昌隆八段の棋道愛楽)記憶に残る年 弟子と昇級争い、また今年も:朝日新聞デジタル


ほぉ・・・