2019.12.28 05:03
広島・菊池涼介内野手(29)が27日、マツダスタジアムで会見し、ポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦を断念し、残留することを表明した。会見前の契約交渉では、4年総額12億円プラス出来高払い、単年では6000万円増の年俸3億円プラス出来高払いの大型契約を締結。松田元オーナー(68)からは「リーダーになってほしい」と期待された。
年をまたぐことは、しなかった。Xデーを待たずして、広島に残ること決めた。球団の仕事納め日の午前11時。黒スーツに赤いネクタイを締めた菊池涼が、急きょ集められた50人の報道陣の前で残留を表明した。
「本日、カープと残留交渉を致しまして、残留することを決めました。ファンの皆さん、来年もよろしくお願いします」
この日、6000万円増の年俸3億円プラス出来高払いでサイン。18日に2億8000万円で更改した鈴木を抜き、チーム最高年俸に浮上した。今季取得した国内FA権を保持したまま4年総額12億円プラス出来高払いの大型契約を締結した。
メジャー30球団の交渉期限が米東部時間の来年1月2日午後5時(日本時間3日午前7時)と迫るなか、自問自答を繰り返した。代理人のマイク・シール氏が「二塁の守備は世界一」と胸を張ったように今季まで7年連続でゴールデングラブ賞に輝いた守備はメジャーでも高く評価されていたが、主力級がまだ残されているように、今オフのFA市場の動きは遅い。
「その状況が続くのであれば僕の思いをくんで、快く送り出してくれたカープに早く残ると伝えた方がいいと思った」
前日26日に球団サイド、佐々岡監督に電話で残留を伝え、この日、緊急会見。期限前に残留を決めるという日本球界初の決断だった。
会見前には球団事務所で松田オーナーにあいさつ。その席では「リーダーになってほしい」と要望を受け「しっかり遂行できればいいと思います」と恩返しに燃えた。
「(今後のメジャー挑戦は)年齢的に考えれば難しい。後ろ髪引かれることなくスッキリしている」
今季は138試合に出場し、打率・261、13本塁打、48打点にとどまり、チームも4位に転落した。メジャー断念の悔しさよりも、広島への感謝の思いがある。常勝復活に向けて、恩返しする。 (柏村翔)
鈴木球団本部長「(メジャーで活躍する姿を)見てみたいという気持ちはあった。優勝に向かってやってほしい」
佐々岡監督「僕としてはうれしい。二塁手として存在は大きい。きのう電話をもらって『優勝を目指して頑張っていこうと』いった」
データBOX
◎…日本人選手がポスティングシステムを使って米大リーグに挑戦も、入札がなく契約に至らなかった例は2002年大塚晶文(近鉄)、05年入来祐作(日本ハム)、08&09年三井浩二(西武)、11年真田裕貴(横浜)。入札後、契約に至らなかった例は10年岩隈久志(楽天)、11年中島裕之(西武)。菊池涼のように入札期限を待たずに残留したのは初めて。
菊池 涼介(きくち・りょうすけ)
1990(平成2)年3月11日生まれ、29歳。東京・東大和市出身。武蔵工大二高では甲子園出場なし。中京学院大を経て2012年D2位で広島入団。13年には二塁手の最多捕殺記録となる528捕殺を記録し、19年まで7年連続ゴールデングラブ賞。16年には181安打で最多安打。今季は138試合に出場し、打率・261、13本塁打、48打点。通算では1047試合に出場し、打率・271、85本塁打、379打点。171センチ、72キロ。右投げ右打ち。来季年俸3億円。背番号「33」
情報源:広島・菊池涼、メジャー断念 チーム最高年俸4年12億円で残留(サンケイスポーツ) – Yahoo!ニュース(コメント)
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