加藤一二三(将棋棋士)

“絶対に怒らない”ひふみんの正論すぎる「感情コントロール法」 | PHPオンライン 衆知|PHP研究所

ふむ・・・


2019年10月23日

加藤一二三(将棋棋士)

加藤一二三(将棋棋士)
加藤一二三(将棋棋士)

加藤一二三九段。「神武以来(じんむこのかた)の天才」と称され、中学生にしてプロ棋士に。藤井聡太七段(2019年現在)に破られるまで、62年間最年少棋士の記録を持ち続ける一方、2017年には最年長勝利記録も樹立。将棋界において数多の記録を樹立したレジェンド棋士である。

その一方、その天真爛漫なキャラクターと語り口から”ひふみん”の愛称で親しまれ、2017年の引退後も将棋の解説にとどまらず、各メディアに引っ張りだこの人気ぶり。

そんな加藤一二三さんが上梓した新著『感情の整理術123(ひふみ)』では、「怒ったら損だから絶対に怒らない」と決めて、勝負の世界で長年実践してきた「感情の整理術」を披露している。

本稿では同書より、そんな加藤一二三さんらしい考え方が表れた一節を紹介する。

※本稿は加藤一二三著『感情の整理術123(ひふみ)』(PHP研究所刊)より一部抜粋・編集したものです。

一勝一敗あるいは二勝一敗の精神でのぞむ

たとえば、将棋の試合で考えてみれば、一勝一敗と思っておけばいいわけですよ。

一勝一敗というか、ときに二勝一敗でもいいけれど、要は一方が負け続けてしまえば、それはダメですよ。

第一、一方がいつも正しいことを主張するなんてこと、普通はないと思ったほうがいいの。平和でありたいのなら、やはりよく考えたり、いろいろ知恵とか分別が必要だったりします。

将棋の世界に駒落ちというのがあります。駒落ちというのは、簡単にいうと、強い人と弱い人が対等に楽しく将棋を指すために、強い人は大きな駒を落として、相手と戦うことです。

こちらには飛車とか角がないから、相手と五分の戦いができる。そうすると、相手は劣等感に陥ることもなく、こちらは優越感にひたることなく、いいコミュニケーションができる。いろんな面において、一方が勝ちっぱなしじゃダメなんです。

相手が勝った、やったーと言って、また励みになるわけですよ。どんな場合だって、一方が負け続けだったら、それはやはり嫌になりますよね。

自分の考えだけが正しいと思い込まない

家庭生活でも、職場でも、いかなる場でも、争いごとが多いよりは平和であるほうが望ましいですよね。

では、実際に平和を生み出す生活をしていくには何が大切か。

人間関係で平和で生きたいと思ったら、人の言動をあまり批判しない、決めつけないということが肝心だろうと思います。

それから、自分の考えだけが正しいと思ってはいけない。

自分の考え方だけが正しいということは、なかなかありません。いつどんな場合でも、自分の考え方だけが正しいとなってしまったら、周りの人は困惑してしまいます。

人間関係で、自分の考えだけが正しくて、あなたの考え方はおかしいという態度をもち続けますとね、それは平和たりえません。

人間が、すべての事柄において、判断において、自分だけが正しくて、あなたの判断がおかしいということは、普通はありえないはずなんですよ。

相手の人格を否定するようなことは言わない

人間はみんな「自然感情」をもっています。

たとえば怒り。場合によっては嫉妬もあるでしょう。そういうごく自然に浮かんでくる感情を自然感情といいます。その自然感情をいかにコントロールするかということが大切だといわれています。

自然感情が湧くままに、赴くままに生きたとしたら、必ず失敗します。また、ほんとうの自分の幸せはこないともいいます。では、どうしたらいいか、その工夫が肝心になってきます。

たとえば、怒るようなことがあったとしても、「待てよ」と一度、相手の立場に立ってみること。「ひふみんアイ」です。

つまり結局、人間関係でひどいことを言われた場合、それを受けとめた人は「心の中にその言葉が張りついて殺される」ことになります。

わたくしはじつを言うと、日頃から注意しています。人間の言葉というものは、ときに冷酷な、ほんとうに無慈悲な言葉とかすごい言葉は、相手を殺すといわれていますから。

殺されるという比喩は的確で、人間の言葉によって死んだ数が、戦争で兵隊が死んだ数よりも多いといわれるのは、ここからきていると思います。
人が発する、冷酷な言葉によって人が傷つくし、当然ながらその場合、人間関係そのものが壊れてしまいます。

われわれが普通の日常生活で気をつけるべきことは、やはりいかなることがあっても、相手の人格否定はダメですね。

それと注意しておきたいのは、結婚相手の実家の悪口は言っちゃいけないというのもあります。

育ちなんてみんな違います。自分はいい家に生まれ育って、いい教育を受けて、いい暮らしをしてきたと思っている人がいたとします。そういう人が、自分とは違った環境で育った他人に対して否定的な考えを持っていると、それはうまくいきませんよね。

そういう思いが根底にあると、人が吐く言葉はものすごく、ひどい悲劇を起こしますから、それは制したいものです。

相手への悪口は、それが仮にほんとうだとしても、言ってはいけないことなんです。要するに、平和たりえない。平和が一番いいんですよ。

平和な人生を送るには何かというと、やはり思いやりというか、寛容な態度というか、ある意味、分別というものを身につけていきたいところです。

お互いの意見を出しすぎたり、自然感情を出し合ってしまったら、これはうまくいきません、というのがわたくしの言いたいことです。

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