(杉本昌隆八段の棋道愛楽)奨励会 「晴れてプロ棋士」は2割:朝日新聞デジタル

9月26日の記事とは違うのかな?


2019年10月5日16時30分

奨励会の三段リーグの対局風景。プロを目指して奨励会員たちがしのぎを削る=2013年9月、東京都渋谷区の将棋会館
奨励会の三段リーグの対局風景。プロを目指して奨励会員たちがしのぎを削る=2013年9月、東京都渋谷区の将棋会館

日本将棋連盟のプロ棋士養成機関「奨励会」の入会試験が8月にありました。私の教室から4人が合格。「杉本一門」が12人に増えました。

東京と大阪の将棋会館で行われた試験には、小、中学生を中心に全国から有段者の少年少女が集まります。合格には受験者同士が対戦する1次試験で5局中3勝、現役奨励会員と対局する2次試験は3局中1勝が必要です。

実技(対局)が一番重要視されますが、筆記試験や面接もあります。「タイトル保持者の名前を答えなさい」という問題は定番ですが、タイトルは移り変わるので意外と難しい。迷った受験者が「羽生善治九段」と書くことは多いそうです。

奨励会の一番下のクラスは6級。しかしこれはプロの級で、アマの4~5段に相当します。奨励会員は子ども大会やアマ大会に出場できません。もう「アマ」ではないからです。

奨励会に入ると誕生日が嫌いになります。21歳で初段、26歳で四段という厳しい年齢制限があるためです。私は年齢制限の心配をしたことはありませんでしたが、それでも誕生日が来るたびに重たい気持ちになったものです。

奨励会員から棋士になれるのは約2割。入会はそれほどではなくても、卒業は限りなく難しい。それが奨励会です。

私が関西奨励会に入会して2年経ったころ、一つ年下の受験生と2次試験で対戦して負けました。それまでは相手が自分より年上ばかりで、最年少だったことがささやかなプライドでしたが、それを打ち砕かれた瞬間でした。その対局相手の名前は佐藤康光。そう、現九段で、将棋連盟の会長です。

なお、藤井聡太七段の奨励会在籍は小学4年から中学2年までの約4年。入会も昇級スピードもあまりに早すぎて、ライバルは常に年上でした。「年下と対戦したことがない」というのもうなずけます。

師弟は、年は離れていても同じ道を志す「同志」です。この世界の師弟は期間限定。弟子が途中で挫折し、他の世界に移ってしまうこともあるからです。それぞれの弟子たちとの付き合いが永久であることを願いつつ、皆で集まって研究会にいそしむ日々です。

すぎもと・まさたか 1968年、名古屋市生まれ。90年に四段に昇段し、2019年2月に八段。第20回朝日オープン将棋選手権準優勝。藤井聡太七段の師匠でもある。

情報源:(杉本昌隆八段の棋道愛楽)奨励会 「晴れてプロ棋士」は2割:朝日新聞デジタル



ふむ・・・