外国人材受け入れ拡大 きょうスタート 準備に遅れも

外国人材受け入れ拡大 きょうスタート 準備に遅れも | NHKニュース

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2019年4月1日 5時07分

人手不足の解消につなげるため、外国人材の受け入れを拡大する新たな制度が1日、スタートします。

外国人材の受け入れを拡大するため「特定技能」の1号と2号の在留資格を設ける改正出入国管理法が1日施行され、新たな制度が始まります。

人手不足が深刻な介護、建設、農業など14業種で「特定技能1号」を取得した人の受け入れが予定され、政府はいずれも最大で、
▽今年度1年間に4万7000人余り
▽5年間に34万5000人余りの受け入れを見込んでいます。

「特定技能1号」の取得には、日常会話程度の日本語の試験と、業種ごとの技能試験に合格することが必要で、介護、宿泊、外食の3業種では今月中に試験が行われます。

3年間の技能実習を修了した外国人は、要件を満たせば通算で5年間滞在可能な「特定技能1号」に無試験で移行できます。

法務省は、今月中旬にも「特定技能1号」を取得する人が出てくる可能性があり、今年度の取得者は技能実習から移行する人が中心になるとみています。

また1日は、法務省入国管理局を格上げする形で出入国在留管理庁が設置されます。

一方、政府は、悪質なブローカーの排除などを目的とした協力覚書を9か国と取り交わす方針で、これまでに交わした国は、フィリピンなど4か国にとどまっています。

また、全国およそ100か所に設ける一元的な相談窓口の中には準備が整っていないところもあるということで、法務省は引き続き財政支援を行うなどして、設置を急ぐ方針です。

14業種と受け入れ見込み数

14業種の今後5年間の受け入れ見込み数は、いずれも最大で次のとおりです。
▽「介護」が6万人
▽「ビルクリーニング」が3万7000人
▽「素形材産業」が2万1500人
▽「産業機械製造業」が5250人
▽「電気・電子情報関連産業」が4700人
▽「建設」が4万人
▽「造船・舶用工業」が1万3000人
▽「自動車整備」が7000人
▽「航空」が2200人
▽「宿泊」が2万2000人
▽「農業」が3万6500人
▽「漁業」が9000人
▽「飲食料品製造業」が3万4000人
▽「外食業」が5万3000人

外国人実習生一人一人に制度説明する企業も

外国人材をめぐる新たな制度が始まるのに合わせて多くの企業が準備を進めています。

東京 世田谷区の建設会社では、およそ260人の社員のうちすでに1割余りの38人がベトナム人となっています。大半は外国人技能実習生で、現在の在留資格では日本で働ける期間が限られています。

新たな制度では、「特定技能1号」と、より熟練した「特定技能2号」という在留資格が設けられ、3年以上技能実習生として実習を受けた人は、このうち「特定技能1号」の試験が免除されます。

このため会社は、実習の期間を終えた人たちに対して今後も能力を発揮してより長く働いてもらおうと「特定技能」への移行を呼びかけていて、一人一人面談を行っています。

会社は能力に応じて給料を上げたり、年3回帰国できるよう渡航費用を補助したりすることを検討していて、面談ではこうした待遇の改善などについて詳しく説明していました。

面談を終えたベトナム人のグェン・ヴィン・クァンさん(38)は「労働条件もよく、会社に残って仕事をするつもりです」と話していました。

建設会社の川端顯善専務は「人手不足が続く中、長く日本で働けるようになるというのは会社としても助かる。実習生たちはまじめに仕事をしてくれているので、ちゃんと評価をしていきたい」と話していました。

「安価な労働力」の認識変えよ 専門家

労働問題に詳しい日本総合研究所の山田久主席研究員は「これまで日本では留学生や技能実習生が実態的には労働者として働いていて、制度と実態がかけ離れていたが、働く人として真正面から外国人を受け入れていくという意味で大きな転換点だ」としています。

そのうえで、国の対応について「日本人の雇用や生産性にどのような影響を与えるのか懸念もある。地域での外国人との共生やそのための財源の手当といった課題についても、対策はまだまだ不十分だ」と話しています。

企業側の対応についても「外国人を『本当の戦力』と認識して教育や生活の支援をしっかり行う企業と、『安く使える労働者』という遅れた意識の企業に二極化している。遅れた意識のままではビジネスは立ちゆかなくなり、変えていくことが必要だ」と指摘しています。

情報源:外国人材受け入れ拡大 きょうスタート 準備に遅れも | NHKニュース


雇う側の認識が変わらないと意味がない。