昨年の日本シリーズ第5戦では見事、ピンチバンターの役目を果たした曽根海成。

切り札→レギュラーへ邁進中。広島・曽根が狙う「ポスト菊池」 – プロ野球 – Number

ほぉ・・・


昨年の日本シリーズ第5戦では見事、ピンチバンターの役目を果たした曽根海成。
昨年の日本シリーズ第5戦では見事、ピンチバンターの役目を果たした曽根海成。
新戦力についつい目が行きがちな開幕直前のプロ野球界。でも、もしかすると……ブレイクの可能性を秘める無名選手が、息を吹き返すベテランが現れるかもしれない。そんな期待を込めて、各球団のダークホース的な選手たちを集めてみました! 今回は広島東洋カープの曽根海成選手です。

広島の選手として初めて開幕を迎えようとしているのは、新加入の長野久義や小園海斗だけではない。

昨季途中にソフトバンクからトレード移籍した曽根海成にとっても、広島で迎える初めての開幕。プロ6年目のシーズンは、新たな可能性が広がっている。

グラウンドで張り上げる声の大きさだけが、チームへの浸透度を表しているわけではないだろう。「ソフトバンク時代から自信はあった」と胸を張る脚力と守備力を併せ持ったプレースタイルは今や、広島野球に欠かせぬ1ピースとなっている。

ソフトバンク時代、一軍出場はわずか2試合。

新天地で自分を表現することは簡単なことではない。実績がなければなおさら。ソフトバンクでの5年間で一軍出場わずか2試合の曽根が3連覇を狙う広島に加入したのは、昨年7月だった。

ソフトバンクでは2017年に一軍昇格を果たすも、定着はならず、’18年は一軍出場はおろか二軍でも思うような出場機会を得られないでいた。

だが、広島では、武器とする守備と足を存分に発揮し、25人のベンチ入り枠の中で存在感を示した。出番はしびれる試合終盤ばかり。

「僅差になればなるほど、責任は大きい。できれば出たくないですよ」

童顔をほころばせるも、一軍経験がほぼゼロだった曽根の本音だろう。

まだ精神力が備わっていないのならば、開き直るしかない。やるかやられるか。やらなければ、生き残れないのがプロの世界。その厳しさは、昨季途中までいたソフトバンクで痛感させられた。ここで、生き残るためにも、緊張感や恐怖心を拭い去るしかなかった。

日本シリーズでのピンチバンター。

日本シリーズ第5戦では、同点の延長10回無死一塁の場面で新井貴浩の代打で打席に向かった。役割はピンチバンター。古巣相手に、前本拠地で、新天地の大黒柱の代打……。これまでにないほどの重圧が両肩に乗っていただろう。曽根はソフトバンク加治屋蓮の4球目を見事に三塁線に転がした。重要な局面での難しい役割を涼しい顔でこなしたようにも見えたが、極度の緊張は試合後になってもおさまらなかった。

「夜は緊張が残ってて、飯も食えなかったです。(バントを決めても)安心感はなかったです」。

初めて経験する極度の重圧だった。

途中加入で11試合、日本シリーズでも3試合に出場した。新天地1年目に初安打も初長打も、初盗塁も記録。充実感は数字だけでなく、表情にも表れる。

「やっぱり一軍と二軍とでは全然違う。二軍で何10試合出るよりも、一軍で1試合出た方が得られるものも大きい」

広島での半年で、曽根が得たものは計り知れない。

身体能力は野間以上。

迎えた’19年。その存在感は日に日に増している。春季キャンプでは上本崇司とともに大きな声を張り上げ、キャンプを盛り上げた。

ムードメーカーを演じる姿を緒方孝市監督は微笑みながら見守っていた。

「ひと皮むけたよね。良い意味でバカになることも必要。簡単にできることでもないだろう。ああいうキャラクターはチームには必要だから」。

2年目の変化に目を細める。

まだ23歳。選手としての伸びしろは十分ある。「身体能力は野間(峻祥)以上」。自ら惚れ込んで獲得した逸材以上の素質と認める、緒方監督の言葉が期待をさらに膨らませる。

「ポスト菊池」を期待する声も。

遊撃を本職とするも、現在の立場は菊池涼介という絶対的レギュラーのいる二塁のバックアップと捉えられている。

魅力は脚力を生かしたフットワークだけでなく、小学2年から5年間続けたソフトボールで鍛えられた強肩もまた大きな武器。菊池がつくり上げた新しい二塁手像に当てはまる能力を備えた選手といえる。

菊池は近い将来の米大リーグ挑戦を公言しており、チーム内では自然と曽根に「ポスト菊池」を期待する声が多くなっている。

「内容は言えませんが、菊池さんにはいろいろ教えてもらっています。ただ、ちょっと僕にはすごすぎて分からないこともありますが、すごく勉強になります」

ソフトバンクでは同じ遊撃手に今宮健太がいた。広島に来ても、越えなければいけない壁は高い。

東出打撃コーチとの特打。

途中出場から出場機会を増やし、レギュラーをつかんだ選手は広島でも数多くいる。現在監督を務める緒方がそうだったように、巨人へ移籍した丸佳浩や鈴木誠也、そして昨季規定打席に到達した野間もそうだ。

「まずは任されたところをしっかりやりたい」。

曽根は足もとを見つめる。切り札からレギュラーへと駆け上がるには、打力の向上が欠かせない。

「並みのレベルがあるとしたら、僕の打撃は底辺くらいのところにいた」

広島移籍を機に、打撃への意識は変わった。東出輝裕打撃コーチから付きっきりで指導を受け、昨季中は早出特打に居残り特打。昨秋キャンプでも振り込んだ。

「僕のレベルにまで落として話をしてくれる人はあまりいなかった」

意識の変化が感覚の変化へと変わり、打撃の成長速度を速めている。

大きな花を咲かせる。

『置かれた場所で咲きなさい』

渡辺和子の有名な著書がある。

一般社会人だけでなく、プロ野球選手にとっても、所属するチームや与えられたポジションで花を咲かせなければいけない。

曽根にとって広島のチーム環境は願ってもない好相性と言えるだろう。生まれ持った高い身体能力があれば、いずれはきっと大きな花を咲かせるに違いない。

情報源:切り札→レギュラーへ邁進中。広島・曽根が狙う「ポスト菊池」 – プロ野球 – Number


ふむ・・・