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イランの女性は公の場でヒジャブと呼ばれる布を身につけることが義務づけられていますが、近年、ヒジャブ着用に対する抗議行動が大きくなっています。しかし、公共でヒジャブを取った女性を守ることに生涯をささげてきた女性弁護士が、148回のムチ打ちと38年の懲役を宣告されたことが、新たに明らかになりました。
Human rights lawyer Nasrin Sotoudeh jailed ‘for 38 years’ in Iran | World news | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2019/mar/11/human-rights-lawyer-nasrin-sotoudeh-jailed-for-38-years-in-iranIranian lawyer who defended women’s right to remove hijab gets 38 years, 148 lashes – Women in the World
https://womenintheworld.com/2019/03/11/iranian-lawyer-who-defended-womens-right-to-remove-hijab-gets-38-years-148-lashes/イランは「イスラム法の厳格な施行のもと女性や子どもの地位が制限されている」と指摘されており、女性の地位向上を含めた人権や民主化推進のために活躍した元裁判官の活動家であるシーリーン・エバーディー氏はノーベル賞を受賞しながらも、脅迫、投獄、当局による賞金の没収などを受け、弾圧が激しくなったことからもイギリスへの亡命を余儀なくされました。
そして新たに、イランの弁護士であるナスリン・ソトウデ氏に対しトータルで38年の懲役と148回のむち打ちが宣告されたことがわかりました。
ソトウデ氏は、ヒジャブを公共の場で外した女性を守ることに生涯をささげてきた人物です。なお、ヒジャブはムスリムの女性が頭や体を覆うための布のこと。
写真の女性がソトウデ氏です。
2010年にソトウデ氏はプロパガンダを広め国家の安全を脅かしたとして逮捕され、翌2011年には弁護士免許の剥奪と11年の懲役刑、20年の国外退去を宣告されました。ただし、その後2012年の裁判で、刑は6年の懲役と10年の国外退去へと軽減されています。
しかし2018年6月、ソトウデさんは曖昧な罪状で再び逮捕されることに。ソトウデ氏の夫がFacebookで公開する内容によると、ソトウデ氏は7つの罪で告発され、その全てにおいて最大刑が宣告されているとのこと。これによりソトウデ氏の懲役は38年になりましたが、38年という期間はイランの標準と照らし合わせても厳しいものであり、反体制派に対するアプローチが強硬路線になっていることを示す1つのサインだとみられています。
ソトウデ氏が38年の懲役刑を受けたことに対し、世界の人権機関からは大きな批判があがっています。アムネスティ・インターナショナルは「ここ最近の記憶では、人権擁護者に対して宣告されたもののうち最も厳しい刑が科されました」と述べており、Center for Human Rights in Iranの代表であるハディ・ガエミ氏はCBSに対し「政権が平和的な課題を危険視していること」が現れているとしました。
イランには行政府の長である大統領とは別に、国家元首としての最高指導者が存在しますが、2019年3月になり最高指導者のアリー・ハーメネイー氏を引き継ぐ候補者として強硬派のエブラーヒーム・ライースィー氏が急激に浮上してきたといわれています。ライースィー氏の台頭はハッサン・ルーハニ大統領が政治的影響力を弱めていることを表しており、ソトウデ氏への刑はこのような政治的な路線変更に起因するものとみられています。
イランの人権に関する国連捜査官は「人権擁護家、弁護士、労働権活動家に対する脅迫、逮捕、起訴、および虐待がみられるようになってきたということは、国家の対応が深刻化してきたことの合図です」と本件について述べました。
情報源:「女性がヒジャブを脱ぐ権利」を擁護した弁護士が148回のムチ打ちと38年の懲役刑を宣告される – GIGAZINE
はぁ・・・