セブン「加盟店と労使関係ない」 団交が実現する鍵とは:朝日新聞デジタル

フランチャイズに関して、国が法整備すればいい。


2019年3月7日06時30分

セブン―イレブンのロゴ
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24時間営業の原則見直しを求め、セブン―イレブンの店主らでつくる団体が6日、セブンの本部に団体交渉を改めて要求し、拒まれた。人手不足に悩むコンビニの店主たちに団交は認められないのか。中央労働委員会が近く示すとみられる判断が、注目される。

セブンなどの店主らでつくる「コンビニ加盟店ユニオン」が団体交渉を要求したのは、24時間営業の原則や、本部と加盟店の利益配分など人手不足に関わる課題の解決をめざすためだ。

24時間営業をめぐる大阪府東大阪市のフランチャイズ(FC)店と本部の対立が表面化して以降、団交の要求は2度目。「加盟店の多くは零細商店」(酒井孝典執行委員長)であり、個別だと交渉力が弱いと考える。

これに対し、セブン本部は団体交渉には応じない姿勢を、この日も崩さなかった。本部側の広報は「加盟店主は独立した事業主で、本部との間に労使関係はない」と説明する。

団交を拒まれたユニオンの酒井氏らは、東京都内で記者会見。コンビニは住民票の写しなどの交付も担うが、人件費やトラブル対応は店主がかぶっており負担が大きいと主張。「システムを変えないと、コンビニ自体が、継続可能な社会サービスができなくなる」と述べた。

前日5日には、24時間営業について、セブン本部がユニオンへの一定の妥協とも映る方針を明らかにしたばかり。3月中旬以降に始める「脱24時間」の実験を直営店のほかFC店でも実施する検討を始めたという。

しかし酒井氏は「全面的に評価はできない」。実験中の営業時間は本部の言う午前7時から午後11時と一律にせず、各店のニーズにあった形で実施するよう要求。消費期限の迫った商品の値下げなども併せて検証すべきだとも訴えた。(荻原千明、末崎毅)

個人事業主は労働組合法の対象なのか

セブン本部と店主の主な対立点
セブン本部と店主の主な対立点

コンビニ加盟店ユニオンに団交権が認められるには労働組合法の対象になる必要がある。個人事業主がつくった組織でも、労働組合法によって権利が守られることがある。日本プロ野球選手会が有名だ。

個人事業主が労働組合法の対象になるのかどうか。最高裁は、不可欠な労働力として組織に組み込まれているか▽契約内容が一方的に決められているか▽報酬が労働の対価であるか――といった要素で判断している。

コンビニのFC店の店主にも、あてはまる要素はある。一方でアルバイトを雇ったり商品の仕入れを担ったりするなど経営者としての性格もある。このため、団交権を認めるかどうかの考え方はまだ定まっていない。

都道府県の労働委員会はユニオンの主張を認めて団交に応じるよう本部に求める救済命令を出している。2014年3月には岡山県労委がセブン本部に、15年3月には東京都労委がファミマ本部に、それぞれ出した。

いずれの本部も不服として中央労働委員会に再審査を請求している。中労委での審査手続きはほぼ終わっており、近く決定が出るとみられる。中労委の決定をいずれかが不服とすれば行政訴訟になるが、その意味合いは大きい。

本部と店主の関係を規制する法律としては、中小小売商業振興法が、小売り・飲食の本部に契約内容を事前に開示することを求めている。公正取引委員会は、本部が取引先を制限したり、仕入れを強制したりすることは独占禁止法違反にあたるとしている。店主側は、こうした規制では不十分だとして、包括的な「フランチャイズ法」の制定を求めている。

コンビニをめぐってはアルバイトに過酷な働き方を強いる「ブラックバイト」も指摘される。東京労働局が17年度に管内269のコンビニ店を調べたところ、95%以上に労働基準法違反があった。背景の一つには、人手の不足も含めた厳しい環境がある。コンビニが「社会インフラ」として必要ならなおさら、本部と店主の利益配分を調整する仕組みが必要だ。(編集委員・沢路毅彦)

情報源:セブン「加盟店と労使関係ない」 団交が実現する鍵とは:朝日新聞デジタル


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