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天皇陛下が中学時代に通われた学習院の教師らが、戦後の占領期の教育現場を振り返った音声テープが見つかりました。当時、皇太子だった天皇陛下への教育について教師たちが連合国軍から干渉されることを警戒していた様子がわかり、専門家は「将来の天皇の教育を模索していることがわかる貴重な史料だ」と注目しています。
音声テープは学習院に保管されていたもので、昭和30年に山梨勝之進元院長のほか教師12人が学校の歴史を記録するため、天皇陛下が在籍されていた戦後占領期の中等科の教育を振り返っています。
当時はアメリカなどの連合国軍が日本の民主化を急速に進めていた時期で、山梨元院長は「日本の国がどうなるかわからない、皇室がどうなるか、一面では学校の運命もわからなかった」と振り返り、皇太子だった天皇陛下の教育について「マッカーサーがどこまで口を出してくるのかわからない。何を言いだすのか、どこまで言うのかという問題があった」と連合国軍の干渉を警戒していたことを明かしています。
また、天皇陛下は中等科で学ばれましたが、当初はこのほかに皇太子専用の教育施設を設ける案もあり、山梨元院長は専用の施設を設けていれば極端な国家主義を教えると思われかねなかったと述べたうえで「学習院中等科でみんなと一緒になるんだと言えば、それ以上、追求する口実もない。これであまり干渉されないでいけるという見込みが自然に生まれてきた」と振り返りました。
また、教師の1人は天皇陛下が当時、グループ研究の授業でうまくできない生徒に「それなら、やめてしまえ」と発言され、別の生徒が「天皇さまにおなりになってそんなことを言っちゃ困ります」とたしなめたというエピソードを紹介しました。
当時の天皇陛下への教育をめぐっては、自主性や人を思いやる気持ちを教えることが課題の1つになっていて、教師は「これはよいことを言ってくれたと思った」と振り返っています。
象徴天皇制を研究している名古屋大学の河西秀哉准教授は「天皇の地位が変わる中で、皇太子の教育を学習院の人たちが考えて、模索していたことが生の声で分かる貴重な史料だ」と話しています。
情報源:天皇陛下の教育振り返る音声発見 連合国軍の干渉を警戒 | NHKニュース
ほぉ・・・