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フランスでは各地でマクロン政権の改革に抗議する大規模なデモが行われ、一部が暴徒化して治安部隊と衝突し、135人がけがをしたほか、1300人以上が拘束されるなど、混乱が続いています。
フランスでは燃料税の引き上げへの反発をきっかけに、先月以降、マクロン政権への抗議行動が全国に広がっています。
8日には北部のリールから南部のマルセーユまで各地であわせて12万5000人が抗議デモに参加し、パリでは観光名所のシャンゼリゼ通りに、抗議の象徴となっている作業用の黄色いベストを着た人たちが集まりました。
参加者たちはマクロン大統領の退陣を求めて行進しましたが、一部は車に火をつけたり石を投げたりして暴徒化しました。
これに治安部隊が催涙弾や放水などで応戦し、内務省によりますと、デモの参加者と治安部隊のあわせて135人がけがをしたほか、1300人以上が拘束されたということです。
クリスマスを前にしたこの時期、パリは日本人など外国の観光客でにぎわいますが、8日はルーブル美術館やエッフェル塔などの観光名所が相次いで閉鎖され、大勢の警察官が厳重な警戒にあたるなど、ものものしい雰囲気に包まれました。
この事態を受けてフィリップ首相は声明を発表し、「デモ隊との対話は始まっている。対話と努力によって国の連帯を再び築かなければならない」と述べ、マクロン大統領が対策を打ち出すという見通しを明らかにしました。
複数の地元メディアは対策は週明けにも発表されると伝え、事態の収束につながるのか注目されます。
仏経済 課題は9.1%の高い失業率
フランスでは2008年の金融危機のあと景気が悪化し、2009年にはマイナス2.9%と戦後最低のマイナス成長となりました。
その後、景気は緩やかに回復し、去年の成長率は2.2%となっています。
またマクロン政権は財政赤字の削減に取り組み、市民が負担する社会保障費を増額することなどで、去年はGDP=国内総生産の2.7%と、2007年以来10年ぶりにGDPの3%以内に抑えるというEU=ヨーロッパ連合が求めるルールを達成しました。
一方で、課題となっているのが失業率です。
ことし7月から9月までの失業率は9.1%と、去年の同じ時期に比べ0.5ポイント改善したものの、依然として高止まりし、特に15歳から24歳までの若者については20%を超えています。マクロン大統領は来年の予算案では、失業率を回復するため法人税を段階的に減らすなど雇用を生み出すための対策を示していますが、強い反発に直面しています。
「金持ち優遇 弱者軽視」マクロン政策に批判
マクロン大統領は去年5月の就任以降、経済の立て直しを最優先に、さまざまな改革を矢継ぎ早に打ち出してきました。
消費を拡大し経済を活性化させるとして、高額所得者への富裕税を廃止し、企業誘致を図るために法人税の段階的な引き下げを実施することにしています。
また財政赤字をGDPの3%以内に抑えるというEUのルールを達成するため、市民が負担する社会保障費の増額や、低所得者向けの住宅補助の削減など、大幅な財政支出の削減を進め、公務員の削減など行政の効率化にも取り組んできました。
ただ、こうしたマクロン大統領の改革に対しては中間層や低所得者層を中心に「金持ちを優遇し、弱者を軽視している」という強い批判が上がっていて、一連のデモは痛みの伴う改革の難しさを改めて浮き彫りにした形です。
トランプ大統領「パリ協定うまくいっていない」
フランスで燃料税の引き上げへの反発をきっかけに大規模なデモが起きていることに関連して、アメリカのトランプ大統領は8日、ツイッターに「パリ協定はうまくいっていない。フランス全土で抗議や暴動が起きている。環境を保護するために多額のお金を支払いたくないんだ」と投稿しました。
そして「彼らは『われわれはトランプが必要だ』と唱えている」と続けていて、フランスのデモを引き合いに、地球温暖化対策の国際的な枠組みパリ協定からの離脱の表明を正当化しています。
The Paris Agreement isn’t working out so well for Paris. Protests and riots all over France. People do not want to pay large sums of money, much to third world countries (that are questionably run), in order to maybe protect the environment. Chanting “We Want Trump!” Love France.
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) December 8, 2018
さらにトランプ大統領は「ばかばかしく、とても高くつくパリ協定を終わらせるときかもしれない」とも投稿し、パリ協定に対する否定的な姿勢を強めています。
Very sad day & night in Paris. Maybe it’s time to end the ridiculous and extremely expensive Paris Agreement and return money back to the people in the form of lower taxes? The U.S. was way ahead of the curve on that and the only major country where emissions went down last year!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) December 8, 2018
隣国ベルギーにも デモ飛び火
フランスのデモが飛び火する形で隣国ベルギーの首都ブリュッセルでも8日、SNSなどを通じて集まった人たちによるデモが行われました。
デモは市内各地で散発的に始まり、中心部では黄色いベストを着た参加者が警官隊に石を投げるなどしたのに対して警察が放水車で応戦するひと幕もありました。
地元のメディアによりますと、デモには合わせておよそ1000人が参加し、このうちおよそ400人が身柄を拘束されたということです。
また市内の幹線道路や中心部のあちこちが封鎖され、バスやタクシーなどの交通が大きく混乱しました。
情報源:フランス各地 反マクロン政権デモ続く 衝突で1300人超拘束 | NHKニュース
【パリ共同】フランスのカスタネール内相は8日、記者会見し、国内各地で同日行われたマクロン政権に抗議する黄色いベスト運動のデモについて、同日夕までに全国で1385人を拘束、警官や憲兵計17人を含む135人が負傷したと明らかにした。南西部ボルドーなど地方都市で衝突が相次いだ。
共に会見したフィリップ首相は「対話を通じて国民の一体性を縫い直さなければならない」と述べた。
8日夕時点のデモの参加者は全国で約12万5千人に上り、うちパリは約1万人。パリ市内では共和国広場周辺で夜まで混乱が続いたほか、ボルドーや南部トゥールーズなどで衝突が起きた。
情報源:仏デモ、1300人超拘束(共同通信) – Yahoo!ニュース
情報源:仏デモ、1300人超拘束 地方で衝突、首相対話訴え – 共同通信 | This kiji is
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