当然の結果。

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外国人はこんなにタトゥー（入れ墨）が好きなの？　今夏のサッカーワールドカップ（Ｗ杯）を見て、そう思った。そこで気になったのが温泉施設の対応。大半が「タトゥー禁止」を掲げる。２０２０年東京五輪で「まごころのおもてなし」を掲げる以上、むげに断れないのでは？　そう思い、外国人旅行者が多い富士北麓（ほくろく）と南麓（なんろく）の温泉で尋ねた。

富士山を望む露天風呂で知られる山梨県山中湖村の「紅富士の湯」。年間約３５万人が利用し、その１割が東南アジアや欧米からの外国人だ。

「タトゥーのお客様は入浴できません」

海外ツアー客を乗せた大手旅行会社のバスは、添乗員が到着前に車内で呼びかける。タトゥーを入れている人は周辺を散歩したり、お土産を買ったりして時間をつぶすという。

玄関に高さ２メートルの看板を立て、タトゥーのある客の入浴禁止を呼びかける。「ファッションのワンポイントもダメ」と徹底している。運営する山中湖観光振興公社の高村倉司取締役（６９）は「タトゥー愛好者は増えているけれど、日本人の拒否感は根強い。日本人旅行者に愛される温泉経営が基本です」と話す。

実は５年前まで、タトゥー客の入浴はＯＫだった。しかし、暴力団関係と思われる来館者が増え、家族連れの客足が遠のいてしまったという。その後、地元警察署に指導を仰ぎ、「入浴禁止」に踏み切った。

紅富士の湯など９施設が加盟する「山梨・静岡日帰り温泉施設連絡会」は、連携して集客や観光振興、富士山の噴火対策を話し合ってきた。外国人観光客の増加を踏まえ、タトゥーへの対応策も話し合ってきたが、施設によって対応は分かれている。

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富士吉田市の遊園地「富士急ハイランド」周辺にあり、富士急行が運営する関連エリアは年間約２３０万人の行楽客でにぎわう。富士急広報によると、エリア内の「ふじやま温泉」には毎月、タトゥーを入れている外国人から入浴できるかどうかの問い合わせが２０件ほど寄せられるという。

日本文化を体感したいと「裸の付き合い」を望む外国人は多い。広報担当者は「ほかのお客さんが気持ちよく入浴できることが最優先。申し訳ないですがお断りしています」。ワンポイントのファッションタトゥーも禁止だ。受付が見逃し、タトゥーの客が入浴してしまった時は、シール（８×１０センチ）を渡し、タトゥーを隠してもらう。「苦肉の策。シールで隠せば入浴可能、ということではありません」

富士急の創業精神は「富士を世界に拓（ひら）く」だ。経営理念に「いつも喜び・感動」を掲げる。方針の見直しを問うと、「当面は現状維持だが、改善策が見つかれば柔軟に対応したい」という回答だった。

鳴沢村の「富士眺望の湯ゆらり」も、ワンポイントを含めて入浴禁止だ。経営する富士観光開発の広報は「タトゥーの可否を決める線引きができない」と話す。

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一方、静岡県側の南麓５施設は柔軟な対応だ。創業４０年の御殿場市温泉会館にタトゥーの入浴制限は一切ない。杉山明館長（６７）は「禁止する理由がない。たまにお客さんから『なんで入れ墨客がいるんだ』と苦情が寄せられる。でも、何もトラブルはありません」と話す。年間利用者約１２万人のうち、約２千人が外国人という。

ヘルシーパーク裾野（裾野市）の室伏功司館長代理（３３）は「基本的にはご遠慮いただくスタンス」と説明しながらも、「派手なタトゥーは無理だが、サポーターで隠してもらったり家族風呂を薦めたりします」。さらに「日本本来の入れ墨を不快に思う考え方と、外国人のファッション重視の思いを共に重視して、どこかで着地点を探さないといけませんね」。ほかの３施設は入浴ＯＫが１カ所、拒否が２カ所だった。

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カナダのミュージシャン、ジャスティン・ビーバーのフェイスブックをのぞいた。全身タトゥーの写真を公開し、「痛みが無ければ皆が入れているだろう。１００時間以上の激痛だったが、自分の身体をキャンバスにするって、すごく楽しい」。

両腕にタトゥーを入れた競泳のアンソニー・アービン選手（米国）は、シドニー、リオデジャネイロ両五輪の金メダリスト。５０メートル自由形が得意で、２０１２年１１月には東京の競泳Ｗ杯にも出場した。記者会見でアルコール中毒やうつによる自殺未遂の体験を告白し、「タトゥーはその時入れた。アイデンティティーを探していた」と語った。

記者は７年前の体験が忘れられない。甲州市内の温泉で、背中全面にタトゥーを入れた中年男性とふたりきりになった。「勇壮な絵ですね」と何度も話しかけようと思ったが、正直怖く、声をかけられなかった。「偏見が邪魔したのかな」という思いも残った。読者のみなさん、どう考えますか？（河合博司）

情報源：タトゥー入浴ＯＫ、減った家族連れ　着地点探す温泉施設：朝日新聞デジタル

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はぁ・・・

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