任天堂のROM配布サイトに対する訴訟で「違法ではない」と真っ向から対立するサービスが登場 – GIGAZINE

へぇ・・・


2018年7月頃から任天堂は、レトロゲームをエミュレーターで遊ぶためのROMデータを違法配布しているサイトに対して訴訟を起こしており、多くのサイトがサービスの停止と多額の賠償金の支払いに追い込まれています。インターネット上でレトロゲームのROM貸出サービスを運営するConsole Classixも任天堂から同様の通知を受けたとのことですが、「違法性は全くない」として、サービスの正当性を主張しています。

ROM sites are falling, but a legal loophole could save game emulation | Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2018/08/can-a-digital-lending-library-solve-classic-gamings-piracy-problem/

ROM貸出サービスのConsole Classixは「100%合法的な唯一のエミュレーションサービス」と銘打って、サービスの運営を行っています。このサービスはPCにインストールするクライアントアプリを使って、オンライン上のファミコン(NES)やゲームボーイアドバンスなどのレトロゲームのROMをダウンロードして遊ぶというもの。また、無料でもConsole Classixの利用が可能ですが、プレイできるゲーム数に制限があり、月額6ドル(約670円)または年額60ドル(約6600円)を支払うことで全てのゲームをプレイすることが可能になります。

Console Classixの創設者であるアーロン・エスリッジ氏は「過去に多くのROMサイトが法的な脅威によってつぶされてきましたが、このサービスは安全です」と語っています。また、同氏は「任天堂から著作権侵害の通知を受けた後は、著作権を専門とする弁護士に連絡を取っており、ユーザーを守るための対応を行っています」と述べており、サービス運営に支障はないと自信ありげに説明しています。

エスリッジ氏が自信を持っている理由の1つが、「Console Classixで公開されているROMファイルが自由に誰でもダウンロードできるわけではない」という点です。同サイトで公開されているROMファイルは、エスリッジ氏が所有する7000を超えるゲームソフトから直接抽出されたデータファイルであり、ユーザーが希望のゲームをレンタルするとアクセス権が占有され、そのゲームソフトに他のユーザーがアクセスできなくなるという仕組みが取られています。また、ゲームのレンタルが終了すると、ユーザーのPCにダウンロードされたROMデータとアクセス権が自動的に削除され、他のユーザーがゲームで遊べるようになります。つまり、Console Classixはアメリカやヨーロッパで一般的なゲームレンタルサービスをウェブで提供している形をとっています。

以下のムービーでは、エスリッジ氏がConsole Classixで使用しているゲームソフトからROMを抽出するマシンについて説明しています。ムービー中では、同氏の後ろにある機械が動作しており、数多くのゲームソフトからROMデータが直接抽出されていることがわかります。

Look At All These Games! – YouTube

エスリッジ氏はConsole Classixについて、「インターネット上にある多くのROM配布サービスのように『制限のないダウンロード』を許可しておらず、私たちの所有するゲームソフト以上のROMデータが配布されることはありません」と語っており、一般的なゲームレンタルサービスと同等の内容だから問題にならないと説明しています。同氏は、すでに任天堂に対して、この内容で返答済みであり、記事作成時点では回答待ちの状態とのことです。

エスリッジ氏は「過去に同様の通知を受けたことは何回もありますが、実際に法廷にまで至ったことはありません」と話しています。しかし、一部の専門家は「Console Classixの規模が非常に小さく、多額の賠償金を得られる可能性が低いことが理由となって、たまたま裁判に発展していない可能性が高い」と指摘しています。

専門家が指摘するように、Console Classixが実際に裁判の場で争った場合には、どのように判断が下されるかはわかりません。アメリカの著作権法ではゲームレンタル事業を否定するような内容の記載はなく、エスリッジ氏有利のようにも見えます。しかし、Console Classixはゲームストリーミングサービスの「PlayStation Now」と似ている部分があり、これが論点となる見方があります。

過去の判例では、テレビ放送をインターネット上でストリーミング配信するAereoが「コンテンツの著作権を侵害している」としてテレビ放送局から訴えられて、敗訴しています。仮に任天堂とエスリッジ氏が裁判の場で争うこととなった場合に「Console Classixがゲームレンタルではなく、PlayStation Nowと同様のサービスである」と認められることになれば、著作権料の支払いが課せられて敗訴する可能性が高いと考えられています。

情報源:任天堂のROM配布サイトに対する訴訟で「違法ではない」と真っ向から対立するサービスが登場 – GIGAZINE


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