「技術のパナ」VS「国策の中国」 競争し烈、日中車載電池競争 (1/3ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ)

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車載用電池事業について発表するトヨタ自動車の豊田章男社長(左)とパナソニックの津賀一宏社長=昨年12月13日、東京都港区
車載用電池事業について発表するトヨタ自動車の豊田章男社長(左)とパナソニックの津賀一宏社長=昨年12月13日、東京都港区

車載電池の市場で、日中メーカーの競争が激化している。米国の電気自動車(EV)ベンチャーのテスラと手を組むパナソニックが日本勢として技術力で存在感を示す一方、中国では国策のバックアップもあって複数の会社が急成長。性能の良さを前面に押し出すパナソニックに対し、中国勢は規模や価格で市場を攻める構図だ。EVなど環境車の普及を背景に、車載電池市場は今後10年で6倍(電力量ベース)に膨らむ見通し。今後の市場の行方が注目される。(中山玲子)

「パネル事業とは違う」

「(材料の選定や割合など)レシピによってエネルギー密度を高めたりして競争力を発揮できる点が、パネル事業と異なる」

7月2日、大阪府門真市の同社本社で開かれた車載事業の報道陣向け説明会。同事業を率いる伊藤好生副社長はこう説明した。

かつてパナソニックやソニー、シャープなど電機大手が経営危機に陥ったのは、各社が激しい競争を繰り広げていた液晶などのパネル事業が生産設備を整えるだけで一定の収益を期待できる「装置産業」であったことが原因とされる。装置産業のため、中韓勢との技術力の差はほとんど無くなり、価格競争力の面で厳しい日本勢は結果として人件費の安いアジア勢に敗北する形になった。

車載電池事業は、こうした過去の苦い経験とたびたび重ね合わせられる。だが、伊藤副社長は、車載電池の競争がニッケルなど、どんな材料がどんな割合で配合されているかといった技術力に大きく左右されるとの考えを強調。パナの生産現場では、材料に加え、温度、湿度といった多様な条件のもとで実験を繰り返すことで高性能の電池を開発する地道な作業が行われているようだ。

補助金などで後押し

一方、中国勢の急成長を後押しするのが、世界のEV市場をリードしたい中国政府による政策。補助金支給のほか、一流の技術者を高待遇で迎える政府の「千人計画」に加え、2019年に導入する「NEV規制」では、新エネルギー車の一定割合の生産などが義務づけられ、車載電池の需要増にもつながるとみられるからだ。

中国メーカーでは、寧徳時代新能源科技(CATL)や比亜迪(BYD)が急成長し、世界で高いシェアを誇る。CATLは創業から7年と新興企業でありながら、パナソニックとトップシェア争いを繰り広げており、強力な国のバックアップのもとに、パナソニックには脅威となりつつある。

シェア追わず

「顧客と課題を共有しあい開発する。いたずらにシェアを増やすのでなく、わたしたちの技術を評価していただける顧客と一緒にやる」。伊藤副社長は、電池事業についてこう語り、パナソニックの強みを生かせる分野であることを訴える。

実際、EVのパイオニア的存在であるテスラに電池を独占的に供給するほか、国内メーカーではトヨタ自動車とも昨年12月に車載電池の提携検討を発表。トヨタとは、「全固体電池」と呼ばれる次世代電池の開発でもタッグを組み、津賀一宏社長が「お互いにかなり突っ込んだ話し合いができている」とするなど手応えを感じる。また、パナソニックは公表はしていないものの、トヨタ以外にも国内有数メーカーを顧客にもつという。

■中国の新エネルギー車(NEV)規制 中国政府が同国市場での製造、販売で一定割合を新エネルギーにすることを義務づける。中国当局が発表した規則によると、中国で年3万台以上の乗用車を製造したり、輸入販売したりするメーカーが対象。新エネルギー車は電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)で、日本勢が得意とするハイブリッド車(HV)は含まれない。

情報源:「技術のパナ」VS「国策の中国」 競争し烈、日中車載電池競争 (1/3ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ)


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