2018年6月2日の中国新聞の記事。
「原爆落ちろ、カープ」と中日ファンの男性がマツダスタジアム(広島市南区)でやじを飛ばす動画がツイッターに投稿された騒動から2カ月。プロ野球ファンが集うインターネット掲示板で「いまもひどい言葉が流行語のように飛び交っている。許せない」とのメールが編集局に寄せられた。実態を探ってみた。
掲示板をのぞくと、目を疑うような投稿がいくつもあった。「原爆落ちて全員死ね」「もう一発ぐらい落ちてもいいやろ」―。無論、匿名だ。それらに対し、「人権感覚を疑う」「絶対に言ってはいけないこと」などと非難する投稿もある。一方で「ネットのノリ」「ネット用語だから」と擁護する返信もあった。
▽次世代と温度差
「原爆でどれだけの人がつらい思いをしたか、知らんのじゃね。残念なのう」。佐伯区の前田正弘さん(80)はつぶやく。7歳で被爆し、やけどを周囲にからかわれた。その痛みを次世代と共有できていないことに、やるせなさが募る。
無知ゆえの発言―。スポーツジャーナリスト玉木正之さん(66)も、同じ見立てだ。「相手をたたきのめす意識しかない。原爆への無知から生まれた差別」と断じる。
広島を訪れる他球団のファンは、「原爆落ちろ」発言をどう受け止めたのだろうか。大阪市から来た女子大生2人組に記者が尋ねると、一人は「よくないことだと思う」と言った。すると、もう一人が不思議そうにつぶやいた。「広島の人はなんでそんなに怒ってるん?」
すかさず「原爆で何人が犠牲になったか、知っていますか」と問うと、「さあ」。「原爆が投下された日は?」「えっと、夏よね」「8月じゃなかったっけ」―。原爆については小学校で少し習っただけで、原爆ドームや原爆資料館を訪ねたことはないという。「私たち原爆のこととか何も知らんし、怒る気持ちもぴんとこないよね」「確かにね」
▽あの日から73年
原爆投下から73年。被爆体験を継承し、風化させないことの難しさをあらためて思い知らされる。ただ、若者の無知を嘆くだけでよいとは思えない。
戦争を語り継ぐ大人の側の姿勢も問われているように感じる。政治家から、日本の核武装についての議論を容認するかのような発言が飛び出しても、以前ほど騒ぎにならない。「反戦」「反核」への意識が弱まってはいないか。
伝える側にある被爆地広島の姿勢も問われている。平和記念公園ボランティアガイドの村上正晃さん(25)=西区=は「広島の人は怒るだけでなく、自らを省みる機会にすべきだ」と指摘する。
広島の人をガイドしても、原爆ドームの歴史について「知らなかった」との反応が多いことに驚くという。「平和への思いは強く受け継がれていても、知識の風化は広島県内でも進んでいる」
村上さんは、会員制交流サイト(SNS)やブログで自身の活動を地道に伝え、「平和公園に来てください」と呼び掛ける。ブログにこんな言葉があった。「このまま原爆や戦争が忘れられると必ずまた同じことが起きます。平和な今、考えることが大事」(中川雅晴、松本輝)
情報源:原爆やじ「拡散」どうして 地元でも進む知識の風化 | 中国新聞アルファ
記事中の「村上正晃さん」のブログとTwitter
昨日の中国新聞にコメントが載りました。「原爆落ちろ、カープ」と言った人はもちろんよくないけど無知から来たものだと思う。そういう人達にもっと伝えないといけないし自分たちも学ばないといけない。そして原爆に限らず、無知は知らぬうちに人を傷付けるということを知らないといけない。#masaaki7 pic.twitter.com/oXEcHInu4z
— MASA (@abombguide) June 2, 2018
ふむ・・・