諫早訴訟、福岡高裁「開門無効」 県関係者ら怒りと歓迎 | 熊本日日新聞社

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判決に胸をなで下ろしながら、干拓地での営農への決意を語る荒木一幸さん=30日、長崎県諫早市
判決に胸をなで下ろしながら、干拓地での営農への決意を語る荒木一幸さん=30日、長崎県諫早市

国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡り、潮受け堤防排水門の開門命令を無効と判断した30日の福岡高裁判決。開門を訴えた県内漁業者は「開門を命じた判決は何だったのか」と憤る一方、干拓地で農業を営む県出身者は「これで農業に打ち込める」と歓迎の声を上げた。

「確定判決が無効になるなんて、許されるのか」。堤防排水門の開門を求めてきた荒尾市増永のノリ養殖業、前田力さん(69)は福岡高裁前で怒りをあらわにした。

同じ福岡高裁が開門調査を命じる判決を下したのは2010年12月。「安心してノリの養殖を続けられる」と、会社勤めの長男を呼び戻し、後を継がせる決心をした。ただ、国は地元営農者の反対を理由に確定判決に従わず、やがて開門差し止めを命じる仮処分決定が出される。司法判断の“ねじれ”が膠着[こうちゃく]状態を招いた。

開門を求める運動に加わったきっかけは、2000年のノリの大凶作。仲間と窮状を訴え、荒尾市で約5万5千人の署名を集めた。漁業者約7千人の海上デモ、東京・霞が関の農林水産省への抗議活動にも参加。佐賀の漁業者らと開門を訴え続けてきた。

「今回の判決はあまりにも理不尽で、納得できない」。前田さんは最高裁の判断に望みをつなぐ。

一方、台風12号の影響でいつもより強い風が吹く干拓地。堤防の内側に広がる畑でキャベツの植え付け準備に追われるアラキファームの荒木一幸さん(41)は、胸をなで下ろして苦笑した。「裁判所も案外いいかげんだな、というのが正直な感想」

唯一の長崎県外者として08年、家族4人で苓北町から移り住んだ。これまでの設備投資は2億円近くに上る。現在は約36ヘクタールの広大な農地で年間約2400トンのキャベツを生産し、15人の従業員を束ねる立場でもある。

入植3年目の10年12月、民主党政権は上告を見送り開門命令が確定した。「開門した場合の干拓地への影響も分からないままの判断で、怒りが収まらなかった」。「門は開かない」と信じて頑張るしかなかったという。

干拓地では現在、アラキファームを含む37の法人・個人が営農しており、タマネギやレタスなど年間40億円近くを生産する。荒木さんは「われわれにもここで農業を続ける権利がある。歩み寄れる問題ではない」と力を込め、作業に戻った。(太路秀紀、原大祐)

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