ふむ・・・
エアコンなしの寮に住んでいた学生は、エアコンがある寮に住んでいる学生と比較してパフォーマンスが落ちていたという研究結果が報告されています。屋内温度が高くなると若い人の認知能力に悪影響を及ぼすことが改めて実証され、研究チームは極端な熱が健康に与える影響を緩和するような建物を設計する必要があると主張しています。
Reduced cognitive function during a heat wave among residents of non-air-conditioned buildings: An observational study of young adults in the summer of 2016
http://journals.plos.org/plosmedicine/article?id=10.1371/journal.pmed.1002605Extreme heat linked with reduced cognitive performance among young adults in non-air-conditioned buildings | News | Harvard T.H. Chan School of Public Health
https://www.hsph.harvard.edu/news/press-releases/extreme-heat-linked-with-reduced-cognitive-performance-among-young-adults-in-non-air-conditioned-buildings/ボストンのハーバード公衆衛生大学院の気候・健康・地球環境センター(C-CHANGE)准教授ジョセフ・アレン氏率いる研究チームは、ハーバード大学の学生44人を対象に、室内の温度が人の認知能力に与える影響を2016年に調査しました。
44人のうち24人は1990年代に建てられたエアコン常備の寮に住んでいて、残りの20人は築80年超でエアコンなしの寮に住んでいたとのこと。被験者の学生は、毎朝起床した直後にスマートフォンで「表示された単語の文字色を答える問題」と「簡単な計算問題」という2種類の認知テストを受け、そのスコアから学生の認知能力が計測されました。
by Creative Commonsその結果、エアコンのない寮に住む学生は、エアコン付きの寮に住む学生よりも反応時間が13.4%遅くなっていて、計算テストのスコアが13.3%低下していたことがわかりました。この2グループ間の認知機能の差は、最高気温が30度を超える猛烈な熱波が到来したときはもちろん、通り過ぎた後の冷え込み時にも見られました。
以下のグラフでは、黒い箱ひげ図がエアコンのない寮の室温、白い箱ひげ図がエアコンのある寮の室温、赤い点線が屋外の最高気温を示しています。7月13日から急激に最高気温が上昇し、熱波が到来していることがわかります。エアコンのある寮の室温は、室温の変化は大きくなっているものの、25度以下をキープできています。一方で、エアコンのない寮の室温は、熱波の到来によって一気に上昇。さらに、上がった室温はほとんど下がる気配がありません。
調査結果として、明らかに室内温度が高いほど学生の認知能力が落ちていたことがわかり、エアコンのない場所は室温を調整できないため、パフォーマンスに影響を与え続けることがわかりました。ボストンの気候は北海道と同じ亜寒帯湿潤気候で、冬の寒さが大変厳しいことで知られています。アレン氏によると、寒い気候の地域では建物は熱を保つように設計されているため、夏の日によって蓄積した熱を放つことが難しく、屋内で熱波が持続してしまい、屋内の人間の認知能力に悪影響を与えるとのことです。研究チームは、教育達成度・生産性・安全性を維持するためにも、変化する気候に対する持続可能な適応策を建物の設計に組み込むべきだと論じています。
情報源:エアコンがない部屋では認知能力が下がることが研究で判明、どれほどパフォーマンスが変わるのか? – GIGAZINE
はぁ・・・