終わるのか・・・
大手自動車メーカーのホンダは、開発を続けていた2足歩行の人型ロボット「アシモ」の開発をとりやめていたことがわかりました。今後は介護支援などより実用的なロボット技術の開発に力を入れる方針です。
アシモはホンダが開発した人型ロボットで、平成12年に発表された1号機は当時は高い技術が求められていた本格的な2足歩行をするとして注目されました。
その後、平成23年まで7代にわたって改良型が発表されましたが、関係者によりますと、ホンダは開発をすでにとりやめていて、研究開発のチームも解散したということです。
2足歩行の人型ロボットをめぐっては、ソフトバンクグループが買収したアメリカの「ボストン・ダイナミクス」が高い運動性能を持つロボットを発表するなど参入が相次ぎ、競争が激しくなっています。
ホンダとしては、より実用的なロボット技術の開発に力を入れる方針で、今後は、アシモの開発で培った高度なバランス性能や、運動を制御する技術を応用し、転倒を防止する機能をもつバイクや、介護を支援する装着型のロボットの開発を進めていくとしています。
情報源:ホンダ アシモの開発をとりやめ 研究開発チームも解散 | NHKニュース
ホンダが、ヒト型二足歩行ロボットASIMOの開発を中止し、開発チームも解散するとNHKが報じました。ASIMOといえば、世界で初めて本格的な二足歩行を実現したヒューマノイドロボットとして知られ、電機系メーカーやロボティクス分野のスタートアップでなく、自動車メーカーが開発したという点でも非常にユニークな生い立ちを持つロボットです。なお、記事執筆時点ではホンダからはまだ正式な発表はありません。
ASIMOという名称は2000年以降に発表された機体を総称するもので、二足歩行が可能なヒューマノイドロボットとして発表されたのは1996年の”P2″が最初。さらに源流をたどれば、その研究開発の開始は創業者の本田宗一郎氏が健在だった1980年代にまでさかのぼります。ASIMO(Advanced Step in Innovative Mobility)と名付けられてからも開発は活発に続けられ、公共空間やオフィスでの利用を想定して機体の小型軽量化を行い、歩行性能に関してもBoston DynamicsのAtlasが最近になってジョギングを習得したのに対し、ASIMOは2005年の時点ですでにこれを可能としていました。また2011年の7代目ASIMOでは歩行だけでなく、水筒を開けてコップに水を注ぐ、複数の人の話を聞き分け返答するといった、将来のロボットに求められる具体的な機能の開発にまで踏み込んだ開発も行われていました。
ただそれ以降、ASIMOの開発に関する知らせはパッタリとなくなっていました。今になって思えば、2011年の時点である程度人とのコミュニケーションが可能なまでに開発が進んだASIMOには、すでにやり尽くした感が漂い始めていたところはあったかもしれません。
とはいえNHKの報じるところでは、ホンダはASIMOの開発は終了するものの、より実用的なロボット技術の開発に力を入れるとされます。ASIMOが持つ高度なバランス性能や運動制御技術は、すでに発表されている立ちゴケしない安全なバイクの開発や介護支援用パワードスーツ的なロボット技術へと”進化”していくことになる模様です。
Boston Dynamicsのロボットは生々しいまでになめらかな動きを実現しつつも、それが具体的に何に使えるかに関してはまだまだ模索が続けられている状況と言えます。一方でASIMOは姿こそ違ったものになるものの、その技術を実用化していく道筋を見つけたといえるのかもしれません。
ちなみにホンダは2017年、はしご昇降や四つん這いで歩行できる、ASIMOとは別のヒト型ロボットE2-DRを発表しています。E2-DRは災害現場などでの活用を想定して開発が進めてられており、ASIMOと似た部分もありながら、さらに複雑な動作が可能になっているようにも見えます。同じく2017年にはロボティクスを含む新しい分野の研究開発施設を設置しています。
情報源:ホンダ、ヒト型ロボット「ASIMO」開発終了との報。技術は転けないバイクや介護支援外骨格などに応用へ(Engadget 日本版) – Yahoo!ニュース
情報源:ホンダ、ヒト型ロボット「ASIMO」開発終了との報。技術は転けないバイクや介護支援外骨格などに応用へ – Engadget 日本版
ふむ・・・