【ビジネス解読】ブラック企業はこれで壊滅…外食業界などで導入進むバイト定着の秘密兵器 (1/3ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ)

ふむ・・・


ブラック企業壊滅にもつながる人材活用システム「パフォーマンスプラス」の自己振り返り画面
ブラック企業壊滅にもつながる人材活用システム「パフォーマンスプラス」の自己振り返り画面

大学生や高校生をはじめ、弱い立場の非正規雇用のアルバイト・パートに対する勤務シフトの強要、賃金不払い、ノルマや商品の自腹購入に代表される「ブラックバイト」。一方、飲食店などのアルバイトが店への迷惑行為を会員制交流サイト(SNS)に投稿する「バイトテロ」は、企業が被害者になりかねない。そんな問題を解決する“秘密兵器”を東京・下町のITベンチャーが開発し、外食や小売業を中心に導入企業が広がっている。「ブラック企業」を壊滅し、「ホワイト企業」を育てるシステムとは…。

大学生がシフト強要などで学校にも通えなくなるブラックバイトの実態は、外食チェーンのフランチャイズ店で起きた暴行などの事件をきっかけに、クローズアップされた。ノルマを課せられ、商品を自腹購入させられたり、レジの不足金やオーダーミスを補填(ほてん)させられたりする悪質なケースも表面化した。

背景には、アルバイトの慢性的な人手不足と時給コストの上昇があるが、力ずくで引き留めようとしたり、目先のコストを回避しようとしたりすることで、結果的にアルバイト離れを助長する悪循環に陥っている。

こうした状況の解決手段として注目され、需要を伸ばしているのが、アルバイト・パートと経営トップ▽アルバイト・パートと人事担当者▽アルバイト・パートと店長・現場責任者-らを結ぶ、「パフォーマンスプラス」という人材活用システムだ。

現場のタブレット端末やスマートフォンと、会社のシステムをつなぎ、質問に答える形でその日の仕事ぶりを振り返ったり、コメント欄に感想や会社に報告したいことを入力したりできる。

開発したのは、東京・下町のIT企業、アルカディア・イーエックス(東京都江東区)。米ウォルト・ディズニー・カンパニーの日本法人、ウォルト・ディズニー・ジャパン(東京)のシステム部門出身の佐藤正社長(53)が、さまざまな雇用形態で集まるキャスト(従業員)を育て、大切にするディズニー流の人材管理術を参考にしたという。

ブラック企業壊滅にもつながる人材活用システム「パフォーマンスプラス」の導入企業が広がっている
ブラック企業壊滅にもつながる人材活用システム「パフォーマンスプラス」の導入企業が広がっている

システムの提供開始は平成27年だが、外食や小売業だけでなく、介護サービスなど幅広い業種で人手不足が深刻になり、初年度に9社だった契約数は、28年度に新たに24社、29年度にさらに26社と契約するなど拡大。中華料理店、居酒屋、弁当、ファストフード、衣料品小売り、美容・エステといった大手有名チェーンのほか、介護やコールセンター、病院でも導入が進んでいる。

槇千亜紀副社長によれば、ある飲食店チェーンでは「数台ある炊飯器のうちの1台が壊れているのに店長が放置したままで、ランチタイムが終わる前にライスがなくなってしまう状況が続いている」と、店員がコメント機能を利用して経営陣に訴えたところ、すぐに新しい炊飯器が入ったという“成果”も。

まるで、素性を隠し、変装して自社の現場に潜入、会社の課題を発見するNHKのテレビ番組「覆面リサーチ ボス潜入」のようだ。

一方、ある大手居酒屋チェーンは、このシステムの導入に向けたトライアル(試験)で、アルバイト店員が「店にネズミがいっぱい出て困る」などとコメントに書き込んだ。まさにカイゼンにつながる絶好のチャンスだったが、この会社は「こんなことが経営陣にバレたら問題になる」と、導入を見送ったという。これこそブラック企業だ。

そもそも、このシステムは会社側が現場の不安やSOSを素早くキャッチし、働きやすい環境をつくることで、アルバイトの貢献意識を高め、生産性アップを目指すのが狙いだ。その結果、アルバイトの定着率や経営の安定性を高めることができる。

ただ、このシステムの導入を見送った大手居酒屋チェーンのように、そもそもホワイト化する気のない企業には変革のチャンスは訪れない。

槇副社長は熱く語る。

「(日本の全雇用者の)4割が非正規雇用という状況の中、アルバイト定着率の低さは経営の安定を損なう。アルバイト紹介大手はあるが、アルバイトを定着させるのが私たちの仕事。ホワイト企業でないと生き残れない環境を日本に作りたい」(大塚昌吾)

情報源:【ビジネス解読】ブラック企業はこれで壊滅…外食業界などで導入進むバイト定着の秘密兵器 (1/3ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ)



へぇ・・・