ピカソ代表作「海辺の母子像」最先端スキャナーで新発見

ピカソ代表作「海辺の母子像」最先端スキャナーで新発見 | NHKニュース

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20世紀を代表する画家、パブロ・ピカソの「青の時代」の代表作「海辺の母子像」の下に、日付が特定できるパリの新聞や上下が逆になったサインが残されていることが新たにわかり、調査に当たったポーラ美術館は、制作の時期や過程がわかる重要な手がかりが得られたとしています。

「海辺の母子像」は西暦1902年、ピカソが20歳の頃に描いた「青の時代」の代表作で、絵を所蔵する神奈川県箱根町のポーラ美術館が、ことし4月からアメリカやカナダの美術館とともに、最先端のスキャナーを使って調査を行いました。

その結果、絵の下の広い範囲に新聞が貼り付けてあることが新たにわかり、記事の内容から1902年1月18日にパリで発行された新聞と特定できたということです。

また、新聞のさらに下に上下が逆になったピカソのサインが残されていたほか、13年前の調査で今の絵の下に描かれていることが判明した前を向いた女性の像もより鮮明な姿が確認され、同じキャンバスに少なくとも3回、絵が描かれていたことがわかりました。

美術館によりますと、こうした調査結果を踏まえると、「海辺の母子像」はサインを伴う最初の絵のあと、上下を反対にして女性の像が描かれ、新聞を貼ったうえで今の絵が出来上がったと想定できるということです。

また、ピカソはおそらくパリで作品の制作を始め、家族の住むスペインのバルセロナで絵を完成させたと推察できるということで、ポーラ美術館は、謎の多い「青の時代」の作品の制作時期や過程がわかる重要な手がかりが得られたとしています。

ピカソ研究に大きな意味

国内のピカソ研究の第一人者で、早稲田大学名誉教授の大高保二郎さんは「今回の発見は、制作地の問題と時期の問題の2つに関わってくるが、『青の時代』を描いた1901年から1902年にかけての、いわゆる移行期のピカソを考えるうえで非常に示唆的な資料だ」と指摘しています。

そのうえで、新聞を使っていたことについて「どういう目的かは確定できないが、『青の時代』に新聞紙を下に塗りこめるようにして、その上から描いていることは新しい発見だ」としています。

絵が、段階をへて完成していることについては、「いかにもピカソならではの手法で、制作のプロセスが、時間の層として埋没していた。今後のピカソ研究にとっても今回の調査報告は大きな意味をもつと思う」と話していました。

また、ポーラ美術館の今井敬子学芸課長は「最初にスキャナーを向けた母子像の顔から文字が現れたことに驚いた。新聞紙が使われていたのも、とても珍しい例で、青の時代を研究するうえで見直しが必要になる内容も含んでいることに、大変意義を感じている。描き直しの過程やなぜ新聞紙を使ったのかなど、まだ大きな謎に包まれているので、今後も調査を進めていきたい」と話していました。

情報源:ピカソ代表作「海辺の母子像」最先端スキャナーで新発見 | NHKニュース


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