ふむ・・・
北朝鮮は16日、長年アメリカとの交渉に携わってきたキム・ケグァン第1外務次官の談話を発表し、「一方的に核の放棄だけを強要しようとするならば、米朝首脳会談に応じるかどうか再考せざるをえない」として、史上初の米朝首脳会談を取りやめる可能性を示唆してトランプ政権を強くけん制しました。これに先立って、北朝鮮は16日に予定されていた韓国との閣僚級会談の中止を表明しており、駆け引きの一環だとみられます。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信は16日午前、キム・ケグァン第1外務次官の談話を伝え、この中でトランプ政権に対し、「われわれに一方的に核の放棄だけを強要しようとするならば、米朝首脳会談に応じるかどうか再考せざるをえない」として、来月12日にシンガポールで開かれる予定の、史上初の米朝首脳会談を取りやめる可能性を示唆して、アメリカ側の出方を強くけん制しました。
これに先立って、16日付けの朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、韓国軍とアメリカ軍が今月11日から25日までの日程で、戦闘機などおよそ100機を投入して行っている定例の共同訓練「マックス・サンダー」を非難する記事を掲載しました。この中では、今回の訓練に核兵器の搭載が可能な、アメリカ軍のB52戦略爆撃機などが参加しているとしたうえで、先月の南北首脳会談で署名された共同宣言に触れ、「宣言に対する露骨な挑戦であり、よい方向へと発展する朝鮮半島情勢の流れに逆行する意図的な軍事的挑発だ」と強く反発しています。
そして、共同宣言の履行について話し合うため16日に予定されていた南北の閣僚級会談を中止すると表明し、すべての責任は韓国側にあると主張しました。
北朝鮮の非核化を巡って、アメリカが「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を求めているのに対し、北朝鮮は、体制の保証と軍事的脅威の解消を前提として、段階的に非核化プロセスを進める立場を主張しており、米朝首脳会談に向けた駆け引きの一環だとみられます。
韓国は「共同宣言に合わず残念」
北朝鮮が16日に予定されていた韓国との閣僚級会談を中止すると表明したことについて、韓国統一省のペク・テヒョン(白泰鉉)報道官は定例記者会見で声明を発表し、「北が会談の日時を知らせてきた直後に、米韓の定例の共同訓練を理由に一方的に延期したことは、先月、南北の首脳が合意した共同宣言の精神と趣旨に合わず残念だ」として、遺憾の意を示しました。
そのうえで、「北が朝鮮半島の平和と繁栄のために、速やかに会談に応じるよう求める。北が提起している問題を議論するためにも、南北対話が持続しなければならない」と強調しました。
また、ペク報道官は、韓国政府として16日中に北朝鮮側に対し、改めて閣僚級協議の開催を提案する考えを明らかにしました。
一方、韓国国防省は16日午前、「訓練を計画どおりに行うことに、米韓の間に意見の相違はない。訓練はパイロットの技量の向上を目的としたものだ」とする声明を発表しました。
そのうえで、今回の訓練に初めて投入されたアメリカ軍のステルス戦闘機F22について、別の共同訓練には以前にも参加したことがあるとして、特別なことではないと強調しました。
共同訓練「マックス・サンダー」
北朝鮮が反発している米韓の空軍を中心とした定例の共同訓練「マックス・サンダー」は、両軍の連携強化などを目的として2009年に始まったもので、ソウル近郊のオサン(烏山)や、韓国南西部のクンサン(群山)にある空軍基地を拠点に、戦闘機などが2つのチームに分かれ、仮想のシナリオに基づいて空中戦や爆撃の訓練を行っています。
今回は、今月11日から25日までの15日間の日程で実施されていて、初めて投入されたアメリカ軍のステルス戦闘機F22、8機を含む、米韓両軍の戦闘機や攻撃機などおよそ100機が参加しています。
韓国メディアは、今回の訓練に、核兵器の搭載が可能なアメリカ軍のB52戦略爆撃機も加わる予定だと伝えていましたが、韓国軍の関係者によりますと、「予定はあったものの、参加していない」ということです。
この訓練は例年、米韓合同軍事演習に合わせて行われますが、ことしは時期をずらして、演習が今月4日に終了したあとに実施されていて、韓国国内では、先月の南北首脳会談や、来月開かれる史上初の米朝首脳会談に配慮して日程が調整されたという見方が出ています。
官房副長官「米朝首脳会談の準備進める」
西村官房副長官は午前の記者会見で、「米韓合同軍事演習は、日米共同の訓練および日米韓3か国の安全保障・防衛協力とならぶ、重要な抑止力の柱であると考えている。今後の北朝鮮の行動を予断することは差し控えたいが、わが国としては、歴史的な米朝首脳会談が北朝鮮をめぐる諸懸案の包括的な解決に向けて前進する機会となるよう、アメリカとともに準備を進めている」と述べました。
情報源:北朝鮮「一方的に核放棄強要なら米朝首脳会談再考」米をけん制 | NHKニュース
へぇ・・・