猿が撮影した写真の著作権侵害をめぐる裁判、原告と被告が共同提出した訴え取下の申立を米控訴裁判所が却下 | スラド Linux

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headless曰く、

米連邦巡回区第9控訴裁判所は13日、野生のクロザルが撮影した写真の著作権侵害をめぐり争われている裁判について、和解に達したとして原告・被告が共同提出していた訴え取下および一審判決取消の申立を却下した(The Verge裁判所文書PDF)。

問題の写真は2011年ごろ、英国の野生動植物写真家David Slater氏がインドネシア・スラウェシ島で撮影中、カメラを奪ったクロザルが撮影したもの。クロザルのセルフィーを含む一連の写真は、絶滅危惧種に指定されている野生のクロザルを至近距離で撮影した貴重な写真だ。米国では著作権が認められていないが、英国ではSlater氏の会社Wildlife Personalitiesが著作権を登録したとして、Slater氏を著作者とする写真集などを販売している。

これに対し動物愛護団体PETAは2015年、Slater氏や写真集の出版社などが写真を撮影したオスのクロザル「Naruto」の著作権を侵害したとして、原告Narutoの代理として米国で訴訟を提起する。連邦地裁ではクロザルが著作権を持つとの主張を却下し、Slater氏側の棄却申立を認めたため、PETAが控訴裁判所に上訴していた。

しかし、口頭弁論から2か月ほど経った昨年9月11日、双方が和解に達したことを共同発表する。同日、共同で訴えの取下および一審判決取消の申立(PDF)が行われ、本件は終結するとみられていた。和解内容はSlater氏がクロザルの撮影した写真から得た総収入の25%をインドネシアでNarutoを含むクロザルの保護に努める慈善団体へ寄付するというもの。なお、Slater氏は写真を撮影したのはNarutoではなく、メスのクロザル「Ella」だと主張しており、現在もSlater氏のWebサイトにはEllaと記載されている。

控訴裁判所では、取り下げの申立を必ずしも認める必要はなく、状況によっては望ましくないことであると述べ、いくつもの判例を挙げて今回の申立を却下した。PETAはSlater氏側と和解合意に達したと主張しているが、Naruto自身が合意していないため、本件に関する別の訴訟が新たに提起される可能性がある、というのが却下の理由となっている。

情報源:猿が撮影した写真の著作権侵害をめぐる裁判、原告と被告が共同提出した訴え取下の申立を米控訴裁判所が却下 | スラド Linux


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