ふむ・・・
愛媛県が今月10日に作成を認めた文書と13日に農林水産省が公表した文書を見比べると、当時、内閣府で地方創生推進室次長だった経済産業省の藤原豊審議官と当時の総理大臣秘書官だった柳瀬唯夫経済産業審議官の主な発言を記した部分は、2か所細かい言い回しが違う以外、同じ内容が記載されています。
異なっているのは文書1枚目に記された日付です。愛媛県のものが4月13日で、農林水産省のものは4月3日となっています。これは県の職員らが官邸を訪問した翌日です。
さらに、2人の主な発言のあとに、県の方針が書かれた部分に違いがあります。愛媛県のものは「県としては今治市や加計学園と十分協議を行い、内閣府とも相談しながら、国家戦略特区の申請に向けた準備を進めることとしたい。また、これと併行して、加計学園が想定する事業費や地元自治体への支援要請額を見極めるとともに、今治新都市への中核施設整備の経緯も踏まえながら、経費負担のあり方について十分に検討を行うこととしたい」と記されています。
一方、農林水産省のものは「県としては国家戦略特区申請のための提案書(案)について、今治市の意向を踏まえて、加計学園とも協議をしながら、連携して策定を進め、内閣府と相談させていただきたい」となっていて、文章の表現が少し異なるほか、県の経費負担には言及していません。
このように2つの文書は細部で異なる箇所がありますが、内容は同じものとなっています。
農水省が公開した文書 主な内容
13日に農林水産省が公表した愛媛県が作成した文書には「平成27年4月3日」という日付が書かれ、表題は『獣医師養成系大学の設置に係る内閣府の藤原次長と柳瀬首相秘書官との面談結果について』となっています。
県と今治市の担当課長と加計学園の事務局長らが平成27年4月2日の午前11時半に内閣府を訪問し、当時、地方創生推進室次長だった経済産業省の藤原豊審議官と面談した、と記載されています。
『藤原次長の主な発言』とタイトルが書かれ、その発言が10の項目に分けて記載されています。
まず、「要請の内容は総理官邸から聞いており、県・今治市がこれまで構造改革特区申請をされてきたことも承知。政府としてきちんと対応していかなければならないと考えており、県・市・学園と国が知恵を出し合って進めていきたい」と発言したと記されています。
続いて、「そのため、これまでの事務的な構造改革特区とは異なり、国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい。国家戦略特区は、自治体等から全国レベルの制度改革提案を受けて国が地域を指定するものであるが、風穴を開けた自治体が有利。仮にその指定を受けられなくても構造改革特区などの別の規制緩和により、要望を実現可能」と述べたとしています。
さらに、「今年度から構造改革特区と国家戦略特区を一体的に取り扱うこととし、年2回の募集を予定しており、遅くとも5月の連休明けには1回目の募集を開始」と今後のスケジュールについて説明したとしています。
そのうえで、「ついては、ポイントを絞ってインパクトのある形で、2、3枚程度の提案書案を作成いただき、早い段階で相談されたい」「提案内容は、獣医大学だけでいくか、関連分野を含めるかは、県・市の判断によるが、幅広いほうが熱意を感じる」「獣医師会等と真っ向勝負にならないよう、既存の獣医学部と異なる特徴、例えば、公務員獣医師や産業獣医師の養成などのカリキュラムの工夫や、養殖魚病対応に加え、ペット獣医師を増やさないような卒後の見通しなどもしっかり書き込んでほしい」とアドバイスを受けたように記されています。
そして、「かなりチャンスがあると思っていただいてよい」「新潟市の国家戦略特区の獣医学部の現状は、トーンが少し下がってきており具体性に欠けていると感じている」と発言したとしています。
「愛媛県庁職員が持ってきたのではないか」
磯崎陽輔農林水産副大臣は、衆議院の文部科学委員会で「文書を受けたであろうと思われる担当者も、『全く記憶に無い』と言っているわけで、誰が持ってきたかよく分からない。外形上は愛媛県の文書のように思うので、愛媛県庁職員が持ってきたのではないかと推定はできる」と述べました。
そのうえで、愛媛県に対し、文書をどの係に渡したのかなどを確認しないのかと問われ「愛媛県のほうには確認してみたいと思う」と述べました。
情報源:加計問題 愛媛県文書と農水省文書 内容は同じもの | NHKニュース
はぁ・・・