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ヨーロッパ中部のハンガリーで議会選挙が行われ、「反難民・移民」を掲げEU=ヨーロッパ連合にも反発してきたオルバン首相の与党が、改選前を上回る議席を獲得して圧勝し、オルバン首相は今後一層強権的な姿勢を強め、EUへの批判も先鋭化させるものと見られます。
ハンガリーの議会選挙は8日、投開票が行われ、選挙管理委員会によりますと、開票はほぼ終わり、オルバン首相が率いる右派の与党「フィデス」が改選前を上回る議会の3分の2にあたる133議席を獲得する見通しとなりました。
オルバン首相は支持者を前に、「われわれは歴史的な勝利を収めた。祖国を守る闘いはさらに続く」と述べ、勝利を宣言しました。
ハンガリーでは3年前に中東などから40万人以上の難民や移民が押し寄せましたが、オルバン首相は国境沿いにフェンスを設け、EUが定めた難民の受け入れ政策にも反対して、選挙でもこうした主張が国民の幅広い支持を集めた形です。
一方、オルバン首相が政権に批判的な大学やメディアに圧力をかけるなど強権的な姿勢を強めていることに若い世代を中心に反発が広がっていましたが、選挙制度が与党に有利に改められたこともあって、野党は議席を増やすことができませんでした。
選挙結果を受けて、オルバン首相は一層強権的な姿勢を強め、EUへの批判も先鋭化させるものとみられ、ヨーロッパの中部や東部で進む右傾化や排外的な動きを勢いづけることが予想されます。
中東欧に広がる反難民の動き
2015年に内戦が続くシリアなど中東やアフリカからヨーロッパを目指す難民や移民が急速に増えて以降、ヨーロッパの中部や東部の国々では、難民や移民の受け入れに厳しい姿勢をとり、EU=ヨーロッパ連合の難民政策にも反対する動きが広がっています。
このうち、ハンガリーでは、オルバン政権が隣国との国境沿いに電流が流れるフェンスを設置して難民の受け入れに抵抗し、今回の選挙期間中も、難民や移民について「さびのようなものでゆっくりと着実にハンガリーを食い尽くす」などと国民の不安や警戒心に訴え、支持を広げてきました。
また、ポーランドやチェコ、スロバキアの政権も、難民や移民の受け入れに反発し、EUが難民などの到着が相次いだイタリアやギリシャの負担を軽減するため加盟国に難民の受け入れ人数を割り当てる措置をとったことに強く反対してきました。
このほか、オーストリアでも、去年12月に極右政党も参加する連立政権が発足し、クルツ首相がことしに入ってEUの難民政策への批判に転じました。
このうち、ハンガリー、ポーランド、チェコについて、EUの執行機関にあたるヨーロッパ委員会は、EUが決めた難民の受け入れ政策を拒否しているとして、EU司法裁判所に提訴することを決めています。
選挙制度見直しで与党有利に
オルバン首相が率いる与党「フィデス」は、憲法の改正が可能な議会の3分の2を超す議席を獲得した2010年以降、多くの選挙制度を見直してきました。
ハンガリーの議会は、オルバン政権になって、定数が以前の半分近い199議席にまで削減され、106の小選挙区と93の比例代表の並立制で争われます。
このうち小選挙区では、選挙区の区割りを見直し、それによって「フィデス」の候補が勝利しやすくなったと指摘されています。
また、小選挙区で当選した候補の得票数から次点の候補の得票数を引いた票数が、比例代表で当選候補者の政党に上積みされる仕組みに変え、これも与党に有利に働いたとされています。
さらに、政党が比例代表に届け出る要件を緩和したことで、今回は8年前のおよそ4倍に上る23の政党が乱立することになりましたが、得票率が5%に満たない政党には議席が配分されないことから、上位の政党の獲得議席が増える傾向にあります。
オルバン首相 右傾化の象徴的存在
ハンガリーの首相を務めるヴィクトル・オルバン氏は、1963年5月31日生まれの54歳。1988年に政党「フィデス」を設立してのちに党首に就任し、1998年、35歳の若さでハンガリーの首相に就任しました。
最初の任期では、EU=ヨーロッパ連合やNATO=北大西洋条約機構への加盟に向けた交渉を推し進めるなど、国際社会との協調を重視する政策をとりました。しかし、2002年の議会選挙で敗北し野党になったのをきっかけに、国益を第一に掲げる政策に転じ、2008年の金融危機以降は当時の政権への不満の受け皿となって、2010年の議会選挙で再び首相に返り咲きました。
フィデスが議会で3分の2の議席を獲得したことで、オルバン首相は憲法や法令を次々と改正して司法や行政の要職を与党が独占できるようにし、権力を集中させます。また、政権に批判的なメディアに対する統制も強め、一部を廃業に追い込んだほか、大学やNGOに対しても法令を改正するなどして圧力をかけるなど、強権的な姿勢を強めてきました。
3年前に中東などから40万人を超える難民・移民がハンガリーに押し寄せると、国境沿いにフェンスを設けて難民の受け入れに抵抗し、EUが定めた難民受け入れ枠にも反対してきました。今回の選挙でも難民や移民に対する国民の不安や警戒心に訴えるキャンペーンを展開し、幅広い支持を集めました。
オルバン首相はヨーロッパの中部や東部で進む右傾化や排外的な動きを象徴する存在とされ、ドイツやフランスなど大国主導で進むEUの合意形成にもしばしば異議を唱えてきました。
情報源:ハンガリー議会選 「反難民・移民」の与党が圧勝 | NHKニュース
ハンガリーで8日、総選挙が行われ、オルバン・ビクトル首相(54)率いる与党の右派フィデス・ハンガリー市民連盟が圧勝する見通しとなった。これにより、オルバン首相は3期目が確実となった。
ハンガリーの国家選挙管理委員会によると、開票率93%の時点で、フィデスは過半数近くの議席を獲得した。最終的には、法案可決に必要な3分の2の議席を占める見通しだ。
オルバン首相は欧州連合(EU)に懐疑的で、かねて反移民政策を敷いてきた。8日夜の演説で同首相は、この勝利がハンガリー国民に「自分自身とハンガリーという国を守る機会を与えた」と話した。
選挙結果
投票は現地時間の午後7時に締め切られたものの、いくつかの投票所では長い行列のため、投票が延長された。投票率は69%と史上最高水準で、これがオルバン首相に不利になるとの見方もあった。
しかし第2党となった極右ヨッビクの得票率は20%、第3党の社会党は12%にとどまった。左派の新しい政治の形は7%だった。
これを受け、ヨッビクのボナ・ガーボル党首は辞任を表明。「選挙での勝利と政府を変えるというヨッビクの目標は達成されなかった。フィデスが勝った。またしても勝ったのだ」とコメントした。
社会党のモルナール・ジュラ党首も「我々には結果への責任があり、有権者の決定を尊重する」と述べ、辞任した。
オルバン首相の政策とは
今回の総選挙の焦点は移民だった。オルバン首相は、イスラム教徒の移民流入を食い止めるために国境管理を行うことを約束していた。
同首相は対立候補との公共の場での討論や独立系メディアへの出演を拒み、代わりに支持者を集めた大会でキャンペーンを展開。主張は「移民阻止」に絞られた。
6日のキャンペーンでは「移民はハンガリーをゆっくりと、しかし確実にむしばむ、さびのようなものだ」と話した。
2015年の欧州難民危機の際、オルバン政権はセルビアおよびクロアチアとの国境にフェンスを建設している。
同首相はEU懐疑派で、EUのさらなる統合に反対している。EUが策定した難民割当プログラムへの参加も拒否し、ウラジーミル・プーチン露大統領を称賛している。
フランスの極右政党・国民戦線のマリーヌ・ル・ペン党首はオルバン氏の勝利を祝福し、「EUが推進する大量移民がまたしても拒絶された」と述べた。
オルバン首相はこのほか、所得税の減税や、経済成長政策の推進を公約に掲げている。オルバン政権は力強い経済成長の陣頭指揮を執ってきており、同首相はこの成長が野党によって脅かされる可能性があるとしてきた。
<分析>農村部での票は確保、若年層の票は減少――ニック・ソープBBCブダペスト特派員
フィデスはまたしても、ハンガリー中をオレンジ(党の色)に染めた。議会199議席のうち、法案可決に必要な3分の2に当たる133議席を獲得しする見込みだ。フィデスは前回(2014年)と前々回(2010年)にも、議席の3分の2を占めた。
オルバン首相率いる同党は農村部の選挙区や町の大方で勝利した一方、首都ブダペストでは野党がほとんどの議席を得た。
欧州中のナショナリスト政党がオルバン首相の勝利を受け入れており、同首相の欧州レベルでの正当性は強められたといえる。
フィデス反対派にとって安心材料はたった2つだ。1つは、首都ブダペストのほとんどの選挙区で野党側の候補が勝利したこと。もう1つは、フィデスが若年層票の大半を失ったことだ。フィデスはこの問題に対処するため、次期政権により若い閣僚を投入するとみられている。
人権保護や反汚職を訴える市民グループや、政府に批判的なメディアにとって、今回の選挙結果はさらなるやっかいな事態を招くだろう。3月15日のハンガリー革命記念日、オルバン首相は野党側と「倫理的、政治的、そして合法的」に「過去を清算する」ことを約束している。
情報源:ハンガリー総選挙 反移民のオルバン首相が3期目へ(BBC News) – Yahoo!ニュース
情報源:ハンガリー総選挙 反移民のオルバン首相が3期目へ – BBCニュース
東欧のハンガリーで8日、総選挙が行われ、オルバン首相率いる与党「フィデス・ハンガリー市民連盟」が、前回に続いて圧勝した。「反移民」を強調して欧州連合(EU)や国連を批判する選挙戦を展開したフィデスが権力基盤を固め、EUにとっては懸念を深める結果になった。
開票率95%の段階の選管発表によると、国会(一院制、定数199)でフィデスと連立相手のキリスト教民主国民党の議席数は計133となって3分の2を超え、前回と同水準となった。オルバン政権は幅広い人気を維持して2010年から連続3期目に入る。
オルバン氏は、15年に中東などから大勢が難民申請を希望して欧州に来て以降、「国を乗っ取られる」といった言動で排外的な姿勢を強め、キリスト教文化を守ろうと呼びかけた。こうした姿勢が支持されるとともに、EU補助金の活用などによる順調な経済成長も追い風となった。オルバン氏は勝利宣言で「我々は国を守ることができるようになった」と述べた。
オルバン氏は選挙戦で、EUや国連がハンガリーに難民受け入れを迫っていると訴え、その裏にハンガリー出身の米投資家ジョージ・ソロス氏がいると主張。野党を「ソロスの候補」と呼んで批判した。最終盤では、EUによる難民の割り当て拒否で歩調をそろえるポーランドから政権の実力者で与党党首のカチンスキ氏を招いた。法の支配や人権などの点でEUから問題視される政権同士で、連携をアピールした。
野党は、かつての極右から中道寄りになった「ヨッビク」と社会党を中心に、「反オルバン」の姿勢をとったが、浸透しなかった。(ブダペスト=吉武祐)
情報源:ハンガリー総選挙、与党が圧勝 反移民、反EU訴え支持(朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュース
情報源:ハンガリー総選挙、与党が圧勝 反移民、反EU訴え支持:朝日新聞デジタル
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