木村一基九段
2023/10/12 05:00
将棋第71期王座戦五番勝負第4局(11日、京都市「ウェスティン都ホテル京都」 主催・日本経済新聞社、日本将棋連盟)歴史的快挙を受け、藤井聡太八冠と2020年の王位戦で対局した木村一基九段(50)がサンケイスポーツの取材に応じ「死角がない」と驚嘆。「藤井一強時代が年単位で続く可能性がある」との見通しを示した。
木村九段は「取ってもおかしくないと誰もが思っていた。着実にタイトルを増やしていたので意外な結果ではないです」と〝時間の問題〟だったと強調した。
藤井八冠とは、挑戦者として迎えた2020年の王位戦で対局。当時を「今より感想戦の声が小さかった」と懐かしみつつ、いまは「より負かしにくい存在になった」と力を込める。
その強さについては、「いろいろな相手から練った作戦をぶつけられても動じずに指している。〝変化球〟に対応する力が半端なものではない。死角がないし、弱点がないですね」と分析。
将棋界の全冠制覇は升田幸三実力制第四代名人、大山康晴十五世名人、日本将棋連盟会長の羽生善治九段(53)に続き4人目。しかも藤井八冠はタイトル戦無敗、番勝負では連敗知らずで「今までの大棋士と比べても驚異的だなと思います」と舌を巻く。
1996年の羽生九段の全冠制覇時代を知る木村九段は、2人の共通点に敗勢での立ち回りを挙げ、「負けそうなところでも最後まで良い勝負にする順を追究する。局面を難しくして相手をくたびれさせます」と解説。
藤井一強時代は「年単位で続く可能性がある」。今後は過去のタイトル戦で戦った渡辺明九段(39)、豊島将之九段(33)、永瀬前王座らが再びタイトル奪取を目指して挑んでくると見る一方で、AI将棋の研究が進んでいることから「藤井さんよりももっと年下から急に(ライバルが)出てくる可能性もある。AIソフトだけで強くなった人が出てきたら興味深いですね」と想像した。
情報源:木村一基九段が分析「藤井一強時代が年単位で続く可能性がある」 いろいろな相手から練った作戦ぶつけられ変化球に対応…死角なし/将棋 – サンスポ
10月11日(水)に京都府京都市「ウェスティン都ホテル京都」で行われた、第71期王座戦五番勝負第4局で藤井聡太竜王・名人(21)が永瀬拓矢王座(31)に勝ち、3勝1敗で王座を奪取しました。これにより羽生善治九段(53)の保持していた王座の最年少記録(21歳11カ月)を31年0カ月ぶりに更新しました。
また、同時に藤井は21歳2カ月で史上初となる八冠を達成しました。記録については下記をご覧ください。八冠達成者
棋士名 獲得タイトル名(左から獲得順) 生年
月日八冠
達成日八冠
達成時
の年齢八冠目の
タイトル
と最終局藤井聡太
(現役)棋
聖王
位叡
王竜
王王
将棋
王名
人王
座2002年
7月19日2023年
10月11日21歳
2カ月第71期王座
第4局2023年10月11日現在
- 【羽生善治日本将棋連盟会長のコメント】
- 八冠達成、誠におめでとうございます。 継続した努力、卓越したセンス、モチーベーション、体力、時の運、すべてが合致した前人未到の金字塔だと思います。 今後も将棋の更なる高みを目指して前進を続けられる事を期待します。
- 【杉本昌隆八段のコメント】
- 王座獲得、そして史上初となる八冠達成本当におめでとう。どんなに険しい道でも臆せず挑戦し、考え抜いた末に最後は必ず正解にたどり着く。 それは、私たちが持っている「人間力」を大事にして、その能力を十全に発揮したからでしょう。全冠制覇も藤井八冠にとってはゴールではありません。 これからも自分の信じる道を突き進んでください。期待しています。
全冠独占達成者一覧表
冠数 獲得タイトル名(左から獲得順) 達成年月日 達成者 八冠 棋聖 王位 叡王 竜王 王将 棋王 名人 王座 2023年10月11日 藤井聡太 七冠 棋王 王座 棋聖 王位 名人 竜王 王将 1996年2月14日 羽生善治 五冠 王将 名人 王位 十段 棋聖 1963年2月2日 大山康晴 四冠 王将 九段 名人 王位 1960年9月20日 大山康晴 三冠 王将 九段 名人 1959年6月12日 大山康晴 三冠 王将 九段 名人 1957年7月11日 升田幸三 ※タイトル名は獲得順
※九段、十段は竜王の前身
情報源:藤井聡太、史上最年少で王座奪取と八冠達成!|将棋ニュース|日本将棋連盟
五番勝負
あ
▲永瀬拓矢王座-△藤井聡太竜王・名人(棋譜中継)
☖5六歩の局面で永瀬が投了を告げた。 以下は☗同金☖同銀☗同玉☖5五金☗4七玉☖4六金打☗同桂☖同金☗3八玉☖5八竜☗2九玉☖2八竜までの詰み。 終局時刻は20時59分。消費時間は☗永瀬5時間0分、☖藤井5時間0分(チェスクロック使用)。 この結果、五番勝負は藤井が3勝1敗で王座のタイトルを奪取。将棋界史上初、八大タイトルをすべて持つ「八冠」が誕生した。 【藤井聡太八冠が誕生】 https://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2023/10/post-e69e.html 【終局直後】 https://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2023/10/post-bb10.html 【大盤解説会場で挨拶】 https://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2023/10/post-7e6b.html
20時59分 終局
138手 5六歩まで、△藤井聡竜王・名人 の勝ち
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年内は、あとは竜王の防衛ができるかどうか。
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