記者会見
2023/08/05 07:26
将棋の藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、21)が8月4日、王座戦挑戦者決定トーナメント決勝で豊島将之九段(33)に勝利し、永瀬拓矢王座(30)への挑戦権を獲得した。31日に神奈川・秦野市で開幕する五番勝負は、藤井竜王・名人にとっては“全八冠独占”にも挑戦することになる注目のシリーズとなる。記者会見では「こちらが挑戦者として対戦できるのは楽しみですし、全力を尽くして良いシリーズにできればという気持ちが強いです」と語り、初挑戦となる王座戦への意気込みを語った。会見の内容は以下の通り。
――今日の一局を振り返って
仕掛けのあたりで失敗してしまって、そこからは基本的に苦しい局面が多かったかなと思います。終盤になってからはかなりお互い玉形が乱れて、適切な判断ができない局面が多く、そのあたりでミスが出てしまったとところがあったのかなと思っています。終盤は非常に難しい局面が多くて、ミスもありましたがそういう難しい局面を考えることが出来たという点では充実感のある将棋だったかなと思っています。
――今期の王座戦トーナメントを振り返って
2回戦の村田顕弘六段との一局は終盤ははっきり負けの局面がありましたし、本局も途中いくつかはっきり苦しい局面があったと思うので、内容的にはそれほどこれまでと比べて良くなったと言い難いところもあるかなと思っていますが、全体として時間がなくなってから勝負強く指すことができたのは少しこれまでより良かったかなと思っています。
――タイトル戦と並行してのトーナメントだったが、体力的な負担や課題は?
王座戦はチェスクロックの5時間という持ち時間で、本局もそうなんですが、どうしても序盤で時間を使ってしまって中終盤で残り時間が切迫してしまうという展開が多くあったので、そのあたりの時間配分が課題なのかなと思いますし、五番勝負が始まるまでにどうすれば良くできるか考えたいと思います。
――普段から練習将棋を指す仲の永瀬王座との五番勝負。意識するところは?
永瀬王座には私が四段の頃から将棋を教えて頂いていて、自分を引き上げて頂いた方だと思っているので、今回タイトル戦の舞台で対戦できるのをとても楽しみに思っています。一方で、普段から指しているので手の内を知られてしまっているというところもあるので、五番勝負に向けてさらに工夫が必要なのかなと思っています。
――前年度の棋聖戦五番勝負でも対戦。練習とタイトル戦で指す際の違い感じることは?
昨年の棋聖戦では永瀬王座の方から序盤から工夫を出される展開が多かったので、今度はこちらからも工夫を出していくようなシリーズにできればと思っています。
――村田六段との対戦は「村田システム」という戦型を相手にした。本局も豊島九段が類型を指したが、印象は?
村田六段との一局も本局も、指されてみるとこちらがどう対応するのがいいか難しいなと感じましたし、有力な指し方なのかなと思ってます。定跡を外れた展開の時にどう対応するかというのは難しいところがあり、まだまだその点において自分の力が足りないのかなと感じたところもありました。
――豊島九段はトーナメント初戦で振り飛車を採用。本局でも可能性は警戒した?
基本的には相居飛車をメインに想定しましたが、もちろん振り飛車も指される可能性もあるのかなと思っていました。
――永瀬王座との練習将棋の現在は?
永瀬王座とは先月までこれまで通り指していただいていたんですけど、今回も、前回の棋聖戦の時と同様に一旦休止して、またシリーズ後にお願いする形にきればなと考えています。
――永瀬王座から影響を受けた部分と、その相手と“八冠”をかけて戦うことについて
永瀬王座は特に受けの技術が高いものを持たれているので、練習将棋を指して頂く中で少し吸収できたかなと思います。練習将棋でも一局ごとに作戦を考えてこられて、公式戦と同じように指されているという姿勢を直に感じることができたことも自分にとってプラスだったと感じています。八冠が懸かるということ自体をそれほど意識することはないですが、昨年の棋聖戦はこちらの防衛戦という形だったので、今回はこちらが挑戦者として対戦できるのは楽しみですし、全力を尽くして良いシリーズにできればという気持ちが強いです。
――苦しい局面の時に負けることや八冠挑戦が持ち越されることなどを考えることはあったか?
本局の終盤はずっと時間がない中で指していて、余裕のない状況だったのでそういったことを意識することはなかったですが、終盤はずっと局面の急所を掴めないまま指していた感じがあったので、その点は課題が残ったかなと思っていますが、全体として集中して指すことができたかなと思っています。
<第71期王座戦五番勝負スケジュール>
第1局 8月31日(木)神奈川県秦野市「元湯 陣屋」
第2局 9月12日(火)兵庫県神戸市「ホテルオークラ神戸」
第3局 9月27日(水)愛知県名古屋市「名古屋マリオットアソシアホテル」
第4局 10月11日(水)京都府京都市「ウェスティン都ホテル京都」
第5局 10月30日(月)山梨県甲府市「常磐ホテル」(ABEMA/将棋チャンネルより)
情報源:藤井聡太竜王・名人「全力を尽くして良いシリーズに」 全冠制覇かけ永瀬拓矢王座へ挑戦/将棋・王座戦挑決T決勝 | ニュース | ABEMA TIMES | アベマタイムズ
第71期王座戦挑戦者決定戦 藤井聡太竜王・名人VS豊島将之九段の対局が8月4日(金)に行われ、藤井竜王・名人が159手で豊島九段に勝ち、挑戦権を獲得しました。
藤井竜王・名人は初の王座挑戦です。
永瀬拓矢王座との五番勝負、第1局は8月31日に神奈川県秦野市「元湯陣屋」で行われます。
情報源:藤井聡太竜王・名人VS豊島将之九段 第71期王座戦挑戦者決定戦 藤井聡太竜王・名人の勝利|棋戦トピックス|日本将棋連盟
挑戦者決定トーナメント
五番勝負の日程
▲藤井聡太竜王・名人-△豊島将之九段
自陣に利かせながら王手。 豊島は頭に手をやる。やがて投了を告げた。以下、☖8四玉は☗8五香☖9三玉に☗4二とで後手玉は一手一手の寄り。7五に金や銀を打つのも☗7五同桂が☗8三桂成以下の詰めろ。一方、先手玉に詰みはない。 終局時刻は21時15分。消費時間は両者5時間0分(チェスクロック使用)。勝った藤井は五番勝負登場を決め、八冠へその歩みを進めた。五番勝負は8月31日(木)に神奈川県秦野市「元湯 陣屋」で開幕となる。五番勝負の日程は以下の通りだ。 第1局 8/31(木)神奈川県秦野市「元湯 陣屋」 第2局 9/12(火)兵庫県神戸市「ホテルオークラ神戸」 第3局 9/27(水)愛知県名古屋市「名古屋マリオットアソシアホテル」 第4局 10/11(水)京都府京都市「ウェスティン都ホテル京都」 第5局 10/30(月)山梨県甲府市「常磐ホテル」 【藤井聡竜王・名人が挑戦者に】 https://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2023/08/post-1a1e.html 【終局直後】 https://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2023/08/post-bb10.html 【感想戦】 https://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2023/08/post-10da.html 【第71期王座戦第1局 日本経済新聞本社(東京・大手町)大盤解説会】 https://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2023/08/71-d578.html 【記者会見】 https://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2023/08/post-1155.html ※局後の感想※ 感想戦は22時48分に終了。中盤以降を中心にじっくりと検討された。藤井は「序盤、組み上がりまでいくと手が詰まってしまった感じで、失敗でしたか。ただ、☖5一角のときに☗3六歩~☗3七桂とやっても攻めの形ができないので」と振り返ると、豊島は「分からなかったです」と返し、お開きとなった。
21時15分 終局
159手 4五龍まで、▲藤井聡竜王・名人 の勝ち
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8月31日開幕。
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