準決勝は藤井聡太竜王・名人 vs 羽生善治九段
2023/06/20 22:56
将棋の藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、20)が6月20日、王座戦挑戦者決定トーナメント2回戦で村田顕弘六段(36)に勝利し、4強入りを決めた。年度内での全八冠制覇に向けた重要な一局とあり大注目の中で行われた本局は、藤井竜王・名人が中盤以降劣勢に追い込まれる展開に。しかし藤井竜王・名人は、最終盤で繰り出した勝負手からあまりにも鮮烈な逆転劇を演じ、解説陣を「なんですか、これは…」と絶句させていた。
藤井竜王・名人がまたひとつ伝説級の一局を見せた。本局は、七冠保持者の最後の関門となる「王座」のタイトル挑戦を目指す挑戦者決定トーナメント。2回戦では、角道を開けずに相手の出方次第で自在に対応する“村田システム”を編み出した村田六段との対戦となった。振り駒の結果、村田六段の先手番となると、相掛かりの出だしから進化版の「新・村田システム」を若き絶対王者へぶつけてペースを握った。
「昼食休憩あたりはまずまずだと思っていた」と村田六段がじわりとリードを拡大。藤井竜王・名人の持ち時間を大量に削り取り、慎重に優勢を築いていった。藤井竜王・名人も「中盤からはっきり苦しくしてしまった」と劣勢を意識しながらの戦いながら、攻めの姿勢を貫き反撃への道筋を模索。詰将棋の名手でもある村田六段がこのまま押し切るかと思われた終盤で、ドラマが待ち受けていた。
寄せを目指した村田六段は最後の大長考で1時間7分を投入し、攻防に利きが通る角を着手。勝利まであと一歩と迫り、最後の持ち時間を投入した。しかし、先に一分将棋に突入していた藤井竜王・名人がただの地点に銀を進める勝負手を繰り出す。この一手に、ABEMAの中継に出演した千葉幸生七段(44)、本田小百合女流三段(44)は「なんですか、これは…」と絶句していた。さらに後手は香車で追撃。ここでABEMAの「SHOGI AI」は一気に藤井竜王・名人側へ傾いた。
「SHOGI AI」が描く評価値グラフは先手の村田六段の勝利に向かって右肩上がりの曲線を描いていたものの、後手に向かって一直線。視聴者からは「評価値おばけフォーク」「ナイアガラの滝w」「脳内どうなってるん!?」「バンジージャンプw」「一分将棋の神様」「終盤力えぐすぎる」「どうしてこうなった」と大興奮のコメントが殺到していた。藤井竜王・名人は、「終盤も苦しい局面が続いていて、最後の最後に勝ちになったのかなと思った」と大逆転から先手玉を詰みに討ち取り、勝利をもぎ取った。
プロをもってしても「芸術的な詰み」「すごいものを見た」と驚愕する藤井竜王・名人の終盤力。大熱戦を繰り広げた村田六段は「自分が全く見えていなかった手で“勝負勝負”と来られて、藤井七冠に勝つ大変さを思い知らされた」と振り返っていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
2023年6月20日22時18分
将棋の藤井聡太竜王(名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖=20)が全8冠制覇を目指す、第71期王座戦挑戦者決定トーナメント(挑決T)2回戦の村田顕弘六段(36)戦が20日、大阪市福島区の関西将棋会館で行われ、後手の藤井が土壇場で大逆転勝ちし、ベスト4に進出した。
8つあるタイトルのうち、7冠を保持する藤井にとって残すは王座のみ。あと2勝すれば、永瀬拓矢王座(30)への挑戦権を獲得する。藤井は28日、挑決準決勝で東京・千駄ケ谷「将棋会館」で羽生善治九段(52)と対戦する。
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一瞬の隙を逃さなかった。持ち時間5時間を使い切り、両者ともに1分将棋に突入する大激戦。藤井は76手目に相手に銀を差し出す勝負手を繰り出した。「ただ捨ての銀」。鬼気迫る勝負術が、相手の焦りを誘う。人工知能(AI)の形勢判断では一時、10%を下回る劣勢だったが、長手数の詰み筋を読み切って、鮮やかに逆転勝ちした。
終局後、藤井は「中盤から受けを受け止められる展開になってしまい、はっきり苦しくしてしまった。最後の最後に勝ちになった」と振り返った。
前人未到の全8冠制覇に向け、最後の1冠となる王座戦は、相掛かりの出だしから力戦形へ。村田が早い右銀を繰り出し、序盤まで角道を開けない「新・村田システム」に苦戦した。中盤は村田が一時、優勢を築いたが、反撃の道筋を探し続けた。
王座戦は“鬼門”だ。初参加となった18年度は挑決T準決勝まで進出したが、19年度は同1回戦で敗退。20年度は2次予選で姿を消し、21年度から2年連続で1回戦敗退している。1回負けたら終わりのトーナメント戦だけに、全8冠制覇への最難関とみられている。
負けられない防衛戦も続く。5日にベトナム・ダナンで開催された第94期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第1局で佐々木大地七段(28)に先勝し、23日には兵庫県・淡路島で第2局がある。7月からは佐々木を挑戦者に迎える王位戦7番勝負が開幕する。2つのタイトルを防衛し、9月に開幕予定の王座戦5番勝負を制すれば、史上初の全8冠制覇を達成する。
大記録には険しい道が続く。挑決T準決勝は3月12日に王将戦で初防衛をして以来、約3カ月ぶりに羽生と対戦する。新会長VS7冠。「羽生九段との対戦は楽しみ。いい内容にできるように、いい状態で臨みたい」。ハードスケジュールは続くが、8冠ロードを突き進む。【松浦隆司】
情報源:【王座戦挑決T】藤井竜王、土壇場勝負手「ただ捨ての銀」大逆転4強「羽生九段との対戦楽しみ」 – 社会 : 日刊スポーツ
2023年6月20日22時36分
将棋の藤井聡太竜王(名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖=20)が全8冠制覇を目指す、第71期王座戦挑戦者決定戦2回戦の村田顕弘六段(36)戦が20日、大阪市福島区の関西将棋会館で行われ、後手の藤井が土壇場で大逆転勝ちし、ベスト4に進出した。
王者を土壇場まで追い込んだ村田は大金星を逃した。
村田が独特の指し回しを見せた。早い右銀を繰り出し、序盤まで角道を開けない趣向を見せた。午前中から激しい戦いとなり、村田が的確に相手の隙を突き、優勢を築く。終盤も正確な指し回しで粘る藤井を振り切りにかかった。
終局後、村田は「終盤、ちょっと4六角(67手目)とかわしたところ大長考した。角をかわさずに勝とした。寄りそうで寄らなくて時間を使ってしまった。4六角を見つけて、局面は勝ちだったが、時間が切迫してしまった。4六角に気づくのが遅かった」と悔やんだ。
村田は富山県魚津市出身で、中田章道七段門下。99年(平11)にプロ棋士養成機関「奨励会」に入り、19年にプロデビューした。2011年の新人王戦ベスト8が最高成績。8大タイトル戦での本戦での勝利は、今期の王座戦挑決1回戦での木村一基九段戦が初勝利だった。実績では断然不利だったが、タイトル7冠を保持する王者を最後まで追い詰めた。
これで対藤井戦は4戦全敗となった。詰将棋作家としても知られ村田は「自分のまったく見えないところも見ておられて、勝負、勝負とこられて、藤井7冠に勝つ大変さを思い知らされた」と振り返った。【松浦隆司】
情報源:【王座戦挑決T】村田顕弘六段「藤井7冠に勝つ大変さ思い知らされた」王者追い込むも大金星逃す – 社会 : 日刊スポーツ
2023年6月20日21時29分
永瀬拓矢王座(30)への挑戦権を争う、将棋の第71期王座戦挑戦者決定トーナメント2回戦、羽生善治九段(52)対斎藤明日斗五段(24)戦が20日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。対局は、後手の羽生が相掛かりの攻め合いから抜け出し、1次予選から勝ち上がってきた斎藤を下した。貫禄を見せつけ、2019年の第67期以来のベスト4を決めた。
「序盤から乱戦になってよく分かりませんでした。難しいし、ちょっと足りないと思っていました」と振り返った。終盤、最善の攻めで勝利をつかんだ。
これで9日の日本将棋連盟会長就任以来、2連勝。就任初戦となった順位戦B級1組1回戦(15日、大阪市「関西将棋会館」)の大橋貴洸七段(30)に続き、この日の斎藤と若手をたて続けに撃破した。
大橋戦の後、「上に携わる時間と、対局している時間は随分違うなと思いました。双方のバランスがこれからの課題」と話した。会長との「二刀流」は今のところ、うまくいっている。
現在、タイトル獲得通算99期。今年1~3月の王将戦で藤井聡太王将(竜王・名人・王位・叡王・棋王・棋聖=20)に挑戦して100期を目指したが、2勝4敗で敗れた。5月には王位戦で挑戦者決定戦まで勝ち進むも、佐々木大地七段(28)に敗れ、藤井との頂上再対決は実現しなかった。それでもタイトル挑戦は手の届く位置にある。
王座は92年に初めて獲得すると、そこから19連覇を果たした。12年に復位するとさらに5連覇。計24期獲得は、竜王7、名人9、王位18、棋王13、王将12、棋聖16期に比べ、最も多い。
もう一方の準決勝では藤井が勝ち上がってきた。28日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で対局する。「王座戦では初めて。もう日程も近いですし、せっかくの藤井さんとの対局ですので、コンディションを整えていい状態で対局を迎えられたらと思います」。
王将戦以来の対局で、今回は一発勝負。「8冠ロード」を進む藤井を阻んで、タイトル獲得100期へと近づきたい。永瀬王座への挑戦権獲得まで、あと2勝だ。
情報源:【王座戦挑決T】羽生善治九段が19年以来の4強 将棋連盟会長就任後2連勝「バランスが課題」 – 社会 : 日刊スポーツ
第71期王座戦挑戦者決定トーナメント 藤井聡太竜王・名人VS村田顕弘六段の対局が6月20日(火)に行われ、藤井竜王・名人が94手で村田六段に勝ち、準決勝に進出しました。
情報源:藤井聡太竜王・名人VS村田顕弘六段 第71期王座戦挑戦者決定トーナメント 藤井聡太竜王・名人の勝利|棋戦トピックス|日本将棋連盟
第71期王座戦挑戦者決定トーナメント 羽生善治九段VS斎藤明日斗五段の対局が6月20日(火)に行われ、羽生九段が88手で斎藤五段に勝ち、準決勝に進出しました。
情報源:羽生善治九段VS斎藤明日斗五段 第71期王座戦挑戦者決定トーナメント 羽生善治九段の勝利|棋戦トピックス|日本将棋連盟
挑戦者決定トーナメント
村)村田六段のこの言葉が全てを物語っています→「とにかく、自分がまったく見えてなかった手を指されて……」「毎度ながら、藤井七冠に勝つ大変さを思い知らされました」
藤井聡太名人、大逆転勝利で王座挑戦にあと2勝 次戦は羽生善治九段:朝日新聞デジタル https://t.co/iBYiV0hd61— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) June 20, 2023
▲村田顕弘六段-△藤井聡太竜王・名人
藤井将棋、恐るべし。金打ちを見て村田が投了を告げた。以下、☗5七同角☖同桂成☗6九玉☖7七桂☗7九玉☖7八歩☗同玉☖8七銀成☗7九玉☖8八成銀までの詰み。終局時刻は21時37分。消費時間は、☗村田5時間0分、☖藤井5時間0分(チェスクロック使用)。藤井が一瞬のチャンスをつかんで、逆転に成功した。勝った藤井は、次戦で羽生九段と斎藤明五段の一戦の勝者と対戦する。 ※局後の感想※ 村田は「☗4六角(67手目)にたどり着くまでに、時間を使い過ぎました」と締めくくり、感想戦は22時15分頃に終了した。
21時37分 終局
94手 5七金まで、△藤井聡竜王・名人 の勝ち
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▲斎藤明日斗五段-△羽生善治九段
腕組みをする斎藤。視線は盤上には向いていない。羽生は集中した様子で、軽く前後に揺れながら読みを入れている。 ここで斎藤は持ち時間を使いきり、秒読みに入った。 時間ぎりぎりまで秒を読まれたところで、斎藤は次の手を指さずに投了した。終局時刻は20時51分。消費時間は☗斎藤5時間0分、☖羽生4時間29分(チェスクロック使用)。勝った羽生は、ベスト4進出を決めた。準決勝では、藤井聡太竜王・名人-村田顕弘六段戦の勝者と対戦する。 ※局後の感想※ 79手目の☗6九金がまずく、代えて☗7八香なら、まだまだ勝敗の帰趨は分からなかった。斎藤は64手目の☖8九飛が見えていなかったことで、形勢を悲観してしまっていたようだ。感想戦は1時間ほど行われ、21時54分に終了した。
20時51分 終局
88手 7八同と まで、△羽生九段 の勝ち
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藤井聡太竜王・名人は、久々のベスト4
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