記者会見
2023/05/18 22:20
将棋の伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦挑戦者決定戦が5月18日に行われ、佐々木大地七段(27)が羽生善治九段(52)に117手で勝利した。この結果佐々木七段は、若き絶対王者・藤井聡太王位(竜王、叡王、棋王、王将、棋聖、20)が待ち受ける七番勝負へ初挑戦。ヒューリック杯棋聖戦五番勝負に続き、夏季に開催される2つのタイトルに同時挑戦することが決まった。王位は、師匠の深浦康市九段(51)が3連覇を達成したタイトル。終局後の会見では「師匠も獲っているタイトルですし、自分としても気持ちの入る棋戦」と語った。質疑応答の主な内容は下記の通り。
【映像】佐々木七段が藤井王位への挑戦を決めた一局
――本局を振り返って
「序盤から難解な将棋で、先手番ながら攻め込まれてしまったあたりは自信がなく、粘ってチャンスを待つ展開になった。自分なりにしぶとく戦えたのではないかなと思う」
――師匠の深浦九段も獲得した王位戦の印象
「2日制のタイトルということで、濃密な将棋になることが多い。師匠も獲っているタイトルですし、自分としても気持ちの入る棋戦です」
――長い持ち時間の将棋についての印象
「これまでは順位戦(持ち時間各6時間)が最長ですが、結果が出せていない。王位戦のタイトル戦はは8時間で2日制ということもあり、未知の世界だなと思う。長考はする方なので、8時間を有意義に使っていきたい」
――藤井王位の印象
「第一線で活躍されていて、常に妥協なく最善を追い求める姿は同じ棋士としても影響を受ける。自分にないものを持っているので、番勝負でいろいろと吸収したい」
――好調の要因は
「集中して研究やVSなど練習できる環境が続いていて、勝ったことでまた良い効果につながっているのかなと思う」
――重要対局が続くが対策は
「万全の態勢で自分の将棋が指せないと相手にならないと思っているので、日頃の健康管理や睡眠時間も含めてしっかりと調整したいなと思う」
――七番勝負は全国を転戦
「春に(地元の)九州に帰った際、地元の方々にもとても応援していただいていたので、タイトル戦で夏に帰ることができるのが非常に嬉しい。各地方に行くこと自体が気分転換になると思いますし、対局に良い影響があるのではないかなと思います」
――棋聖戦五番勝負と合わせて“十二番勝負”を戦う夏への意気込み
「ここまでとんとん拍子で挑戦が2つ決まったが、これで終わりではなく、これからが勝負。しっかりとタイトル戦で良い将棋を指して、結果も伴えるようにしたい」
あ
――王位リーグ入りしてから6年間の歩み
「最初にリーグ入りした時は上位陣の壁に当たり、良いところなく陥落となったが、徐々に勝ち越せるようになった。ただ、リーグ優勝や挑戦ということにはならなかったので、今期大きなチャンスをつかめたことは嬉しい」
――王位3期の深浦九段に具体的な話を聞く予定は
「王位戦は2日制になるので、持ち時間の使い方などわからないことが多いと思うので、アドバイスを聞いて活かしていきたい」
――七番勝負でファンに見てほしいところ
「簡単には崩れないというのは意識しているので、粘り強さを8時間の2日制でも出していければと思います」
――羽生九段と大舞台で戦った印象
「羽生九段は自分にないものを持っていて、これまでの対局で読みの速さや正確性が劣っていると実感していた。厳しい勝負になると思っていたが、指していると自分の読みのない手があったりで、逆に楽しくなっていた。もちろん形勢が苦しいと感じるときもあったが、大きな一番でいろいろ吸収したいと思いながら指していた」
――連続でタイトル挑戦を決めることができた心境
「先手番で自分の相掛かりを主体として勝ち上がることができたことが大きかった。良い集中力で挑めたことが良かったですし、棋王戦挑戦者決定戦で敗れた時と比べて落ち着いた気持ちで挑めたと思っています」
――タイトル戦での相掛かり採用の可能性
「相掛かりを始めたのは三段リーグに入った位の時から。何か武器がないとリーグでは戦っていけないと感じていたので、その中で力戦模様でいろいろと工夫のしやすい形なのかなということで相掛かりを始めた。激しい展開もあればじっくりした流れになることもあるので、序盤から含みの多いところが相掛かりの魅力だと思う。棋聖戦と合わせて王位戦と十二番勝負になるので、どのくらいの頻度になるかはわかりませんが、これまでも愛用してきた作戦なので使っていこうかなと思っています」
――藤井王位とは2勝2敗。師匠の深浦九段は3勝1敗で勝ち越している
「かなり昔のデータなのであまり参考にはならない。常に最善を求める将棋で妥協しないのが特徴だと思っている。師匠は勝ち越しているので、今回の番勝負でいろいろアドバイスを聞こうと思っているが、すぐに効果が出るようには思えないので、地道に自分の準備に集中したい」
――十二番勝負はプラス?プレッシャー?
「私にプレッシャーがかかる場面ではない。失うものはないので、前向きに楽しみながら戦えるのではと思う」
――リーグ戦全勝から挑戦者決定戦まで全勝で終えることができた要因は
「見落としが少なったことと、一局目と渡辺明名人との対局で先手番だったので、要所で自分の好きな形ができたことが良かったのかなと思います」
――夏の暑い時期は得意、不得意?
「イベントの多い時期ですし、夏は比較的好き。今回はダブルタイトル戦になるので、それも含めて充実した夏にしたい」
――タイトル戦に不安はない?
「タイトル戦を一局も経験していないので、移動日や(前夜祭などでの)スピーチなどに不安はありますが、勝負が始まってしまえば変わらない。時間の使い方だけ気を付けたいなと思う」
(ABEMA/将棋チャンネルより)
情報源:佐々木大地七段「失うものは無いので前向きに」 師匠・深浦康市九段が3期経験した王位戦へ初挑戦決定 藤井聡太王位との七番勝負は7・7開幕! | ニュース | ABEMA TIMES | アベマタイムズ
2023-05-18 伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦挑戦者決定戦
佐々木大七段の記者会見
記者会見の内容です、以上で本局の中継を終わります。本日もご観戦いただきましてありがとうございました。
――本局を振り返って。
序盤から難解な将棋で、先手番ながら攻め込まれてしまったあたりは自信がないのかなと。うまく粘ってチャンスを待つという展開でした。自分なりにしぶとく戦えたと思います。
――王位戦の印象について。
リーグ入りまでは、どの棋士にもチャンスがあります。自分もかなりリーグに入らせてもらっていますけど、若手棋士や実力者との厳しい当たりのなかで、なかなか結果がともなっていなかったので厳しいリーグだと思っていました。タイトル戦は2日制ということで、濃密な将棋になることが多い。師匠も獲っているタイトルですし、自分としても気持ちの入る棋戦です。
――2日制の長い対局について。
これまで指してきた対局では順位戦(各6時間)が最長ですが、そんなに結果を出せていません。王位戦のタイトル戦は各8時間の2日制ということで未知の世界です。ただ、自分はけっこう長考するほうなので、8時間を有意義に使っていきたいと思います。
――藤井王位についての印象。
第一線で活躍されていて、妥協なく最善を追い求める姿は、同じ棋士として影響を受けます。自分にないものを持っている棋士なので、番勝負でいろいろ吸収したいと思います。
――2棋戦連続で挑戦権を獲得した。好調の要因は。
集中して研究や練習将棋ができています。勝つことで好循環が続いていると思います。
――体調面も意識しているか。
やはり万全の態勢で自分の将棋を指せないと相手にならないと思っているので、日ごろの健康管理はしっかりと調整したいと思います。
――七番勝負では全国各地を対局で回る。
春に九州に帰ったときに地元の人に応援されていたので、タイトル戦の九州対局で夏に帰ってこれるのがうれしいですし、各地方にいくこと自体も気分転換になるので、対局にいい影響があるのかなと思います。
――棋聖戦とあわせて十二番勝負になる。
とんとん拍子でタイトル挑戦が2つ決まりましたが、これで終わりではなく、ここからが勝負だと思っているので、タイトル戦でしっかりといい将棋を指し、結果もともなうようにしたいと思います。
――最初はリーグで陥落したが、ここ数年は残留、そして挑戦。少しずづ階段を上っていくように結果を出した。
最初にリーグ入りしたときは上位陣の方と当たって、いいところなく陥落したんですけど、徐々に勝ち越せるようになりました。ただ、挑戦にはつながらなかったので、今期のチャンスを生かせてとてもうれしいです。
――棋聖戦で挑戦権を獲得したときは、師匠の深浦九段にアドバイスを求めたいと話していた。実際はどのようなアドバイスを受けたか。また王位戦でもアドバイスを聞く予定はあるか。
棋聖戦については、師匠と仕事前にお話しする機会をいただきました。具体的な内容は言いにくいですが……。王位戦は2日制になるので、時間の使い方だったり、わからないことも多くありますので、またアドバイスをもらえればと思います。
――王位戦七番勝負では、どういう将棋を指したいか。
簡単には崩れないというのは意識しています。その粘り強さを2日制の王位戦でも出したいと思っています。
――大舞台で羽生九段と戦うにあたって、どういう気持ちだったか。
羽生九段は自分にないものを持っていて、読みの速さ、正確さでは劣っているなと実感していました。厳しい勝負になると思っていたんですけど、指していると自分の読みにない手があって、逆に楽しくなる感じでしたね。もちろん形勢が苦しい時もあったですけど、いろいろ吸収したいと思って指していました。
――改めてタイトル2棋戦連続挑戦について。
挑戦が続いたことに関しては、先手番での相掛かりを主体にして勝ち進めたのが大きかったと思います。よく集中して挑めたのがよかったかなと棋王戦の挑戦者決定戦(2019年12月)で敗れたときと比べて、落ち着いて挑めました。
――得意戦法の相掛かりについて。
相掛かりを始めたのは三段リーグに入ったぐらい。何か武器がないとリーグでは戦えないと思っていました。そのなかでも力戦模様で工夫のしやすい形かなと思って始めました。激しい展開もあれば、じっくりした流れになることもあり、それが相掛かりの魅力かなと思います。
棋聖戦と王位戦、あわせて十二番勝負になりますが、どこかで相掛かり……、どれぐらいの頻度になるかわかりませんが、これまで愛用してきた作戦なので使っていこうかなと思います。――藤井王位との対戦成績は2勝2敗。盤を挟んだ印象について。
2勝2敗ではありますけど、かなり昔のデータなので、あまり参考にならないと思います。常に最善を求める将棋で、妥協しないのが藤井王位の特徴だと思います。師匠は(藤井王位に)勝ち越されているので、いろいろとアドバイスを聞いてみようと思っていますが、聞いてすぐに効果が出るとは思えないので、地道に自分の準備を進めたいと思います。
――藤井王位と十二番勝負となってワクワクしているか、それともプレッシャーになっているか。
私はプレッシャーのかかる場面ではないので、前向きというか、楽しみながら戦えるのではないかと思います。失うものは何もないので、自分の将棋に集中したいなと思っています。
――挑戦者決定リーグから全勝で挑戦した。その要因は。
見落としが単純に少なくなったのと、リーグの渡辺明名人戦が先手番だったように、要所要所で自分の好きな形にできたのがよかったのかなと思います。
――藤井聡太と佐々木大地が将棋界でいちばんアツい夏を送る。夏という季節は好きですか。
イベントの多い時期ですし、夏は比較的好きです。今回はダブルタイトル戦になるので、充実した夏にしたいと思います。
――棋聖戦は1日制、王位戦は2日制。違うスタイルの番勝負に臨む。
そもそもタイトル戦を1局もやっていないので、移動日だったりスピーチだったりの不安はありますけど、勝負が始まってしまえば変わりません。2日制は時間の使い方に気をつけたいと思います。
2023年5月18日22時50分
藤井聡太王位(竜王・叡王・棋王・王将・棋聖=20)への挑戦者を決める、将棋の伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦挑戦者決定戦羽生善治九段(52)対佐々木大地七段(27)戦が18日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。対局は先手の佐々木が勝ち、王位戦初挑戦権を獲得した。来月開幕する棋聖戦5番勝負に次いで、連続でのタイトル初挑戦となる。
終局後、佐々木は記者会見に応じた。
-挑戦者決定戦の1局を振り返って
佐々木 序盤から難解な将棋で、攻め込まれてかなり自信がなかった。うまく粘ってチャンスを待つ感じで、自分なりにしぶとく戦えました。
-羽生九段との対局は意識したか
佐々木 羽生九段の読みの速さや正確さに自分が劣っていると実感していました。(対局では)読みにない手があって、逆に楽しくなる感じでした。大一番ですが、いろいろ吸収したいと思いました。4年前の棋王戦挑戦者決定戦で本田奎現六段に敗れたときと比べて、落ち着いて臨めました。
-王位戦の印象は
佐々木 6年前、最初のリーグ入りでは上位陣の壁に当たっていいところなく陥落しました。その後も若手や実力者との厳しい対局でなかなか結果が出せず、厳しいと思いました。徐々に勝ち越せるようになってもリーグ優勝にはつながらなかったが、今期は大きなチャンスを生かせてとてもうれしいです。見落としが少なくなったし、要所要所で自分の好きな形にできたのが良かったです。
-師匠の深浦康市九段は3期獲得されていますタイトルです
佐々木 2日制のタイトル戦では濃密な将棋になることが多い。師匠が獲得しているタイトルですし、気持ちの入るタイトル戦です。
-師匠にアドバイスを求めますか
佐々木 2日制の王位戦での持ち時間の使い方など、分からないことはアドバイスを聞いて生かしたいです。
-持ち時間も長くじっくり考えられます
佐々木 2日制で持ち時間8時間は未知の世界だと思います。けっこう長考する方ですし、持ち時間を有意義に使いたいです。
-藤井王位の印象は
佐々木 第一線で活躍されていますし、常に妥協なく最善を求めて指されている姿は影響を受けます。自分にないものを持っているので、シリーズでいろいろ吸収したいです。
-好調の要因は
佐々木 集中して研究や練習将棋ができる環境に加えて、勝ちを積み上げることで好循環になっていると思います。
-体調面での意識は
佐々木 万全の状態で自分の将棋が指せないと相手になりません。睡眠時間も含め、日ごろの体調管理をしっかりして、しっかり調整したいです。
-王位戦は全国を転戦します
佐々木 第4局の九州対局が楽しみです。春に九州に帰ったとき(佐々木は長崎県対馬市出身)は地元の方に応援されました。タイトル戦で夏に行けるのがうれしいです。各地に行くこと自体、気分転換になります。
-藤井王位とは棋聖戦5番勝負も含め、12番勝負になります
佐々木 ここまで本当にとんとん拍子で挑戦権を獲得できました。これでおしまいではなく、ここからが勝負。いい将棋を指して結果も伴うようにしたいです。
-自分の将棋の持ち味は
佐々木 簡単に崩れない粘り強さを見せられたらいいなと思います。
-相掛かりはいつから
佐々木 (プロ棋士養成機関「奨励会」の)三段リーグ時代、何か武器をと思って始めました。序盤から含みの多いところが魅力。タイトル戦でもどれくらいの頻度になるかは分かりませんが、使ってみようと思います。
-改めてタイトル戦に臨むにあたり
私はプレッシャーがかかる場面ではないし、失うものはない。前向きに戦えます。自分の将棋に集中して、充実した夏にしたいです。
情報源:藤井聡太王位への挑戦権獲得の佐々木大地七段「失うものはない。自分の将棋に集中」/一問一答 – 社会 : 日刊スポーツ
七番勝負日程
【第1局】 7月 7・8日(金・土) 愛知県豊田市「豊田市能楽堂」
【第2局】 7月13・14日(木・金) 神戸市「中の坊瑞苑」
【第3局】 7月25・26日(火・水) 北海道小樽市「料亭湯宿 銀鱗荘」
【第4局】 8月15・16日(火・水) 佐賀県嬉野市「和多屋別荘」
【第5局】 8月22・23日(火・水) 徳島市「渭水苑」
【第6局】 9月5・6日(火・水) 静岡県牧之原市「平田寺」
【第7局】 9月19・20日(火・水) 神奈川県箱根町「ホテル花月園」
伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦 挑戦者決定戦 羽生善治九段VS佐々木大地七段戦が、5月18日(木)に東京・将棋会館で行われ、佐々木七段が117手で羽生九段に勝ち、藤井聡太王位への挑戦権を獲得しました。
第1局は7月7・8日(金・土)に愛知県豊田市の「豊田市能楽堂」で行われます。
情報源:羽生善治九段VS佐々木大地七段 伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦 挑戦者決定戦 佐々木大地七段の勝利|棋戦トピックス|日本将棋連盟
挑決戦
#佐々木大地 七段の勝利
【伊藤園お~いお茶杯第64期 #王位戦 挑戦者決定戦】
●羽生善治九段 VS ○佐々木大地七段
伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦 挑戦者決定戦が5月18日(木)に行われ、佐々木七段が117手で羽生九段に勝ち、藤井聡太王位への挑戦権を獲得しました。 https://t.co/1bPmubzPPi
— 日本将棋連盟【公式】 (@shogi_jsa) May 18, 2023
▲佐々木大地七段-△羽生善治九段(棋譜中継)
詰めろで受けにくい。 高見七段「後手は☖7七香とか☖7七銀と打てないと、先手玉を詰ませられません。それを見越して、桂を渡す寄せに出たんですね」 この局面で羽生が投了した。後手玉は受けがなく、先手玉は詰まない。終局時刻は19時53分。消費時間は☗佐々木3時間57分、☖羽生3時間59分。佐々木は初の王位戦挑戦、そして藤井聡王位とのダブルタイトル戦を決めた。第1局は7月 7・8日(金・土)に愛知県豊田市「豊田市能楽堂」で行われる。
19時53分 終局
117手 3二馬まで、▲佐々木大七段 の勝ち
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牙城を崩せるか
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