羽生善治九段、B級1組最終局を白星締め 中村太地七段に97手で勝利/将棋・順位戦

佐々木勇気七段と中村太地七段がA級へ昇級|第81期順位戦B級1組最終局

両者A級昇級で八段昇段


中村太地八段インタビュー


2023/03/09 22:46

将棋の順位戦B級1組最終13回戦が3月9日に行われ、羽生善治九段(52)が中村太地七段(34)に97手で勝利した。前期、A級から陥落となった羽生九段は30年ぶりにB級1組に参戦。最終局を白星で飾り、通算成績を6勝6敗で終えた。一方、首位で本局に臨んだ中村七段は9勝3敗に。初のA級昇級は、他局の結果に委ねられることになった。

羽生九段が、30年ぶりに参戦した“鬼の住処”ことB級1組最終局を白星で飾った。13回戦は自力昇級を目指す中村七段と対戦。大一番は角換わりの出だしとなった。序盤から鋭く攻勢に出た中村七段だったが、難解な中盤戦で羽生九段が巧みに切り返しペースを掌握。その後もじわじわとリードを拡大させ、中村七段を押し切った。

前節で残留を確定させていた羽生九段だったが、来期の順位でもひとつでも上げるためには是が非でも勝ち取りたかった最終局での白星。今期の通算成績は6勝6敗。再びのA級復帰を目指し、来期も“鬼”たちと激戦を繰り広げる。

羽生九段は現在、王将戦七番勝負で藤井聡太王将(竜王、王位、叡王、棋聖、20)に挑戦中。これまでのシリーズで2勝3敗とカド番に追い込まれている。フルセットか、敗退か、運命の第6局は3月11・12日に予定。ハードスケジュールの中で得た白星を追い風に、あす10日には開催地の佐賀県上峰町へと向かう。

一方、敗れた中村七段は9勝3敗に。初のA級昇級は、佐々木勇気七段(28)、澤田真吾七段(31)の勝敗に委ねられることになった。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

情報源:羽生善治九段、B級1組最終局を白星締め 中村太地七段に97手で勝利/将棋・順位戦 | ニュース | ABEMA TIMES


2023-03-10 第81期順位戦B級1組

佐々木勇新八段の昇級インタビュー

佐々木勇気新八段の昇級インタビューです。
(中村太地新八段は自身の昇級を知る前に将棋会館を出たのでインタビューはありません)

――今日の将棋を振り返ってください。

水面下の変化がとても難しく、読みきれずに妥協した手もありました。☖2三歩(52手目)では☖5六歩とかなり迷いました。そこで苦しくなりました。その手前の☖5五銀(46手目)もいい手か悪い手かわからなかったですけど、最近は駒を退く手が多い気がしていたので、今回は勢いのある手を選ぼうかなと思っていました。

――☖5五銀は154分の大長考でした。

☖3三銀も普通かなと思ったんですけど、☗7九玉のときにこちらの構想が……。☖5五銀と☖3三銀で全然違う将棋になるので難しかったです。

――途中は苦しかったですか。

かなり苦しいと思ったんですよ。☖9五歩(62手目)のところがいちばん差が開いているかなと思いました。

――その苦しさの具体的な要因は。

こちらの囲いが思ったより厚みを築けていなくて。4三の歩がいないので、いつでも王手がかかる形で見た目以上にもろいと思っていました。

――先手にこう指されたら苦しかった、という変化はありましたか。

感想戦でも出たのですが、☖9五歩に☗3五歩☖9六歩☗4五歩から☗2六飛を目指されていたら、きついと思っていました。

――ほかにポイントとなった局面は。

☗9七同香(87手目)がまったく読めていませんでした。☖2四香がみえみえでしたから。堂々と取られて(本譜は)ちょっと妥協したんですけど、それでまた形勢を難しくしてしまいました。でもあそこも手が広かったので、自分の力では何が勝ち筋かわからなかったです。よさそうな感じはしていましたが具体的な手順がわからなかった。

☖6五桂(94手目)は感触がよく、☖7五香(114手目)も次に☖6八銀から迫れるので勝ちになったかなと思ったのですが、☗5二銀(121手目)の勝負手に☖同玉はなかったですね。☖6九角のほうがよかったです。感覚がおかしいんですね。余していると思ったんですけど、(125手目☗7五歩)で香を補充されて先手玉が広くなっていますし、そこは逆転されていてもおかしくないと思いました。

――勝ちになったと思った局面は。

☖6二銀(138手目)で普通は余しているのかなと思いました。一分将棋だったのであまり冷静にはなれませんでしたが。

――今期のB級1組を振り返って。

前期もそうだったのですが、8勝目が遠いなと思いました。前期とは違い、自力で昇級できる形で最終戦を迎えられたのはよかったです。連敗が止まらなくて(前期は後半で5連敗、今期は開幕2連敗)勝てるイメージもあまりなくて、正直落ちると思っていました。さらに千田さん、近藤さんと続いたので開幕4連敗も全然あるなと。そこ(千田戦、近藤誠戦)を勝てたのが大きかったです。特に千田さんとの将棋では、後手番で角換わりを受けたんですけど、そこがいちばんきつかったです。

今期からB級1組がチェスクロック方式になり、とまどっていたところもありました。作戦選択とか、明らかに変わってきてしまったので。

B級1組は1ヵ月に2局も対局する月が3つぐらいあると思うんですけど、それが非常に大変でした。みんな粘り強いですし若手も多いので、まさか自分が上がれるとはという感じがしましたけど。

――千田七段戦の勝利で少し気が楽になったでしょうか。

そうですね。自分が連勝連敗タイプというのもあるかもしれません。また少しずつ勝っていって、調子が上がってきたところで、勝負どころだと思っていた直接対決の中村太地さんとの一戦で負けてしまったんですよね。あれが痛恨で、自分が勝負弱いなというところでした。せっかく昇級争いが見えてきたところで引きずり降ろされ、きついかなと思っていたんですけど。次の三浦戦も逆転勝ちだったので、ずっと苦しい戦いが続いていましたね。そのなかでひとつひとつ勝っていっての結果かなと思います。

――後半に星を伸ばせた要因は。

勝つのがいちばんいい薬というか、負けたときは苦しいんですけど。そういう意味で、順位戦で連敗を止まって勝ったところで、気持ちが上向いてきたのかなと思いました。

――A級昇級について、いまの気持ちを教えてください。

(昇級するには)勝つしかないと思っていました。(屋敷九段は)勝ったことがない相手ですし、後手番ということもあって大変でしたが、自分の力は出しきったかなという一局の内容でした。

まだ、ほやほやのA級という感じで、昇級争いに絡めるイメージはありません。今期A級を戦った方たちは、藤井さん(聡太竜王)がいる中で戦ったということもあって、かなりレベルも上がっていると思うので、いまのままではきついと思います。来期が始まるまでには何とかしたい。厳しい戦いになるな、というのがいまの気持ちです。A級は強い人たちしかいないので何か変えていかなければいけない。

――師匠の石田和雄九段もA級棋士でした。

師匠は私以上にA級になってほしいという気持ちが強かったと思います。師匠にはいつも結果報告をしていて、自分の調子が悪くて順位戦の連敗が止まらないときには、師匠に「きなさい」といわれて柏の神社でお参りしたんです。前期の3月ですかね。お参りしにいったのに連敗が止まらなくて「やっぱり意味ないな」と思ったんですけど(笑)、でも結果的に上がれたのでよかったのかなと思います。

――A級は永瀬王座が戦っている舞台でもあります。

斎藤さん、菅井さん、永瀬さん、みんな先にA級にいった人たちなので追いつけてよかったと思いますけど、いまのままではきついかなというのが素直な気持ちなので、何かを変えていきたいと思います。

――A級を戦う上で足りないと感じているものは何ですか。

まず終盤力です。いまの自分は形勢がよさそうというのはわかるんですけど、具体的な手順を見つけられないのが弱みというか。終盤で間違えることが多いので、まずは終盤を強くしないといけないことと、A級はまたチェスクロックからストップウオッチに戻るので、時間の使い方も大事になってくると思います。

A級は将棋を究めようとする人しかいなくて、姿勢からしていまの自分にはちょっときついので、何かその域までいくしかないかなと思うんですけど。いまは楽しみというよりは、まだ怖いですかね。不安のほうが大きいです。

――A級は名人挑戦権を争う場所です。

最初の4戦をどう切り抜けるかで変わってくると思います。やっぱり挑戦権争いをしたいですよね。残留争いをすると胃が痛いですから。

――A級昇級で八段昇段です。

八段になれたのはよかったです。(勝数規定で九段に昇段するなら)次は250勝ですよね? 上がらせる気はないですよね(笑)。まだA級八段の格はないんですよ、自分の感覚だと。そこにいる人たちは風格があるので、A級の格があるなと思わせるようなところまで早くいきたいですね。自分はまだほやほやで弱そうですから。

――親交の深い渡辺明名人から何かいわれることはありましたか。

内容でいわれることはなかったんですけど、中村太地七段戦で頓死を食らったときに、「やけ食いしよう」と焼肉に連れていってくれました。今度、渡辺名人とマラソン大会に出るので、そこで何か話をできたらいいなと思います。

――「A級は藤井聡太竜王と戦ってレベルが上がっている」との発言がありました。藤井竜王はどう意識していますか。

藤井竜王の角換わりは先手よしの定跡をどんどん作っていくんですよね。後手の対策がどんどんきつくなっています。角換わりの研究をしようとスイッチが入ったタイミングがあったと思うんです。藤井さんのそのタイミングに気づくのが私は遅かった。いまになってきついなと思ってたんですけど、もっと早く半年前からアンテナ張ってないといけなかったというのはあります。あんなに先手よしになるほど研究しているとは思っていなかったです。終盤の最後の最後まで研究していると思います。危機感が足りなかったです。


第81期順位戦B級1組最終局が、3月9日(木)に東京・将棋会館、関西将棋会館、名古屋将棋対局場でそれぞれ行われました。

昇級にからむ対局の結果は以下の通りとなりました。

羽生善治九段VS中村太地七段●
羽生九段は6勝6敗、中村七段は9勝3敗としました。

屋敷伸之九段VS佐々木勇気七段〇
屋敷九段は4勝8敗、佐々木七段は9勝3敗としました。

三浦弘行九段VS澤田真吾七段●
三浦九段は7勝5敗、澤田七段は8勝4敗としました。

以上の結果により、佐々木勇気七段と中村太地七段がA級へ昇級しました。

◆第81期順位戦B級1組 対戦表

情報源:第81期順位戦B級1組最終局 佐々木勇気七段と中村太地七段がA級へ昇級|棋戦トピックス|日本将棋連盟


B級1組13回戦

2023-03-10 第81期順位戦B級1組

順位戦結果・成績一覧

本日の結果は以下のとおりです。(名前左=先手、☆=大阪、◇=名古屋)

[B級1組]
丸山 忠久九段(4勝8敗)○-●郷田 真隆九段(2勝10敗)…22時5分
羽生 善治九段(6勝6敗)○-●中村 太地七段(9勝3敗)…22時28分
山崎 隆之八段(6勝6敗)●-○横山 泰明七段(5勝7敗)…22時59分
澤田 真吾七段(8勝4敗)●-○三浦 弘行九段(7勝5敗)…23時36分◇
屋敷 伸之九段(4勝8敗)●-○佐々木 勇気七段(9勝3敗)…23時48分
千田 翔太七段(6勝6敗)○-●久保 利明九段(4勝8敗)…0時1分☆

※近藤 誠也七段(8勝4敗)は抜け番です。

[B級1組成績一覧] ( )内は順位

【9勝3敗】佐々勇(5)、中村太(12)
【8勝4敗】近藤誠(9)、澤田(11)
【7勝5敗】三浦(6)
【6勝6敗】羽生(1)、山崎(2)、千田(3)
【5勝7敗】横山泰(8)
【4勝8敗】屋敷(4)、久保(10)、丸山(13)
【2勝10敗】郷田(7)

A級昇級は佐々木勇新八段、中村太新八段、B級2組降級は郷田九段、丸山九段、久保九段です。

情報源:第81期名人戦・順位戦 B級1組



▲羽生善治九段-△中村太地七段

羽生は3分ほど考え、うなずいてから☗4三銀成を指した。☖4三同角に☗4四銀☖2二玉☗4三銀成で先手の攻めは止まらない。
この局面で中村が投了した。終局時刻は22時28分。消費時間は、☗羽生5時間6分、☖中村6時間0分(持ち時間は各6時間)。羽生は6勝6敗、中村は9勝3敗で全日程を終了。中村の昇級は他局の結果次第となった。

22時28分 終局
97手 4三銀成まで、▲羽生九段 の勝ち


▲屋敷伸之九段-△佐々木勇気七段

この局面で屋敷が投了した。終局時刻は23時48分。消費時間は、☗屋敷6時間0分、☖佐々木6時間0分(持ち時間は各6時間)。佐々木は9勝3敗でA級昇級、八段昇段を決めた。屋敷は4勝8敗、残留は他局の結果次第。

23時48分 終局
140手 6七角まで、△佐々木勇気七段の勝ち


▲千田翔太七段-△久保利明九段

この手を見て久保が投了した。終局時刻は0時1分。消費時間は☗千田6時間0分、☖久保6時間0分(チェスクロック使用)。勝った千田は6勝6敗、敗れた久保は4勝8敗で今期順位戦を終えた。久保は降級が決まり、来期をB級2組で戦う。

0時1分 終局
137手 5八玉まで、千田七段の勝ち


▲澤田真吾七段-△三浦弘行九段

☗3七玉に☖3六歩☗2八玉☖3七銀以下の詰み。
この局面で澤田が投了した。終局時刻は23時36分。消費時間は☗澤田6時間0分、☖三浦6時間0分。勝った三浦は7勝5敗、敗れた澤田は8勝4敗になった。

23時36分 終局
134手 1五銀まで、三浦九段の勝ち



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