伊藤沙恵女流名人の勝利｜第49期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負第3局

第49期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負第3局
▲伊藤沙恵女流名人　対　△西山朋佳女王・女流王将

2023年2月5日 15時48分

将棋の「第４９期岡田美術館杯女流名人戦」（主催＝報知新聞社・日本将棋連盟、特別協賛＝（株）ユニバーサルエンターテインメント）五番勝負第３局が５日、千葉県野田市の「関根名人記念館」で指され、伊藤沙恵女流名人が挑戦者の西山朋佳女流二冠＝女王、女流王将＝に勝ち、初防衛へ大きな１勝を手にした。これでシリーズは伊藤の１勝２敗となった。

戦型は後手・西山の三間飛車に。その後、西山の飛車は２０手目で４筋、４２手目で５筋に移動。午前中は両者互角で昼食休憩に入った。

そのまま伊藤の駒が少ない５筋で西山の飛車が敵陣を突き破るかと思われたが、休憩後の５４手目、攻め込んでくる伊藤の駒をさばくために５五に打ち込んだ歩で自ら飛車道を塞いでしまうと、形勢は伊藤に傾き始める。

気づけば５筋には伊藤の駒がずらり。伊藤の攻めをさばくために西山は玉の囲いを崩し、飛車は２筋に逃げた。

薄くなった相手玉を丁寧に攻め落としたのは伊藤だった。これで、１勝。

女流名人戦の番勝負では、２０１６年度の第４３期で里見香奈女流名人（当時）が上田初美女流三段（当時）を相手に２連敗からの３連勝で防衛に成功している。カド番に追い込まれた伊藤が初防衛へ向け、ここから巻き返しを図る。

注目の第４局は２４日、東京・渋谷の「将棋会館」で行われる。

情報源：伊藤沙恵女流名人が逆襲の１勝　西山朋佳女流二冠に勝利　女流名人戦第３局 : スポーツ報知

終局直後

◆伊藤女流名人の談話

――第１局と同じく、西山女王・女流王将の後手三間飛車の将棋になりました。序盤はいかがでしたか。

伊藤　西山さんのほうが工夫されて、第１局とは違う進行になったので、一手一手、考えていくような将棋でした。

――昼食休憩前の▲５六金（49手目）△４五歩▲４四歩の辺りはいかがでしたか。

伊藤　難しいと思っていましたが、何か読み抜けがあるとすぐに潰れてしまう形かなとも思っていました。

――昼食休憩中も熟考されて、再開の一手の▲８五歩（53手目）を指されました。

伊藤　すぐに攻めていくとうまくいかないので、プレッシャーを掛けつつ、どこかで△８四角と出られる手を消しておきました。

――よくなったと思われたのは。

伊藤　▲５五角（71手目）で、対応が難しいかなと思いました。

――勝ちになったと思われたのはどこでしょうか。

伊藤　最後の▲６六角（103手目）で受けが難しいかなと思っていたので、▲７二成銀（95手目）の辺りですかね。

――防衛戦での初勝利となりました。

伊藤　少しほっとはしています。

――まだ番勝負は続きます。いまの思いを聞かせてください。

伊藤　そんなに変わらずに、一生懸命頑張りたいです。

◆西山女王・女流王将の談話

――序盤はいかがでしたか。

西山　早々に手将棋になって、一手一手、考えながら進めていたんですが、（５筋の突き捨てを入れずに）単に△５二飛もあって、その辺りはどちらがよいのかを比べきれていませんでした。

――昼食休憩明け、△５五歩（54手目）と打たれた辺りはいかがでしたか。

西山　そこは読み抜けがあって、昼食休憩明けからは自信がありませんでした。

――苦戦を意識されたのはどの辺りですか。

西山　一直線の戦いになると思っていて。▲４四歩（51手目）と押さえられたところで、△４二飛などの手段がないようでは苦しいかなと。

――本局全体を振り返って、どのような戦いでしたか。

西山　大きな見落としを何回かしてしまったので、一方的な内容になってしまったと思います。

――番勝負はこれで２勝１敗になりました。第４局に向けての抱負をお願いします。

西山　少し間が空くので、しっかり準備して臨みたいと思います。

情報源：岡田美術館杯女流名人戦中継ブログ: 終局直後

伊藤沙恵女流名人に西山朋佳女王・女流王将が挑戦する第49期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負第3局が、2月5日（日）に千葉県野田市の「関根名人記念館」にて行われ、伊藤女流名人が107手で西山女王・女流王将に勝ち、対戦成績を1勝2敗としました。

第4局は、2月24日（金）に東京・将棋会館にて行われます。

詳しくは、女流名人戦中継サイトをご覧ください。

情報源：伊藤沙恵女流名人VS西山朋佳女王・女流王将第49期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負第3局伊藤沙恵女流名人の勝利｜将棋ニュース｜日本将棋連盟