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2023.1/28 10:00
このところタイトル戦が終わるたびに、知り合いから「将棋の世界は盛り上がっていますね」と言われる。
特に今年の藤井聡太王将―羽生善治九段の、ALSOK杯王将戦が始まってからは、毎回対局の模様と勝敗がニュースで流れるから、普段将棋を指さない人も皆、将棋界の情報に詳しい。
将棋がスポーツのように、毎試合の結果がニュースで流れてほしいというのは、将棋界の昔からの願望だった。しかしほとんどの棋戦のスポンサーが、新聞社という将棋界の状況では、主催社以外の報道は諦めていたのだった。
これを吹き飛ばしたのが、藤井の出現である。
そして今回、羽生が挑戦者となり、新旧の王者の対決ということで、むしろ羽生が主役になった感がある。
とは言え、タイトルは藤井が五冠で羽生はなし。この王将戦が始まる前まで、藤井の7勝1敗ということを考えれば、現在藤井が格上なのは言うまでもない。
七番勝負の第1局、藤井が角交換早繰銀から急戦を仕掛け、最後キッチリ読んで勝ち切った時は、やはり羽生も藤井には勝てないのか、というムードが漂った。
しかし第2局で羽生は相掛かり戦から意表の金打ちでペースを掴むと、藤井の必死の反撃をギリギリで凌ぎ、紙一重で残して勝つという、かつての全盛期を思わせる勝ち方で、七番勝負をタイに戻した。
AIの数値でも、羽生はほとんど形勢の針が相手に行くことがない、完璧さだった。
この時の解説会は、普段なら藤井のファンが圧倒的に多いのだが、まるで藤井はアウェイで戦っているかのように、羽生の応援団で埋まったという。
これを見て主催社の『スポニチ』も、羽生を全面に出すこととなったのではないか。
対局場となった大阪府高槻市は、将棋会館が来るということで昨年からバス『高槻将棋ライナー』を投入した。この運転手姿の羽生が、スポニチの一面に載ったのには驚かされた。対局姿ではない一面の掲載は、異例であろう。
こうなると俄然、七番勝負が面白くなってきた。第2局は明らかに、羽生は最強のAIのような存在だっただけに、唯一、藤井を負かしてくれる棋士として、羽生に期待がかかるのは当然のこと。
テレビを含む報道各社が、どんな報道をするのかも楽しみである。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
王将戦七番勝負 AIに匹敵!羽生善治九段の強さ 藤井聡太王将はアウェイで戦っているかのように 「スポニチ」は異例の一面掲載 https://t.co/UPuFqIF0pb
第2局で羽生は相掛かり戦から意表の金打ちでペースを掴むと藤井の必死の反撃をギリギリで凌ぎ…かつての全盛期を思わせる勝ち方。#zakzak
— zakzak (@zakdesk) January 28, 2023
藤井聡太王将-羽生善治九段(毎日新聞・スポニチ)
先後は入れ替わり、藤井聡太王将の先手
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