羽生善治九段
2023年1月2日 06:03
将棋の第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負は8日、静岡県掛川市の掛川城二の丸茶室で開幕する。史上最年少王将・藤井聡太5冠(20)=竜王、王位、叡王、棋聖=に永世7冠資格を持つ羽生善治九段(52)が挑むファン待望の夢対決。タイトル戦無傷の11連勝中の若武者が勢いそのままに初防衛を果たすのか、スランプから脱したレジェンドが戴冠通算100期に到達するのか。ひのき舞台での初対決となった両雄に、開戦直前の心境を尋ねた。
何が起ころうと肩肘張らず、泰然と構えているのが羽生のスタイルだ。日本中が注視する番勝負の当事者なのに「高揚というより、うまくなじめたらいいというところですか」と、腰が抜けるほど淡泊な語り口。無駄な気合とか邪念の類いが一切ない。
2002年7月19日に時を戻そう。31歳の羽生竜王がオールスター勝ち抜き戦で阿部隆七段と対戦した日だ。「確か横歩取りの将棋で、結果は勝ったような…」。いずれも正解、さすがの記憶力。ただその日が藤井の誕生日と聞き「それは知りませんでした」としばし絶句だ。
両者の年齢差は実に31年295日。「自分自身、藤井さんとのタイトル戦が実現できたらいいなと、ずっと前から思っていた。今回王将戦という形で顔を合わせることができて非常によかった」。世代を超えた対決を自ら歓迎している。それが羽生の率直な心境だ。
伝説の棋士にとって、最近数年間は砂をかむ思いだったに違いない。普段着のようにまとっていたタイトルを後輩に次々とはがされ、18年には27年ぶりに無冠となった。昨年は連続29期在籍した順位戦A級から降格。年度成績も14勝24敗と、目を覆わんばかりの大不振に陥った。
「その頃から自分なりに試行錯誤を繰り返し、実験的というか、いろいろなことを試したんですが、それがいい方向に出なかった」
普通ならその冒険に終止符を打つだろう。だが羽生はあえて継続した。若手棋士が平然と指す最新の形を追い求め続けた。「その中で悪い結果が出る時もあればいい結果の時もある。自分ではこの2年をそう捉えているだけで」。もがき苦しんだ末に現れた結果がすさまじい。今年度は25勝13敗とV字回復。何よりも強豪ひしめく王将戦挑戦者決定リーグで6戦パンチアウトが復活を雄弁に物語る。
「知人からは挑戦おめでとうのメッセージを多く頂いたのですが、以前はタイトルを獲ってからおめでとう、ですから。その辺は複雑ですね」と大笑いしながらも「大きな舞台を迎える前の緊張感、緊迫感はあります」と口元を引き締めた。
20歳の絶対王者に襲いかかる準備はできている。4勝を挙げれば前人未到の戴冠100期。羽生の持つ挑戦「剣」は相手の急所を虎視眈々(たんたん)と狙っている。
◇羽生 善治(はぶ・よしはる)1970年(昭45)9月27日生まれ、埼玉県所沢市出身の52歳。7歳で将棋を覚え、12歳で奨励会入会。85年に四段昇段し、史上3人目の中学生棋士となる。89年の竜王戦で初タイトルを獲得。96年の王将戦勝利で史上初のタイトル戦全7冠制覇を達成した。17年の竜王戦で史上初の永世7冠資格を得る。タイトル獲得は歴代1位の99期。18年には国民栄誉賞を受賞した。故二上達也九段門下。
≪“三笘の1ミリ”のような「際どい勝負をしている」≫昨年のサッカーW杯で話題になった「三笘の1ミリ」について羽生も興味津々。「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)で判定するのは将棋には多分ないので」と笑いながらも「一手争いではなく、さらにその10分の1とか100分の1とかで際どい勝負をしている。それが実際の対局でも起こっているとは思っています」と解析した。
情報源:羽生善治九段 戴冠100期に向けての冒険「うまくなじめたら」生きる伝説が最新の形求め復活― スポニチ Sponichi Annex 芸能
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藤井聡太王将-羽生善治九段(毎日新聞・スポニチ)
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