藤井聡太竜王、初防衛達成も「未知の局面への対応力足りていない」羽生善治九段との王将戦七番勝負には「非常に楽しみ」/将棋・竜王戦七番勝負

藤井聡太竜王 防衛記者会見|第35期竜王戦七番勝負第6局

17時17分 終局
113手 8三角まで、藤井聡太竜王の勝ち


現地大盤解説(アーカイブ)


2022/12/03 19:25

将棋の藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)が12月2・3日の両日、鹿児島県指宿市の「指宿白水館」で行われた第35期竜王戦七番勝負第6局で挑戦者の広瀬章人八段(35)に113手で勝利し、タイトル初防衛に成功した。4勝2敗でシリーズを終えたが、対局後に行われた記者会見では「未知の局面への対応力足りていない」と課題を口にする場面も。また、来年1月に開幕する王将戦七番勝負では、羽生善治九段(52)とタイトル戦で初対戦することが決まっており、「非常に楽しみ」と語った。会見の内容は以下の通り。

――初防衛の感想は

昨年竜王獲得して初めての防衛戦。今期を振り返ると、途中苦しかった将棋が多かったですし、大変な戦いでしたがその中で防衛という結果を出せて嬉しく思います。

――シリーズで上手くいった点と課題について

今シリーズは広瀬八段に序盤から工夫をされる将棋が多く、それに対してなかなか良い指し方が出来ないことが多かった。未知の局面に対する対応力はまだまだ足りていないのかなと感じました。ただ、8時間という長い持ち時間の中で、中終盤を含めてしっかり持ち時間を使って考えることはできたのは良かったと思っています。

――年明けからは羽生九段を挑戦者に迎えた王将戦七番勝負など、大きな対局が続く

1月からは王将戦七番勝負が始まりますし、その他にも重要な対局が続く。今回のシリーズを振り返りながら、コンディションをしっかり整えて今後の対局に臨めたらと思います。

――ワールドカップ期間中。サッカーと将棋の共通点はあると思いますか?

いままで共通点を考えたことはないですが、サッカーは選手が11人、将棋の駒は20枚という条件は同じなのかなと思う。決められた中でいかに効率を上げていくか、将棋で言えば駒の使い方になりますが、そういうところは似ているところがあるかもしれません。

――サッカー日本代表の躍進について

結果はニュースを見て知りました。グループリーグでスペインという強い相手に競り勝って決勝トーナメントに進出したということで、本当に素晴らしいことだと思います。試合に向けて練習を重ねて、緻密に作戦を練ってきたからこその結果なのかなと思います。

――番勝負の前後で広瀬八段に変化は感じましたか?

今回のシリーズでは、広瀬八段に序盤であまり最近では指されていない形を指されました。第2局はかなり珍しい形だったと思うんですけど、掘り下げられてさらに一歩踏み込んだ工夫をされていたという印象を強く受けました。それに対して、第2、3局でははっきり対応を失敗して苦しくしてしまったところがあるので、広瀬八段の踏み込んだ工夫に対して、同じくらいしっかり踏み込んで考えないといけないのかなという意識は持っていました。

――羽生九段の最近の印象について

1月からの王将戦は羽生九段との対戦ということで、自分としてはタイトル戦の番勝負という舞台で対戦できることを非常に楽しみにしています。最近の羽生九段の将棋を見ていても、1局ごとにテーマを持って臨まれていて、その中で工夫をされている印象で、非常充実されているのかなと感じてます。

――第6局封じ手開封後の一手で、飛車を取らせて角を打つという変化について構想はどのように準備したのでしょうか。

封じ手は一番有力な手なのかなと思っていて、それに対してどうするかと考えていました。本譜は飛車を逃げると銀か香車の変化でしたが、香車を選んだ場合、角を攻めるとこちらに千日手になってしまうような変化もあり、あまり上手くいっていないのかなと持っていました。封じ手の一手に対して横に逃げるのも有力だったみたいですが、そのあたりの比較をもっと掘り下げて考えなければいけなかったのかなと思います。

――師匠の杉本昌隆八段(54)へプレゼントの要望は?

師匠からは自分が七段の頃に和服の冬物と夏物を頂いて、今でもタイトル戦の時には着ています。師匠にはお世話になってばかりなので、何かプレゼントを頂くというより、こちらの方から何か返していかないといけないのかなと思っています。

――ファンへメッセージ

今日の将棋も中盤から終盤にかけて激しい変化が多く、判断の難しい局面が続いたんですけど、途中から踏み込んで行ってなんとか攻めをつなげることが出来たのかなと思います。苦しい将棋も多く大変なシリーズでしたが、結果が出せて嬉しく思っていますし、課題も多く感じたので今後に生かしていきたいなと思っています。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

情報源:藤井聡太竜王、初防衛達成も「未知の局面への対応力足りていない」羽生善治九段との王将戦七番勝負には「非常に楽しみ」/将棋・竜王戦七番勝負 | ニュース | ABEMA TIMES


2022-12-03 第35期竜王戦七番勝負第6局

☗藤井聡-☖広瀬 記者会見

防衛を決めた藤井竜王の記者会見が薩摩伝承館で行われました。花束贈呈を受けた藤井竜王は質問に答え、サッカーワールドカップや師匠の杉本昌隆八段の話題が出ると笑顔を見せる場面もありました。

――初防衛の感想は。
藤井 振り返って途中苦しかった将棋が多く、大変な戦いでした。そんな中で防衛という結果を出せてうれしく思います。
――七番勝負を振り返って。
藤井 広瀬八段に序盤から工夫される将棋が多く、それに対してよい指し方ができず、未知の局面への対応力が足りていないと感じました。ただ、8時間という長い持ち時間で中終盤も含めてしっかり時間を使って考えられたのはよかったと思います。
――年明けに羽生善治九段を挑戦者に迎える王将戦をはじめとして大きな勝負がある。重要な対局にどのように臨むか。
藤井 今回のシリーズを振り返りながら、コンディションを整えて今後の対局に臨めたらと思います。

――ワールドカップの期間中なのでサッカーに関する質問を。将棋とサッカーの共通点を考えたことはあるか。
藤井 うーん(笑)、考えたことはないんですけど、サッカーは11人、将棋は20枚という条件は同じなので、いかに効率を上げていくか、将棋でいえば駒の使い方なんですけど、そこは似ているところがあるかもしれません。
――日本代表が決勝トーナメントに進出した。
藤井 ニュースを見て知りました。グループリーグでドイツとスペインという非常に強い相手に競り勝って決勝トーナメントに進出したことは本当に素晴らしいことだと思いますし、試合に向けて練習を重ねて、緻密に作戦を練った結果なのかなと感じました。

――広瀬八段の序盤戦術には研究の深さを感じた。番勝負を通して広瀬八段の変化を感じたか、修正していったところはあるか。
藤井 今回のシリーズでは序盤であまり最近指されていない形、特に第2局は珍しい形だったと思うんですが、そうした形を掘り下げられて、さらに踏み込んだ工夫をされている印象は強く受けました。それに対して対応を失敗して苦しくしてしまったところがあったので、広瀬八段の踏み込んだ工夫に対して踏み込んで考えなければいけないのかなという意識は持っていました。
――王将戦七番勝負で挑戦者になった羽生九段についてうかがえたら。
藤井 タイトル戦の番勝負という舞台で対戦できることを楽しみにしています。最近の羽生九段の将棋を見ていても一局ごとにテーマを持って臨まれていて、工夫をされている印象で、非常に充実されているのかなと思っています。

――封じ手のあたりはどのように考えていたか。
藤井 封じ手の☖3八銀は一番有力な手と思っていて、それにどうするかと考えていたんですが、本譜☗4六飛と逃げると☖3七銀か☖4四香か、☖3七銀だと本譜の☗2六角まで進めてどうかと思っていました。ただ☖4四香で☗2六角を防がれると、こちらからすると千日手になってしまう変化もあって、あまりうまくいっていないのかなと思っていました。☖3八銀に対して☗5九飛とか横に逃げるのも有力だったみたいで、その比較をもっと掘り下げて考えなければいけなかったのかなと思います。☗2六角の局面は感触は悪くないかなと思っていたんですが、☖4四香の変化だとあまり自信の持てない展開なのかなと思っていました。

――師匠の杉本昌隆八段が、弟子がタイトル挑戦すると和服などをプレゼントするが、弟子が驚異的なスピードで成長した場合、プレゼントはどうすればいいかと話していた。
藤井 師匠からは七段の頃に和服を冬物と夏物をそれぞれいただいて、今でも大切に着ているんですけど、師匠にはお世話になってばかりなので、今後は師匠からプレゼントをいただくよりこちらから返していかなくてはいけないかなと思っています。


藤井聡太竜王に広瀬章人八段が挑戦する 第35期竜王戦七番勝負第6局が、12月2、3日(金、土)に鹿児島県指宿市の「指宿白水館」にて行われ、藤井竜王が113手で広瀬八段に勝ち、対戦成績を4勝2敗として、竜王を初防衛しました。

詳しくは、読売オンラインABEMA、及び日本将棋連盟ライブ中継をご覧ください。

情報源:藤井聡太竜王VS広瀬章人八段 第35期竜王戦七番勝負第6局 藤井聡太竜王が勝利し竜王を防衛|将棋ニュース|日本将棋連盟


七番勝負



藤井聡太竜王-△広瀬章人八段(棋譜中継

この手を見て広瀬が投了を告げた。投了以下☖9三玉は☗8五桂で詰み。☖8三同飛は☗同馬☖同玉☗8二飛☖9三玉☗8五桂までの詰み。
終局時刻は17時17分。消費時間は☗藤井6時間19分、☖広瀬7時間47分。七番勝負は4勝2敗で藤井が初防衛を果たした。藤井は竜王獲得2期目、通算タイトル獲得数を11期とした。

【藤井聡太竜王が第6局を制し、竜王位を4勝2敗で初防衛】
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/blog/20221203-SYT8T3584974/ 
【竜王位初防衛の藤井聡太竜王「苦しいシリーズ、結果出せてホッとしている」、広瀬章人八段「第3局の敗戦悔やまれる」】
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/blog/20221203-SYT8T3585059/ 
【第6局大盤解説会に登壇した藤井聡太竜王「2日目に攻めつながった」、広瀬章人八段「敗れた将棋は一方的内容で悔やまれる」】
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/blog/20221203-SYT8T3585065/

17時17分 終局
113手 8三角まで、藤井聡太竜王の勝ち

 


 

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